【概要】車中泊の達人シリーズ。ハイエースで車中泊を楽しむ矢井田 千秋さんを紹介。車中泊専門誌『カーネル』より。

“未知の世界”が見たくてはじめたバンライフ

画像: バンライフ歴1年半。はじめたきっかけと、今思うこと。

オーナー:矢井田千秋さん(まるぴーvan+life)

普通のOL、看護師を経て、バンライフを機にWEBライター、YouTubeを始める。海外バンライフが夢だが、いまはディープな日本や人に会うバンライフにハマっている。

写真・文/矢井田 千秋

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バンライフというライフスタイルを始めて約1年半。きっかけは、いまは別々に暮らすパートナーだ。

ふたりには、「キャンピングカーに乗って、未知の世界を見たい」という夢があり、出会ったのが「バンライフ」だった。

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「必要最低限のものだけをクルマに積み込んで移動する」ライフスタイル。見つけるやいなや、彼はトヨタのハイエース・スーパーロングバン、しかもワイドのハイルーフの購入をしていた。

すでに賃貸の部屋は解約して、新しいライフスタイルを始めると決まっていたので、「必要最低限」といえど、ふたり分の荷物が入る大きさの車が必要だったのだ。

画像: バンライフは日常の「暮らし」を、非日常に持ち込んでいる。ありえない場所にある「暮らし空間」。「違和感」が日常に彩りを与えてくれているから、同じ暮らしの行為も楽しく感じるのかも。

バンライフは日常の「暮らし」を、非日常に持ち込んでいる。ありえない場所にある「暮らし空間」。「違和感」が日常に彩りを与えてくれているから、同じ暮らしの行為も楽しく感じるのかも。

でも、ハイエースの購入理由はこれだけではなかった。例えば……彼が「大きな車に乗りたい!」という夢があったり。おしゃれではないけど、安心感のある車だったことも選んだ理由。

中古で購入したハイエースは、初めから床は板張りだった。さて、内装をどうするか? DIY経験も、それを行う場所もなく、戸惑ってしまった。

でも、パートナー主導で、「始めてみないと何が必要かなんてわからない。あるものでやってみよう!」という結論に。

画像: 海外バンライファーの情報が詰まったビジュアルブック。もっと自分に心地いいオリジナルの車内を妄想中。

海外バンライファーの情報が詰まったビジュアルブック。もっと自分に心地いいオリジナルの車内を妄想中。

当時は、いまほど多くの情報がなかったので、ピンタレストやライフスタイル系ブログなどで情報収集。まさに試行錯誤して、車内環境の快適化を進めることに。

床に断熱材を敷き、家財道具をパズルのように車に積み込んで、ようやくいまのスタイルができ上がったという感じ。

画像2: “未知の世界”が見たくてはじめたバンライフ

快適な寝床、カーテン、収納、そしてポータブル電源などの車内電化製品まで、「必要最低限」なものを活用して作った「自分の好きな空間」。そんな空間を、どこへでも持ち出せるのが、バンライフの楽しさといえるかも。

POINT 一台三役以上の大きなチェストとイケアグッズを活用したインテリア

画像1: POINT 一台三役以上の大きなチェストとイケアグッズを活用したインテリア

愛車のサイドドアを開くと、まず目に飛び込んでくるのは大きなチェスト。おしゃれに言ってみたが、実はただのタンス。

画像2: POINT 一台三役以上の大きなチェストとイケアグッズを活用したインテリア

でもいまでは、キッチン、食糧庫、スタンドアップテーブル、と一台三役以上の役割を担っている。床に固定はせず、家具の転倒防止プレートをタンスの下に敷いている。

かなり急な坂道も上ったが、倒れたことはない。引き出しの飛び出しは、赤ちゃんのいたずら防止用のストッパーが押さえてくれる。

画像3: POINT 一台三役以上の大きなチェストとイケアグッズを活用したインテリア

イケアで購入した羊毛のラグは冬の底冷えを防いでくれる優れもの。革製のプフは季節外の服を入れて、収納&イスに。

画像4: POINT 一台三役以上の大きなチェストとイケアグッズを活用したインテリア
画像5: POINT 一台三役以上の大きなチェストとイケアグッズを活用したインテリア

小物も種類別にイケアのバックに入れて強力マグネットで吊り下げ。手の届くところに収納できて、見た目も気に入っている。

POINT カーテンレールは超強力マグネットに吊るして装着

画像1: POINT カーテンレールは超強力マグネットに吊るして装着

目隠しや窓からの冷気防止には、もともと使っていた遮光カーテンを。カーテンレールはすべて、超強力マグネットで吊り下げ。車内が金属剥き出しのバンだからできる方法だ。

画像2: POINT カーテンレールは超強力マグネットに吊るして装着

サイドの白いカーテンは、シンプルなベッドカバーにカーテンクリップを付けて、ワイヤーレールに通して作ったもの。

すべてのカーテンを閉めると、どこにいても小さなプライベート空間ができ上がる。インドアな私にとって、バンライフは自分の部屋を外へ持ち出す感覚だ。

POINT まさに「快適な寝床」を実践する厚さ23㎝のダブルベッド

画像1: POINT まさに「快適な寝床」を実践する厚さ23㎝のダブルベッド

車内後方には、厚さ23cmのダブルベッド。体験した友人の感想は、一様に「これやったら十分生活できるわ(笑)」。

画像2: POINT まさに「快適な寝床」を実践する厚さ23㎝のダブルベッド

長期のバンライフにおいて、睡眠環境は重視している。しっかり眠れないと、健康状態にも影響が出てしまう。

画像3: POINT まさに「快適な寝床」を実践する厚さ23㎝のダブルベッド

その点、いまは普段と変わらない環境で、起きた瞬間は家と錯覚するほど。バンライフを続けるなかで、多拠点居住サービスやホテルを利用することもあるが、車内のベッドが一番ホッとする。

POINT 車内を快適にしてくれるポータブル電源2個+ソーラー

画像: POINT 車内を快適にしてくれるポータブル電源2個+ソーラー

冬の寒さ対策は、電気毛布と羽毛布団が大活躍。気温がマイナスでも十分暖かく眠れる。

車内の電源システムは、ポータブルバッテリーが2個。走行充電が主だが、移動しない日は折りたたみのソーラーパネルも利用する。

大容量のポータブルバッテリーは、電子レンジやドライヤーも動かせ、さらに、1時間で容量の8割が充電されるところがお気に入りだ。

POINT 8個のプラスチックケースでベッドの土台と収納を兼用

画像1: POINT 8個のプラスチックケースでベッドの土台と収納を兼用
画像2: POINT 8個のプラスチックケースでベッドの土台と収納を兼用

ベッドを支える脚はプラスチックの衣装ケース。収納としても使っている。前後左右に2段ずつ、合計8個のケースがセットされていて、

画像3: POINT 8個のプラスチックケースでベッドの土台と収納を兼用

よく使うものは運転席側、季節ものや、いま使わないものはバックドア側に載せている。ベッドでふたりていたときは、100kg超の負荷がかかっていたが、一度も問題はない。

自分にとってバンライフとは?

画像: 自分にとってバンライフとは?

必要なものを考えるきっかけ……かな

バンライフは、自分の好きな空間を持ち歩くことができる生活であり、日常。限られた空間は、必然的に選択を迫られるので、豊かな世の中で、自分に必要なものを考えるきっかけをくれる。

それに、移動は未知の体験の連続だ。私は、知らない場所、人、食べ物など、狭かった視野が少しずつ広がっていく感覚が楽しい。

出典:カーネルvol.49 2021年春号
写真・文/矢井田 千秋

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