教えてくれたのは……ruiさん
フリーランス・サウンドデザイナー兼作曲家。N-VANを購入した3年前から車中泊を始める。旅先でのリモートワークはすでに日常化している。YouTube『rui vanlife』を日々更新中。
インターネット環境が最大の壁! Wi-Fiの“現在”の最適解を知る
コロナ禍により、人々の生活スタイルの変更を余儀なくされ、仕事のスタイルもリモートワークやワーケーションなど、新しいスタイルへとどんどん変化しています。
かくいう私も、コロナ禍をきっかけにライフスタイルをこれまでとガラッと変えて、クルマで旅をしながら車内でリモートワークをする生活に。
私の場合、リモートワークでもできるような仕事だけを選別して続けていけましたが、私より若い世代の人たちを見ていると、最初からクルマでリモートワークをすることを前提に、仕事そのものを選び直した人もたくさんいます。
さて、クルマでリモートワークを実際にするとなったときに、ほぼすべての人がパソコン(もしくはタブレット)での作業になると思いますので、必ず必要になってくるものはデスクと電源。
そして、それ以上に頭を悩ませるのがインターネット環境だと思います。
ネットにつながっていないと何もできないこのご時世。クルマの中でも快適なネット環境を構築しさえすれば、職場や家で生活するのとなんら変わりない状態で過ごすことができます。
しかし、これがなかなか難しいのが現状です。デスクや電源は、買えば済む話なのですが、ネット環境がそうはいかない理由は「なかなか自分に合った最適解が見つからない!」という現実にぶち当たるからです。
パソコンやタブレットをネット環境につなぐ方法としては、「ポケットWi-Fiを使う」「スマホでテザリング」「格安SIMを挿す」などが挙げられます。
ポケットWi-Fiに関しては、2022年3月現在でおよそ50社以上がサービスを提供していて、どれを選べばいいか、めまいを起こしてしまいそうです。
近年登場した格安SIMも現在では30社ほどに増え、「格安SIMとは、いったい何なのか」もわからないまま、選択肢だけが異常に増えて、困惑している人も多いのではないでしょうか?
つまり、ひと昔前のように3大キャリアだけ比較していればよかった時代はすでに終了。多種多様な選択肢のなかで、先に「自分の使い方に合った理想的な方法」を、ユーザー側でイメージをもつことが大切で、「そこからサービスを選別していく」という探し方をしないと、あっという間に情報の渦に巻き込まれてしまうのです。
しかも恐ろしいことに、このように各社がしのぎを削っている現状なので、新しいプランや料金体系が刻一刻と変化し、先月まであった理想のプランがなくなっていたり、いま使っている選択が、すでに古いものになっていたりと、常に最新情報に敏感になっていないと追いつけないのです。
選択肢が多すぎるうえに日々変化していくWi-Fi事情。「最適解が見つからない」理由は、こういったところにあると思っています。
とはいえ、「クルマの中で仕事をするために使う」というケースは、比較的限定された状況です。今回は、私がふだん気にしているポイントをいくつか紹介します。
①仕事で使うならバックアップのためにも複数端末を持っておこう!
完全リモートワークでネット回線もバリバリ使いたいなら、容量無制限プランの端末が必須です。ただし、いくら容量が無制限でもエリア外で電波が入らないと何の役にも立ちません。
できればキャリアや方式の違う端末をもう1台持っておいて、1台がダメでももう1台でカバーできるようにバックアップ回線を持っておくと安心です。
現在、日本国内ならほぼどこでも電波は入りますが、場所によっては「A社は非常に弱いけどB社は問題なく入る」というような差はあります。
2台持ちに抵抗があっても、使った分だけ料金が発生するようなプランにしておけば金額面でもお得。ただし、あまりにも秘境ではどの回線も入らないので、その場合はさっさと諦めて場所を移動しましょう。
ポイント:キャリアやプランの違う端末を2台持ち
➁自分がふだんどれだけの「ギガ」を使っているか把握しておこう!
ネット回線を使うのは共通だと思いますが、どれくらい使うかは人それぞれ。自分がふだんどれくらいの容量を使っているかを知っておくのは、プラン選びの際にとても重要な要素になります。
月100GB以上使う場合は多少高額でも容量無制限プランを選ぶべきですし、そんなに使わない人が無制限にする必要もありません。
また、「エンタメフリー」と呼ばれるような、YouTubeなどをいくら見てもカウントされないプランは、場合によっては大幅な節約になるでしょう。
見落としがちなのは、回線速度はダウンロードを基準に書かれていることが多いのですが、仕事で使う際は意外とアップロードのほうが多いということ。特にYouTuberは、アップ回線の速さにも注目してみましょう。
ポイント:自分が使用する容量に合ったプラン選び
③賢く使いすぎると逆にストレス⁉ 無料・無制限の罠
3大キャリアに加えて鳴り物入りで登場した楽天モバイル。1年間無料・容量無制限の文字に飛びついた人も多いと思います(私もです)。
ところがこれには「楽天エリア内のみ」という条件つき。もちろん楽天エリア内なら何も気にせずに使いたい放題なのですが、その「エリアを探すために大移動」したり、「エリア内に入ったから、わざわざ既存回線から切り替えたり」するのが、旅を続けていくとおっくうになりがちです。
最終的には面倒になって、使わなくなったという人もチラホラいるので、楽天モバイルが自分の性格に合っているか(!?)、検討してみるのもいいでしょう。
現在もエリアは拡大中ですので、今後無敵の回線になる可能性に期待大です。
ポイント:とはいえ、使い方次第で「楽天」は魅力的
④テザリングも活用すべし! ただし自分の契約プランは要確認
ポケットWi-Fiを持っていると、クルマでのリモートワークでは大活躍しますが、場合によっては回線が途切れたり、極端に速度が出なかったり、端末が熱をもってつながらなくなったりすることもあります。
そんな場合、ほとんどの人が持っているスマホをテザリングして、ネットにつなげられるようにしておくこと。むしろ、テザリングがメインでポケットWi-Fi はサブ、という発想も十分にアリだと思います。
ただし、キャリアや古いプランによっては、容量の制限や高額なプランもあり、あらかじめ契約しておかないと使用できない場合もあります。まずはプランの確認をおすすめします。
ポイント:ポケットWi-Fiに頼りすぎないように
⑤タブレットには贅沢に「専用」 格安SIMという選択肢もあり!
最近のタブレットは、パソコンとほぼ同等の作業ができますので、パソコンよりもタブレットのほうが、使用頻度が高いという人も多いのではないでしょうか。
その場合、思い切ってタブレット用に格安SIMを購入するほうが、いちいち別のWi-Fiにつながなくて済むので、ストレスが大幅に減ります。
また、iPadをカーナビとして使う場合、「Wi-Fiモデル」にはGPS機能がないことも見落とされがち。
「Wi-Fiモデル」でも使えないわけではないですが、精度はかなり落ちます。カーナビとして使う場合は、単独で通信ができる「セルラーモデル」のほうが安心です。
このように、Wi-Fi、テザリング、格安SIMの上手な使い分けが現在の最適解だと思います。
⑥変化球だけど意外とありかも!? クルマをWi-Fiスポットにする方法
パイオニアのカーナビ・カロッツェリアの「サイバーナビ」は、「docomo in CarConnect」に対応したモデルで、クルマをドコモ回線のWi-Fiスポットにすることができます。
容量は無制限で、何よりドコモなのでエリアも広く安定しています。カーナビ本体を買わなくても、車載用ルーターだけの販売もしているので、初期投資も抑えられるはずです。
ただし、「走行中と停車後60分しか使えない」など、いろいろと制限もあります。しかし、「クルマ」をキーワードに考えると、これが最適解と考える人もいるのでは? カーナビの買い替えを考えているのなら検討してみてもいいかも、ですね。