コンパクトな12Vクーラー搭載で、広さと収納力を格段にアップ!
バンコン専門ビルダーとして根強い人気を誇るOMC。ラインアップには銀河や北斗といった、寝台列車をイメージさせる名前が並んでいる。インテリアは落ち着きのある家具でまとめられて、まさに寝台列車の中にいるような、特別な高揚感があるのは同社ならでは。
ゆとりあるインテリアのために、ワイドボディ採用モデルが多いが、標準ボディのナローシリーズも人気がある。今回、ナロー銀河のマイナーチェンジで、装備、レイアウトが変更された。大きな変更点は12VのDCクーラーを設定したことだ。
縦向き二段ベッドに展開できるシングルシート、リアマルチルームなど、これまでのナロー銀河通り、使いやすいレイアウトはそのまま。ただ、エントランスから眺める印象が大きく変わっている。前モデルも広さを感じたのだが、それ以上の余裕を感じるのだ。
まず、スライドドアを開けて室内に入ると、目の前にあるのが、12VのDCクーラー「クールスター」。車内の電気は直流12Vで制御されていることから、ロスの少ないクーラーとして注目されているアイテムだ。システムがコンパクトで、省スペース化にも貢献する。
スペースに余裕が生まれたことで、車内レイアウトが変更されている。キッチンは運転席の後部にまとめられて、助手席のスペースが広くなった。また、冷蔵庫が二段ベッド下からキッチンエリアに移動し、スライド式からトビラ式へと仕様変更されている。
冷蔵庫がなくなった二段ベッド下は、ラゲッジスペースとなった。このスペースはリアゲート側からもアプローチできて、荷物の出し入れが容易。ベッド部の仕様変更は、ベッド長を1810mmから1850mmに伸ばす効果も生んだ。
リニューアルされたレイアウトにより、広々としたエントランスエリアが生まれ、2段ベッド回りの使い勝手が向上した。ナロー銀河はコンパクトなナローシリーズでありながら、この広さを感じるレイアウトが、リラックスしたキャンピングカーライフを提供してくれるにちがいない。
効率のよいクーラーは、クルマに搭載されたサブバッテリーで十分に稼働できるので、電源をフックアップできない環境でさえ、真夏の室内温度上昇を軽減できる。ペットがいるユーザーにとって、いつでもどこでも、停車中にクーラーを使える安心感は大きいといえるだろう。
今では、テレワークなど、滞在しながらキャンピングカーを使うシーンが増えてきている。そんなときも、気軽にクーラーを使えることは、大きなアドバンテージとなる。この新型クーラーのおかげで、利用用途の幅が広がったのではないか。
標準ボディのナローシリーズは、コンパクトボディで運転のしやすさが特徴であった。今回のナロー銀河の進化は、機能性も充実。さらに、室内空間も広がり、OMCのパッケージングのすばらしさを存分に発揮したモデルといえるだろう。
【SPEC】
価格436万円(税別)※クーラーはオプション
■標準装備:カーテン、外部電源取入れ口、サブバッテリー(105A)、走行充電システム、電子レンジ、横開き冷蔵庫40ℓ、ルーフベント、ポータブルトイレ、外部充電装置
■オプション:車載用12Vクーラー、FFヒーター、インバーター、19インチ壁掛け液晶テレビ、ソーラーパネル100W×2枚
【問】オーエムシー
出典:カーネルvol.49 2021年春号
文:渡辺圭史