キャンプの新しいスタイルとして、キャンピングカーがいま大きな人気を集めている。さらに、キャンピングカー泊を前提とする車中泊スポットも急増中だ。そこで今回は、編集スタッフによるレンタルキャンピングカー&車中泊スポット初体験の様子を紹介しよう。
佐藤七海
1987年、横浜市生まれ。自転車、バイク、クルマ、スキー、首都圏近郊のタウン情報誌の雑誌の編集部を経て、現在はフリーに。スキー雑誌時代は、ガルヴィ編集部と同部署に所属。キャンプは丸5年ぶり。
テント設営なし! レンタルキャンピングカーでらくらくキャンプへ!
最後にキャンプへ行ったのは5年前。ひさびさのキャンプのために、道具を引っ張り出して、あれこれ準備をしていたら、なんとテントが行方不明。新しく買い直すのもいいけど、買うならじっくり選びたい。
そうだ、キャンピングカーってレンタルできるのかな? と、ふと思い立って検索したら、マクレントにたどりついた。平日なら24時間で2万3000円~と、あれ? 思ったより高くない。
キャンピングカーなら、テントを立てる必要もなく、どんな時期でもエアコンで快適に寝られるし、荷物も十分すぎるくらいたっぷり積める。
「それだったら、電源が取れる車中泊スポットがいいよ。クルマも横付けできるから、荷卸ろしもラクだし、キャンプ場より人が少ないから、今は穴場かも」と、編集部からアドバイスをもらい、その手があったか! と即決した。
マクレントで東京から一番近い店舗は平塚。平塚で借りるなら、海も山も近い三浦半島のあたりがいいな、と思って車中泊スポットを調べたら3カ所ヒット。今回は葉山をセレクトした。平塚でキャンピングカーをレンタルし、いざ葉山へ!
まずは「マクレント平塚ステーション」でキャンピングカーをレンタル
東名高速道路・厚木ICから10分ほど走行し、「マクレント 平塚ステーション」へ。ドイツ生まれのキャンピングカーレンタル会社で、甲府、長野、名古屋、京都、大阪、高松にも店舗を構える。
車両は登録より3年以内のものを運用し、走行や防犯の安全性を考慮したマクレントの専用モデルも。1泊(24時間)平日2万3000円〜。
所在地:神奈川県平塚市大神2360
電話:0463-74-4726
知っておきたいレンタルキャンピングカーの基礎知識
キャンピングカーをレンタルする前に一般乗用車との違いや装備、注意点などを紹介! スムーズに借りられるよう、ぜひご一読を!
①レンタルキャンピングカーって、普通のレンタカーと何が違うの?
バッテリーや水まわり、コンロ、電化製品など、装備が盛りだくさんのキャンピングカー。出発後の利用時に不明点が出ないよう、借りるときにひとつひとつの装備について、しっかり説明を聞くこと。
保険や免責事項の説明なども、乗用車のレンタカーとは補償の範囲が異なることもあるので要確認。乗用車を借りるときよりも時間がかかるため、出発日のスケジュールには余裕をもとう。
➁主なキャンピングカーの種類を知る
バンコン(バンコンバーション)
ミニバン、ワンボックスのバン&ワゴンをベースにしたモデル。ボディサイズがベース車とほぼ変わらないので、日常でも使いやすく、人気が高い。車内にベッド、キッチン、サニタリーなどが重点的に装備されているものが多い。
キャブコン(キャブコンバーション)
ピックアップトラックやバンをベースとしたキャブ付きシャシー(荷台を架装する前の貨物自動車)の上に、キャンピングカーの装備を有したキャビン(居室)を架装メーカーが製造したもの。これぞ「キャンピングカー」のビジュアルと装備。
軽キャンパー
軽自動車がベースのキャンピングカー。軽モデルのなかでも、ベース車両のタイプなどによってバンコン、キャブコンなどに、細かく分かれる。軽自動車ベースなため車両サイズが小さく小回りが利き運転しやすい。購入時の本体価格が比較的低価格なのも魅力。
\レンタルしたキャンピングカーはこちら!/
今回借りたキャンピングカーは、最大6名まで乗車できるライトなキャブコン(平日1泊2万3000円)
③キャンピングカーの装備をチェックしよう!
さまざまな快適装備が付いているキャンピングカー。現地で使いこなせるように、レンタル時にどんな装備があるのか、使い方、注意点などしっかり説明を聞いておこう。
今回借りたキャブコンの装備をチェックしてみたぞ!
キャンパーシェル内には、クーラー、電子レンジ、冷蔵庫、シューズボックス、各種収納棚、洗面台(水まわり)など、生活に必要なものがひととおりそろっている。
スイッチ類は室内灯用、キャンパーシェルの天井に設置されている換気扇用、給水タンクから水をくみ上げるためのポンプ用の3つを装備。
出発前に給水用のポリタンクに水を入れておけば、シンクも利用可能。ポリタンクは2個あり、ひとつは給水用(右)で、もうひとつは排水用だ。
大人4名がゆったりくつろげるリビングスペース。ポールを立てれば、テーブルを設置することも(車内に付属)。ドリンクホルダー付きで、ゆったりとくつろげる。
リビングスペースのソファを倒すと、あっという間に3名分のベッドスペースに変身! バンクベッドと合わせると、最大6名まで寝られる。
運転席の頭上スペースもベッドルームとなっている(バンクベッド)。ひとりならそのまま横に寝られ、手前に引き出すと、川の字で3名まで寝られるスペースに。
外側に外部電源入力口を用意。ここに電源用ケーブル(レンタル時に付属)を接続すると、車内にAC100Vの供給がされ、常時クーラーや電子レンジの使用が可能に。
④キャンピングカー走行時の注意ポイント
乗用車に比べて加速が出にくく、車体が大きいため横風にあおられやすい。強風時は注意して運転を。車体の高さが2m50cmを超えるものも多く、駐車時は平置きの駐車場を探そう。
また、リアタイヤの中心からリアエンドまで距離が長いクルマも多く、クルマ止めにタイヤが当たるまで下がってしまうと、壁にぶつけてしまう恐れが。
後ろの荷台部分は運転席より少し横に出っ張っているモデルも多く、車線変更や右左折時をはじめ、角度によっては死角が発生するので要注意。
平塚、茅ケ崎、江の島、鎌倉と国道134号を駆け抜ける湘南・海沿いドライブ
マクレントを出発し、国道134号まで南下。平塚から国道134号をひたすら東に、平塚〜由比ガ浜と湘南の海沿いを気持ちよく駆け抜ける。
車両のベースはトヨタのライトエースバン。見た目によらず、小回りが効く。一般的な乗用車に比べて、ハンドルの角度が少し起きているので、右左折のときは、ハンドルをぐるりと回せて運転が楽しい!
今日一番の楽しみは晩ごはん。
レンバイで鎌倉野菜を購入し、逗子駅前の魚佐次で釣りたての鮮魚、HAYAMA STATIONのブレドールでタルトフランベ、葉山旭屋牛肉店で葉山牛! と、私的にパーフェクトな買い出しルートを経て、Hayama RV-SITE by Star Home に到着。
まずは日が暮れる前に荷卸ろし。サイトにクルマを横付けできるからストレスフリー! コーヒーを淹れてひと息つき、さっそく夕食の準備に。
鎌倉と三浦半島の地野菜と地魚で贅沢ディナー!
鎌倉のレンバイで購入した採れたての野菜とハーブ。スーパーだと、こんな金額じゃ買えないよ〜というほど安くて量がたっぷり。めずらしい野菜も多いので必見!
野菜をカットし、ステーキとアクアパッツァの付け合わせとサラダを作る。見た目がカラフルだとカットしてるだけでワクワクするから不思議!
ステーキは焚き火台の上にフッ素樹脂加工の鉄板をのせて調理。お肉の油で野菜もグリル。焼き加減が絶妙なステーキに、ほっぺたがとろんと落ちた。
アクアパッツァはキャンピングカーに電子レンジが付いているので、シリコンスチーマーのルクエで調理。車内の電子レンジは外部電源をつなげると利用できる。
ルクエの中にカサゴ、アサリ、紫たまねぎ、ハーブ、ケーパー、オリーブを入れて、オリーブオイルと塩、こしょうをふりかけ、500Wで12分。ほったらかしでアクアパッツァの完成!
HAYAMA STATIONのブレドールで購入したお気に入りのタルトフランベは、スキレットでサクサクに。ルクエで調理したカサゴのアクアパッツァはアサリのだしが効いて絶品!
焚き火で調理した葉山牛のステーキは、とろけるおいしさ。朝採れの鎌倉野菜のサラダと赤ワインと一緒に贅沢なディナーを。こんな至福なディナーはいつぶり?
食後も車内で優雅なリラックスタイム
シャワーを浴びたあと、レンバイで購入したミントでモヒートを作って晩酌。iPad でお絵描きしたり、動画を観たりしていたら深夜に。外は湿気で蒸し蒸しだけど、車内は冷房が効いて快適空間。おかげでぐっすり眠れた。
キャンピングカーってハードルが高いと思っていたけれど、運転も楽しいし、電源の心配もなく、なにより快適。テントを買わずにまたキャンピングカーでキャンプしたいかも! と思ってしまうほど、快適なキャンプだった。