エアコン装備や断熱仕様など暑さ対策多数あり!
![画像: エアコン装備や断熱仕様など暑さ対策多数あり!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2024/07/06/24053e84654cf5f2542b95165f8e67552ec9949b.jpg)
一年を通してアウトドアを旅するキャンピングカーだから、夏の暑い時期でも快適に過ごすための工夫が随所になされている。
製造工法や、使われている専用パーツなど、普通車にはないキャンピングカーならではの装備を紹介をしよう。
①ボディ断熱
![画像: ①ボディ断熱](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2021/05/25/f77c6a0283422efcfbcb64d759bcfe26c59b6edd.jpg)
断熱材で囲んで外からの熱をカット!
キャブコンといわれるボディ架装のタイプは、シェルを自由に作ることができる。デザインとともに重要なのが断熱である。
パネル内部に断熱材を挟んだシェルならば外気の熱を伝えづらい。壁面、天井とともに床下にも断熱材を敷き詰めることで、全方位に渡って断熱することも可能だ。
ハイエースなどをベースにしたバンコンの場合でも、外装と内装のすき間に断熱材を入れることで断熱効果を高くしているモデルもある。
![画像: 断熱材で囲んで外からの熱をカット!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2021/05/25/5174db3b2e3b580f4d75c0710c96359f68df6a60.jpg)
外壁はスチレンフォームを挟み込んで成型することで断熱効果を高めている。外気を伝えづらくして、エアコンの効きなどを高める効果がある。
床にもスチレンフォームを使っているので、気になる足もとからの熱を遮断することができる。
②アクリル二重窓
![画像: ②アクリル二重窓](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2021/05/25/89251454a6165388247b90833135c9077f3f3e3a.jpg)
空気を挟んだ2層式の窓で暑さを軽減!
ふだんはキャンピングカーで車中泊をしているが、テストを兼ねてミニバンで冬に車中泊したことがある。
カーテンを閉めても、ウインドウとのすき間から冷気が伝わってきて、寒かった覚えがある。面積が大きいウインドウは外気が伝わりやすい部分である。
キャンピングカーの場合は専用のアクリル二重窓がある。ミニバンなどのガラスのウインドウと違って空気の層を挟み込んだ二層式なので、暑さが伝わりづらい仕組みになっている。
![画像: 空気を挟んだ2層式の窓で暑さを軽減!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2021/05/25/6db7189e862be129e65901acb2ee4e86956069c2.jpg)
ウインドウを開ければ心地いい風が通り抜ける。網戸を内蔵するタイプのウインドウもあるから、夏の虫対策も万全。二重窓は結露防止にも効果がある。
〈Tips〉ガラスウインドウとアクリル二重窓
トラックをベースにしたキャブコンなどは運転席、助手席以後を架装する。だから装備品選びでも自由度が高く、ウインドウも二重窓を採用していることが多い。
バンコンでも部分的に架装しているモデルではアクリル二重窓を採用している。ガラスウインドウとの熱の伝わりかたの違いは明らかに体感できるほど。
③エアコン搭載
![画像: ③エアコン搭載](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2021/05/25/9680296eccc8f82966c91b10078f2d63fd2ef5a0.jpg)
夏車中泊の救世主⁉ 近年の主流に
ここ数年、キャンピングカーの暑さ対策装備で主流となっているのが、家庭用エアコンの搭載である。
昔からキャンピングカー向けの車載用エアコンはあるのだが、ルーフに載せて使うタイプで重く、音がうるさいなどと評判があまりよくなかった。
キャンピングカーは車のメインバッテリーのほかにサブバッテリーを搭載しているが、そのバッテリーを3本積みにするなどで大容量化して、家庭用エアコンの電力源として使うことが主流になってきているのだ。
![画像: 夏車中泊の救世主⁉ 近年の主流に](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2021/05/25/28cc61428f6b36acbad0da241a25c69b5d189661.jpg)
キャンピングカーメーカー各社が頭を悩ませるのが、家庭用エアコンの室外機置き場。キャブコンなどは比較的スペースにゆとりがある。
〈Tips〉家庭と同様の快適さが得られる
![画像: 〈Tips〉家庭と同様の快適さが得られる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2024/06/27/564e1a7270b896ed538d61c2672f99bb1dcd24e4.jpg)
家庭用エアコンのAC100V電源を取る方法は3つある。
①キャンプ場の電源サイトなどで車外から取る。
②発電機を使う。
③車内のサブバッテリーの電気をインバーターで変換する。
最近は③の方式で家庭用エアコンを装備するキャンピングカーが増加。昼間の走行でサブバッテリーの電気を溜めて、暑い夜にはその電気を使いエアコンを動かすのだ。
④ルーフベンチレーター
![画像: ④ルーフベンチレーター](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2021/05/25/b79e198ec270d3a984d662a6d427bd61a867bcf1.jpg)
コツは車内に空気の流れを作ること!
キャブコンやバンコンのルーフに装備されるルーフベンチレーター。天井に溜まった熱気を排気するのが主な機能だが、ファン付きモデルや、吸気ができたり、ファンの速度調整ができるものもある。
ファン付きのモデルはDC12Vを電源に駆動。ルーフベンチレーターのカバーを開けて、ファンのスイッチを入れると車内の空気を排出する。
走行中に使うことができるように、ルーフベンチレーターの取り付け場所のルーフ上に取り付けるカバーもある。
上写真の「ファンタスティックベント」は、キャンピングカーではポピュラーなルーフベンチレーター。3段階で風量調節ができ、吸排気ができるので車内の温度調整にピッタリ。
〈Tips〉風の流れを作ることでもっと涼しくなる
ルーフベンチレーターを使って排気する際は、車内に空気の流れを作るのがコツ。車内は気密性が高いので、ルーフベンチレーターだけでは効率よく排気できない。
どこか1カ所でもいいから、たとえばウインドウを細く開けるだけでも、そこから空気が入り込み、天井まで空気の流れができる。空気が動くことで車内で涼しく過ごせるのだ。
⑤シェード&網戸
![画像: ⑤シェード&網戸](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2024/06/27/a7df5ffb1a47656a509e61ba393c889c3e630155_xlarge.jpg)
窓と一体式が邪魔にならず便利に使える
アクリル二重窓と一体になっているものもあり便利。シェードは目隠しや日よけになり、網戸は窓を開けても虫の侵入を防ぎ、外気を取り入れることができる。
ドメティックの「押出ウインドー D-Lux」はキャンピングカーではポピュラーなウインドウ。窓枠の下からシェード、上から網戸を引っ張り出して使うことができる。シェードも網戸もインナーの枠の中にすっきりと納まるのでまったく邪魔にならない。
![画像: 窓と一体式が邪魔にならず便利に使える](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2024/06/27/74f5967ea49071ea2726635971d37022563a5d03.jpg)
無段階調節が可能なので、好きな位置で固定できるのもいい。上半分を網戸、下半分をシェードというような使い方ができるのも、無段階調節ができるいいところ。
汎用のカーテンなどに比べるとすき間がないし、車外からの視線も気にならない。
〈Tips〉シェードと網戸が基本
ミニバンなどで車中泊するときと同様に、キャンピングカーでも夏の日差しを遮るシェードと、虫の侵入に気を使わず外気を取り入れることのできる網戸は必需品だ。
キャンピングカーではそれらの機能を付属したウインドウがある。専用品のいいところは、使っていないときに邪魔にならないことと、使うときにサッと使えることだろう。
文:浅井佑一
写真協力:キャンピングカーパーツセンター、渡辺圭史、中里慎一郎
出典:カーネル2020夏号vol.46