災害時に車中泊避難するために、車に積んでおきたいグッズ18選を紹介。衛生用品、飲食品、睡眠グッズ、生活用品、通信グッズ、補修用品と入れ替えのポイントなどを解説。

いざという時のために、車に積んでおきたい車中泊避難用グッズ

画像: 災害によっては、写真のような簡易トイレの設置や救援物資などが遅いこともある。そんな時のために、車中泊避難用グッズを用意しておこう。

災害によっては、写真のような簡易トイレの設置や救援物資などが遅いこともある。そんな時のために、車中泊避難用グッズを用意しておこう。

災害対策として、車内に準備しておくと便利な物は数多い。しかし、そのすべてを載せておけるほど、車のラゲッジは広くなく、積載量には限りがある。

そこでおすすめしたいのが、今回紹介するグッズだ。車中泊避難用グッズの一例として参考にしてほしい。どれも日用品として比較的簡単に手に入るものばかりだ。

またその分量は、被災後の「72時間」をいかにしのぐか? を考えること。不安だからといって、数カ月分の食料や水を車に備蓄するのは不可能。いまの日本なら「72時間」後には、なんらかの救援物資が届くはず。この72時間を家族でしのぐ量を考える。

さらに、車に避難アイテムを載せる際のポイントをいくつか紹介したい。ひとつは「デッドスペース」の有効活用。ラゲッジに載せておくと、必要ない時に降ろしてしまうことも多い。その後、結局、家の物置きで長期間保管……。ということを防ぐため、車のデッドスペースに保管する。

しかし、何年も入れたまま、というのもよくない。これがふたつめのポイント。下でも紹介しているとおり、入れ替えや補充などの「メンテナンス」はとても重要なのだ。

そして最後に「避難アイテムに正解はない」ということ。住居の場所や年齢、家族構成、車の種類で、きっと細かく内容は変わるはず。自分の家族や車に合わせてカスタムしてほしい。

【衛生用品】

画像1: 【衛生用品】

携帯用トイレ
非常時だけでなく平時のレジャーでも使えるので、車載しておいてもむだにはならない。家族の人数×3日分くらいあると安心だ。「大・小」それぞれ準備しておきたい。

画像2: 【衛生用品】

ウェットティッシュ
お尻を拭いたりするのはもちろん、汗ばむ夏に体を拭いたり、水が使えない場合に食器を拭くのにも使える。現在ではコロナ対策の除菌用も、常時車内に準備しておきたい。

画像3: 【衛生用品】

トイレットいペーパー
お尻を拭いたりするのはもちろん、汗ばむ夏に体を拭いたり、水が使えない場合に食器を拭くのにも使える。現在ではコロナ対策の除菌用も、常時車内に準備しておきたい。

【飲料、食料品】

画像1: 【飲料、食料品】

飲料水
水分補給はエコノミークラス症候群の防止にも役立つ。傷を洗い流すこともできる普通の「水」がいい。ひとり1日2ℓ×3日分×家族の人数分を、できれば500㎖ボトルで用意。

画像2: 【飲料、食料品】

非常食
救援が届くまでをしのぐ非常食。フリーズドライやアルファ米、缶詰、レトルト食品などの保存食を、3日×家族の人数分。水や火を使わなくても食べられるものがあるとベター。

画像3: 【飲料、食料品】

マッチ&ライター
被災時にマッチやライターがあると心強い。お湯を沸かしたり、調理もできる。冬は廃材で焚き火をして体を暖めることも。量販品で構わないが、使用可能か定期的にチェックを。

【車内睡眠グッズ】

画像1: 【車内睡眠グッズ】

銀マット
量販品でOKだが、厚さ5㎜以上あるものが望ましい。就寝用マット、目隠し用シェード、防寒用シートなど、使用例は多数。かさ張らないので車に1~2枚は積んでおきたい。

画像2: 【車内睡眠グッズ】

毛布&タオル
夏はタオルを多めに、冬は毛布を多めに積んでおくと便利。睡眠時にも活躍するが、シートの段差を埋めたり、簡易カーテンとしても使える。ひとり一枚×家族の人数分が目安。

画像3: 【車内睡眠グッズ】

アイマスク&耳栓
急遽、慣れない車中泊で眠れない人も少なくない。いつもは気にならない光や音が原因ということも。念のため、アイマスクと耳栓があると対処できる。これは避難所でも同様。

【生活用品】

画像1: 【生活用品】

ウエア類
夏は着替用、冬は防寒具として家族の衣類も積んでおく。できればアウトドア用のウエアのほうが、吸水速乾性が高かったり、抗菌・防臭だったりと、緊急時に向いた機能が多い。

画像2: 【生活用品】

圧縮袋
衣類やタオル、毛布類をクルマに積むのに、圧縮袋を使用してコンパクト収納する。基本は再利用することを考えて、掃除機などを使用しないタイプがおすすめ。ゴミ袋にもなる。

画像3: 【生活用品】

LEDライト
被災時は電気の供給が間に合わないことも想定しておきたい。そこでヘッドライトなども重要アイテム。乾電池は入れたままにせず、予備電池も1セット準備して一緒に保管する。

【通信グッズ】

画像1: 【通信グッズ】

充電コード
スマホやタブレット、ノートPCでの情報収集や連絡は、緊急時こそ重要。予備の充電コードは必ずクルマに積んでおきたい。AC、DC、USBがあればおおよそ対応できる。

画像2: 【通信グッズ】

モバイルバッテリー
被災後すぐに、電気が復旧するかわからない。車なら走行充電が可能なので、予備バッテリーも充電しておくと、夜の車中泊時でも安心してスマホが使用できる。

画像3: 【通信グッズ】

テレフォンカード
ほとんど見なくなったテレフォンカードがあると、リスクヘッジになる。なぜなら公衆電話は通信制限や停電の影響を受けないからだ。子どもたちは使い方の予習をしておこう。

【補修用品】

画像1: 【補修用品】

テープ類
被災時に車が無傷である保証はない。そこで補修用にテー プ類を準備。水に強いダクトテープや、粘着力の強いグラスファイバー製などがあり、幅広タイプのほうが汎用性は高い。

画像2: 【補修用品】

針金
金物系の補修用品として積んでおきたい針金。特にテープと異なるところは、強固な“ヒモ”としても使えること。簡易カーテンレールや洗濯ヒモとしても使用可能だ。

画像3: 【補修用品】

マルチツール
ドライバーなどもあり「補修」用としてここに入れたが、ナイフや缶切り、栓抜きなどは「飲食」用としての用途のほうが強く、幅広く使える。いまや100円均一ショップでも販売。

ポイント① 車載アイテムは定期的に入れ替える「メンテナンス」が大切

画像: プラ製の洗濯ヒモ。プラスチック製品は経年劣化で硬くなり、すぐに割れる。

プラ製の洗濯ヒモ。プラスチック製品は経年劣化で硬くなり、すぐに割れる。

いくら便利なアイテムを車内に積んでいても、定期的に入れ替えやチェックを行わないと、いざという時に使用できない……なんてことも多々ある。

画像: ファーストエイドキット。持病の薬は年齢で変わる。予備は必要だが入れたままはよくない。さらに、消耗品は使ったら補充するクセをつけたい。

ファーストエイドキット。持病の薬は年齢で変わる。予備は必要だが入れたままはよくない。さらに、消耗品は使ったら補充するクセをつけたい。

特に注意したいのは、食料品の消費期限切れ、ウエア類のサイズ変更、乾電池や絆創膏などの消耗品の補充忘れ、そしてゴムやプラ製品の経年劣化だろう。入れ替えや補充などの「メンテナンス」をお忘れなく。

ポイント② 入れ替え時期を決めておく

非常食や水は「車検」で入れ替え
車載アイテムのメンテナンスは、忘れないように「記念日」をつくること。「非常食は車検のタイミングで入れ替える」と決める。そうすれば非常食や水が何年も入ったままにはならない。

ウエア類は「衣替え」で入れ替え
ウエア類は「衣替え」を設定。3~4月は災害の報道も増える。そのニュースを見たら冬物から夏物へ。9月1日の防災の日は夏物から冬物へ。子ども用のサイズアップはこの時に変更。

 

出典:カーネル vol.46 2020夏号、災害時に役立つ車中泊マニュアル

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