大容量のおすすめポータブル電源と選び方、計算式を紹介。大容量のポータブル電源があれば、抵抗なく電気製品を使えるようになり、車中泊やキャンプでの連泊も可能に! ふだんの生活と変わらない快適性を得ることができる。災害時など、いざというときにも役に立つ。

ポータブル電源選びのチェックポイント

画像: ポータブル電源選びのチェックポイント

ポータブル電源にはさまざまなサイズや価格の差があるが、正直、最初はわかりづらい。そこで、まずはポータブル電源のカタログの見方や容量を覚え、そしてその後、使える電気アイテムは何か? を考えたほうがいい。まずはポータブル電源選びについて解説しよう。

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下の表は一例として、あるポータブル電源の仕様を記している。その次に出てくる数式に入れて、数値の出し方、見方を確認できる。自分が車中泊でどのような電気製品を使いたいかをイメージして計算してみると、ベストなポータブル電源が見えてくるはずだ。

1 容量と出力に注目

画像: 1 容量と出力に注目

ポータブル電源を選ぶ基準は容量と出力。製品仕様を確認すると、上の表のような数値が記されている。まずは、ポータブル電源にはこのようなサイズや出力の違いがあることを確認しよう。最終的には単位を合わせて比較し、自分にあったポータブル電源を探す。

2 容量は「Wh」で見る

ポータブル電源の容量表記は、商品によって単位の違いがある。電気の量を示しているのに変わりはないが、数字だけで比較することができなので、Wh(ワットアワー)に変換する方法が一般的だ。今では飛行機の手荷物規制でも基準となっている単位でもある。

電気の基本

W(電力)= V(電圧)× A(電流)

電気の基本となる数式がこれ。W(電力)、V(電圧)、A(電流)、各単位の関係性を把握してお けば、電気を扱ううえで、いろいろと便利だ。

「m」を取る

カタログの見出しなどによく使われているのがmの単位。mは下の計算式で取り除いておこう。単位を合わせることで、性能を比較しやすくなる。

A=mA÷1000
Ah=mAh÷1000

例えばチェックポイント1に出てきた仕様表の場合、

20000mAh÷1000=20Ah

となる。

「Wh」に変換

これまで出てきた数式を使って、VとAhがわかったら、比較の基準単位とするバッテリー容量Wh(ワットアワー)を計算してみよう。下の式を使えば簡単に計算できる。

Ah×V=Wh

仕様書の例から計算すると、下記の数値になる。

20Ah×11.1V=222Wh

3 使う電気製品に合わせる

ポータブル電源の容量がわかったら、次にチェックするのが出力だ。

ポータブル電源は電気を貯めるバッテリー部分と電気を調整しながら出力するインバーター部分がある。このインバーター部分の性能をチェックしよう。

使いたい電気製品が決まっているのなら、出力の数値を合わせることで、必要な性能を得ながら、コストを調整することも可能だ。

仕様書の例を見ると、「AC100〜110V、最大200W」というのが出力。ということは消費電力が200W以下の電気製品であれば利用できるということ。

消費電力は電気製品それぞれに記載されているので、日頃からチェックしておくことをおすすめする。

4 稼働時間を考える

ドライヤーなどは大量に電気を使うが、短時間しか使わない。いっぽうでLEDの照明は電気を少ししか使わないけど、長時間使うなど、アイテムによって一般的な稼働時間に違いがある。消費電気と稼働時間、使おうとしている電気機器の容量を把握し、ポータブル電源を選んでみよう。

稼働時間を計算する

使える時間を計算するには下のような式になる。あくまで計算上の数値なので注意を。

ポータブル電源容量(Wh)× 0.8 ÷ 使う電気製品の消費電力(W)= 使える時間(h)

※式の「0.8」について
実際のバッテリー放電容量 ÷ バッテリー容量から計算した、実際に使える電気量の比率。いろいろな条件によってロスが発生するので、一般的な数値は決められないが、0.7〜0.8ぐらいで計算することが多い。

仕様書の例から冷蔵庫使用時(65W)の計算をすると、 

222Wh × 0.8=177.6Wh
177.6Wh ÷ 65W(冷蔵庫)= 2.7h
= 2時間42分

このように使用できる時間を割り出すことができる。

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文/渡辺圭史
出典/カーネル2020夏号vol.46

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