新型ハスラーを車中泊専門誌『カーネル』目線でチェック!
軽自動車の人気があいかわらず高い。今では新車販売の4割近くが軽自動車だ。なかでも人気モデルがスズキ・ハスラーだ。軽ワゴンとSUVのクロスオーバーをコンセプトとしており、新型でもそのコンセプトはそのまま。
ひと目でわかる存在感のあるフロントマスクは、先代のイメージを踏襲。しかし、ボディフォルムは垂直・水平指向を強めたことで、より四角いスタイルとなり、ガッチリとしたSUVというイメージが強くなっている。
さらに新世代となるプラットフォームの「ハーテクト」を採用。現行のワゴンRやスペーシアと同等になり、ホイールベースが延長されたことで、居住性能もさらに高められている。
本誌の人気企画「車中泊の達人」でもハスラーで車中泊を楽しんでいるオーナーがおり、人気の高さと素材としてのよさがわかる。
先代では助手席まで倒してフラットにすることで2m近い居住空間が生まれるのもポイントだったが、新型でもそのよさは受け継がれているのか? シートアレンジや積載性などを中心に、使い勝手などをじっくり見ていこう。
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新型ハスラーのココがすごい!
車中泊での使い勝手を解説する前に、新型ハスラーのすごいところをざっくり紹介!
環状骨格構造ボディ&ハーテクト
軽量で剛性の高い新世代のプラットフォーム「ハーテクト」を採用したことで、ボディの重量を軽くし、高い剛性を両立。環状骨格構造も操縦安定性にひと役買っている。
R06D型エンジン&マイルドハイブリッド
ノンターボモデルではデュアルインジェクションシステムやクールドEGRという、スズキの軽では初となる技術を採用。マイルドハイブリッドを全車に標準装備。
スペース
ホイールベースが2460mmとなり、先代と比べると35mmも延長。この伸ばしたサイズはそのままリアシートの足下スペースに充てたという。
快適な車中泊ができるのか? チェックしてみよう!
気になるのは車中泊に直結する居住性。さっそく紹介しよう。
先代ハスラーからのアドバンテージはそのまま踏襲。助手席とリアシートを前方へ倒することで、大人ひとりが足を伸ばして横になれるスペースは、そのままに。
さらには先代から+35㎜という2560㎜のホイールベースのおかげで、リアシートの足下スペースはゆとりのある空間に。そして、リアシート左右が前後に独立してスライドする機構もそのまま踏襲されている。
シートアレンジについてはほぼ変更なしだが、先述したように居住空間の数値が変わったおかげで、リアシートまわりの居住性はかなり向上している。
そしてそれ以外にも進化した所がある。それは頭上空間だ。室内の頭上の高さを先代から高めたおかげで、フロントは29㎜、セカンドでは18㎜も拡大されている。
普段の使い勝手は当然だが、車中泊で頭上にストレスを感じることは少ない。就寝から目覚めて体を起こした時や、胡座をかいてくつろぐ際に頭上空間にゆとりを感じるはずだ。
新型には、先代よりも収納スペースがたくさん設けられている。例えば就寝時。手元にスマホや飲み物などがあると便利だが、豊富な収納スペースのおかげで、それらの置き場所に困ることもないだろう。
新型ハスラーは、居住性や使い勝手のよさは、そのまま受け継ぎつつ、さらに進化を遂げている。
就寝時とラゲッジの展開
新型ではリアシートのスライドをラゲッジ側からでも操作できるように改良。細かいところでは運転席と助手席が先代ではベンチシートだったが、新型は左右独立式となり、中央に収納空間が設定された。
就寝時
写真の最大ラゲッジ状態は先代から引き継いだアレンジ。ひとり就寝なら、もっともフラットに寝られる。ただし床は固いのでマットは必須。さらに、シート間にややスペースができるので要注意。
もうひとつの方法は、一列目のヘッドレストを外してリクライニングを最大にして、2列目の背もたれは前傾、一列目に繋げる方法。ふたり就寝ならこのアレンジがベターだろう。
ラゲッジ
リアシートは左右分割可倒式で背面にはシートスライド用のストラップが装着されており、ラゲッジ側からもスライド操作を可能としている。操作方法もストラップを手前に引くだけのワンアクションでラゲッジの広さを変えられる。
リアシートの背面とラゲッジフロアは汚れや水分を拭き取りやすい樹脂製のパーツを採用。荷物が濡れて汚れていても気にすることなくガンガン積み込むことができる。
内外装もチェック!
最低地上高は180mm。オフロードの雰囲気を身にまといつつ、アーバンの風景にもなじむ。先代ではボンネットのラインは前方に少し傾斜していたが、新型では水平に近いラインに。ランプやグリルといったパーツ類も変更を受けている。
リアのツートンカラーもアクセントになっている。先代と外観上の違いは、荷室の小さなクォーターウインドウ。ほかランプ類の形状も変更を受けている。全体的に垂直・水平指向の強いデザインとなり、本格オフローダーのイメージが強められている。
インテリアは大きく変更を受けており、インパネやナビといった主要な機能部分に太枠の3連フレームを採用し、骨太な印象に。メーターにはスズキの軽自動車初採用となる4.2インチカラー液晶を採用している。
スズキ・ハスラー
1,365,100円~1,746,800円(税込)
SPEC.(Xターボ4WD)
●全長×全幅×全高:3,395×1,475×1,680mm ●車両重量:880kg ●ホイールベース:2,460mm ●最小回転半径:4.6m ●エンジン:0.658ℓ直列3気筒DOHCインタークーラーターボ+モーター ●エンジン最高出力:47kW(64ps)/6000rpm ●エンジン最大トルク:98N・m(10.0kg・m)/3000rpm ●モーター最高出力:2.3kW(3.1ps)/1000rpm ●モーター最大トルク:50N・m(5.1kg・m)/100 ●WLTCモード燃費:20.8km/ℓ
●問い合わせ:スズキ ℡.0120-402-253
写真/佐藤正巳
文/野里卓也
出典/カーネルvol.45 春号