【概要】2021年12月にフルモデルチェンジしたダイハツ・ハイゼットカーゴ、アトレーの紹介。車中泊での使い勝手や注目ポイントなど。また旧ハイゼットカーゴ―オーナーの車中泊YouTuber・ちょもかさんによる新車チェックも。
先代の弱点を全解消! 名実ともにクラストップに
![画像1: 先代の弱点を全解消! 名実ともにクラストップに](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/ee849ed1616587cf2d91f248565b72508c6ad310.jpg)
2004年から17年間にわたって生産されてきた10代目ハイゼットカーゴ。2度のマイナーチェンジと数回の仕様変更を行うことで、驚くほどのロングライフを誇ったモデルだが、2021年12月についにフルモデルチェンジを果たした。同時に、兄弟車のアトレーも一新している。
さて、先代のハイゼットカーゴといえば、市場では登録台数ナンバーワンを記録してきたが、室内寸法がエブリイに劣っていたことから、車中泊派には賛否両論のモデルであった。しかし今回のモデルチェンジによって、先代の弱点をすべて解消。名実ともにクラストップに立った。
新型はDNGAに基づき設計されており、ボディ、パワートレーンなどを一新。ボディは衝突安全性などを向上しただけでなく、よりユーザーフレンドリーなデザインとなった。
一見すると、エブリイを強く意識していることが感じられるが、アトレー、ハイゼットカーゴとも現代的で好感のもてる顔付きになっている。
![画像2: 先代の弱点を全解消! 名実ともにクラストップに](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/4fabba6c0f58c392de9094f6e1e4655e0f070e1b_xlarge.jpg)
最大の進化は車内空間で、実用サイズが拡大しただけでなく、車内の出っ張りを極力解消。荷物の積載、そして車中泊でストレスなく使えるように熟考されている。
アトレーは、従来はハイゼットカーゴの5ナンバー軽ワゴン版という位置づけだったが、あえて4ナンバーに変更。これはレジャー派の荷物が増加傾向にあることを鑑みたもので、セカンドシートはリクライニングしなくなったものの、フラットな荷室と350kgの最大積載量を可能にした。
その他、パワートレーンなども新しくし、魅力が大幅にアップした両モデル。アクティブ派にぴったりの一台だ。
ハイゼットカーゴ&アトレーの注目ポイント!
荷室が大幅に使いやすくなった
![画像1: 荷室が大幅に使いやすくなった](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/20e1920cee7a2b2e3e265945a5edde450cbd4fbd.jpg)
ハイゼットカーゴは言うまでもないが、アトレーもまた完全フラットな荷室を実現。さらにサイドや床面に従来はあった出っ張りをほぼなくし、デッドスペースを解消している。
![画像2: 荷室が大幅に使いやすくなった](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/5eb6c3df8a057a428c10466c54b3945f1b90eb98.jpg)
床面が完全フラットになったことで、車中泊などのレジャーユースでの快適性もグッと向上。もちろん、各車内寸法も拡大している。
写真はハイゼットカーゴのクルーズ系で、他の2グレードは助手席もフラットになる。
ユーザーフレンドリーにイメチェン
![画像: ユーザーフレンドリーにイメチェン](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/3ebc0c7926bf860dbb952a863c557cedecad1bb2_xlarge.jpg)
従来はグリル部分とバンパー部分がクッキリと分かれ、ヘッドライトも吊り目だった。しかし、表情を若干柔和にして、ハイゼットトラックに近い色使いをトップグレードにしている。
なお、ぶつけたときにパーツ交換がしやすいように、上下二分割のバンパーを採用。プロユースを意識したベーシックグレードは、交換費用が抑えられる無塗装バンパーを採用している。これにより、従来のイメージを欲している人にも対応している。
アトレーにもデッキバンがラインアップ
![画像: アトレーにもデッキバンがラインアップ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/4756a6187a04a483022aa6841c98fbf1fc2c39c2_xlarge.jpg)
一部のプロに愛用されていたハイゼットカーゴのデッキバン。バンとトラックのメリットを両取りしたボディバリエーションだが、レジャー派にも注目されていた。
今回のフルモデルチェンジで、アトレーにもデッキバンをラインアップ。4名乗車を実現しながら、マリンスポーツやアウトドアのアイテムを、気兼ねなく荷台に積載できるようになった。
また、ハイゼットカーゴのデッキバンとは一線を画すカラーリングも設定されている。
CVT採用で運転しやすくなった
![画像1: CVT採用で運転しやすくなった](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/47517617a52c2b021c26f17f3d2e674c18e68663.jpg)
660ccという限られた排気量、しかも荷物を満載する機会が多い軽バン、特にAT車にとって急坂は嫌なシチュエーションといえる。
力強いトルクを得るには低速ギアがいいのだが、変速スケジュールによってはギアアップ&ギアダウンしたり、変速ショックが気になったり……。
![画像2: CVT採用で運転しやすくなった](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/ba8a4d79f5efc2c16f3433d5a8e1a78ea97c2e4a_xlarge.jpg)
そんなストレスを解消し、燃費向上のために採用されたのが、無段変速のCVTだ。このアトレー、ハイゼットカーゴのためにFR用CVTが新開発された。
クラス最高の使い勝手! ハイゼットカーゴ徹底チェック!
グレード
![画像: グレード](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/832776f5ec729838a604928f6cc6695225b9fe3d.jpg)
グレード構成は全5タイプ。ターボ車は1グレードで、あとはNA車。今後、デラックスをベースにしたキャピングカーが多く発売されそうだ。
スペック(クルーズ 2WD 5MT)
●全長3395×全幅1475×全高1890mm ●車両重量:900kg ●最小回転半径:4.2m ●エンジン:658cc 直3DPHC ●最高出力:47kW[64PS] ●最大トルク:91N・m[9.3kg・m] ●WLTCモード燃費:14.7km/ℓ
エブリイをしのぐ荷室寸法とユーティリティ
![画像1: エブリイをしのぐ荷室寸法とユーティリティ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/423fa0be1c7157bdef054dc98a51a5fbd55822cd.jpg)
![画像2: エブリイをしのぐ荷室寸法とユーティリティ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/13ce7f0035afa22aee0985ff0a8c88a9fff83adc.jpg)
新型は従来型よりも、荷室長+55mm(1915mm)、荷室高+15mm(1250mm)、荷室幅+35mm(1410mm)と大幅にサイズアップ。結果、エブリイよりも広い荷室を実現し、クラストップのスペースユーティリティを誇っている。
オプションで車中泊もラクラク
![画像: オプションで車中泊もラクラク](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/1d6e0dd191e744220e2a2d8759be13fa7fd9b804.jpg)
スペシャル系のセカンドベンチシートをフラットにしたときに、シートのつなぎ目を消す荷室マットをオプション設定。室内の収納ラックやルーフラック、ドレスアップパーツなど、レジャーで便利に使えるアイテムが豊富だ。
ライフスタイルに合わせたグレード選びが可能
![画像: ハイゼットカーゴ デラックス 2WD](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/38ea86e44ee5e21f40e0e1e176185e3d4e801c3c.jpg)
ハイゼットカーゴ デラックス 2WD
上位2グレードは運転席・助手席のシートが豪華版で、後部席も左右分割タイプ。ロアグレード2つは、後部席がベンチとなる。インパネは全グレード共通だが、上位2グレードにはカーナビ用のスペースがある。
4ナンバーになった! アトレー徹底チェック!
乗用車らしいスタイリッシュな外観
![画像1: 乗用車らしいスタイリッシュな外観](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/2d9055327c37cd834022b27ee798214331ed26e1_xlarge.jpg)
![画像2: 乗用車らしいスタイリッシュな外観](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/17a978f30659a6d4f71cc77c26b87e748f62be9e.jpg)
新型アトレーは軽4ナンバー登録だが、位置づけとしてはハイゼットカーゴの乗用車系になっている。そのため、デザインの一部で差別化を図り、メッキパーツを多用。インテリアも豪華仕様になっている。
スペック(RS 2WD)
●全長3395×全幅1475×全高1890mm ●車両重量:970kg ●最小回転半径:4.2m ●エンジン:658cc直3DOHCインタークーラーターボ ●最高出力:34kW[46PS] ●最大トルク:60N・m[6.1kg ●WLTCモード燃費:14.9km/ℓ
完全フラットな荷室に変貌
![画像: 完全フラットな荷室に変貌](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/31db64e639a9e22b3514dca7624f4aee3146ab02.jpg)
従来型ではシートの快適性を重視したため、シートをフラットにしたときに床面が波打ち、凹凸も多かった。新型ではハイゼットカーゴ譲りの完全フラットな荷室を実現し、車内寸法、室内容積も向上している。
防水フロアでアウトドアライフにピッタリ
![画像: 防水フロアでアウトドアライフにピッタリ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/4e263b72dfd635d0193da0ca58c0a39a0a4d33ed.jpg)
従来型ではフェルト系の床材が使われていたが、清掃が面倒だった。そこで防水性のあるイージーケアフロアを採用し、濡れたり汚れたりしても、サッとふけるようにした。まさにアウトドアユースにぴったりだ。
アウトドア向けのオプションも豊富
![画像: アウトドア向けのオプションも豊富](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/484443d07b5c81ed2f229dae21073243888a459c_xlarge.jpg)
車内でテーブルやベッドとして使える「収納式デッキボード」や、カーテン、収納のための天井ラックなど、アウトドアユースを意識した純正オプションを設定。これらを取り付ければ、すぐに車中泊仕様になる。
まだまだあるぞ!両モデル共通ポイント
両側パワースライドドアを採用
![画像: 両側パワースライドドアを採用](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/42ba92e6f379ba530b3a611478b72ef4ad0e569c_xlarge.jpg)
アトレーのRS、デッキバンに標準装備されている両側パワースライドドア。ハイゼットカーゴの一部グレードにオプション設定されている。乗降や荷物積載時に役立つ快適装備だ。両側イージークローザーも同時に採用された。
ウェルカムオープン機能で荷物の積載もラクラク
![画像: ウェルカムオープン機能で荷物の積載もラクラク](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/238b7b12303dbc687df8fc7431cf867c427833c0.jpg)
下車時にあらかじめスイッチを押しておけば、カードキーを持って車両に近づけば自動でドアオープン。両手がふさがるような状況で重宝する機能だ。アトレーのRS、デッキバンに標準装備。
電子制御4WDをクラス初採
![画像: 電子制御4WDをクラス初採](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/c5797adf6a34998a8e5b26e2f9b5511962d51d4d_xlarge.jpg)
前後に最適な駆動トルクを配分するフルタイム4WDと直結4WDが選べるシステムをクラスで初採用。降雪地や未舗装のキャンプ場などで大いに威力を発揮してくれる。
アクティブに使える撥水性シート生地
![画像1: アクティブに使える撥水性シート生地](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/4198aaf7a26b142aad05edbe1ea528a912476454.jpg)
![画像2: アクティブに使える撥水性シート生地](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/1bf240bd75cc8c5efca3d9f20560239406dbed1b_xlarge.jpg)
アトレー、およびハイゼットカーゴのクルーズターボ、クルーズ、デッキバンGに全席撥水シート生地を採用。デラックスとデッキバンLには前席のみ採用している。アウトドアユースにぴったりだ。
デジタルミラーで視認性アップ
![画像: デジタルミラーで視認性アップ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/a24e6b021c3f7c891229a9c46367a5dd644d43d1.jpg)
デジタルミラーと鏡面の切り替えが可能なルームミラーを採用し、荷物満載で後方が見えない場合でも安心して乗ることができる。ミラーのモニターはバックカメラとも連動している。
安全装備もグレードアップアトレーにはACCを採用
![画像: 安全装備もグレードアップアトレーにはACCを採用](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2022/03/08/e300fd95ca5abab9bb4768f537e72413671d6090.jpg)
ハイゼットカーゴは全13種類、アトレーは全14種類の安全機能を標準装備。特にアトレーには、軽バン初となるアダプティブ・クルーズ・コントロールが標準装備となり、高速道路での利便性が向上した。
文:山崎友貴