「河津桜まつり」の魅力は?
「河津桜まつり」は、期間中に150万〜200万人の花見客が訪れるという、伊豆最大の観客動員イベント。毎年2月上旬〜3月上旬にかけて河津町で開催される。29回目を迎える2019年は、2月10日(日)〜3月10日(日)まで開催の予定。
見物客を楽しませる仕掛けの有無が「お花見」と「桜まつり」の違いだが、30年近い歴史をもつ「河津桜まつり」は、マップ付きパンフレット、大規模駐車場、150軒ともいわれる出店と週末ごとに開催されるイベントなど、「桜まつりとしての体裁」がよく整っている。
「河津桜まつり」の車中泊事情
多くの花見客が訪れる「河津桜まつり」。当然、会場周辺は混雑が予想される! そこでクルマ旅の側面から、激戦を勝ち抜くための知恵と知識を紹介しよう。
渋滞を避けるには「前泊」が必須
土日に出かけるなら、せめて夜のうちに温泉が併設される「道の駅 伊東マリンタウン」までは来ておきたい。もしくは入浴を済ませてからの天城越えで、下田の道の駅まで行くかだろう。それでも翌朝6時には河津に向けて出発しないと、駐車場手前で渋滞に捕まる。早起きが難しければ、前夜のうちにあと1時間がんばって走り、会場まで到着してしまうほうがいい。
会場周辺の駐車場状況
「河津桜まつり」の会場周辺には、数多くの駐車場が用意されており、期間中はどこでも一律1回700円の有料となる。大型車用駐車場時は17時で閉鎖されるが、なかには夜間も出入りができる所がある。車中泊をする場合は、翌朝スタッフに料金を支払えばよいとのことなので、あまり神経質になる必要はなさそうだ。
穴場は河津七滝(かわづななだる)駐車場
河津七滝(かわづななだる)駐車場は、河津町役場から約8km・10分の所にある公衆トイレを備えた町営の駐車場。普段は河津七滝のハイキング客が利用している。桜まつりの会場からだと、ループ橋を超えてすぐの国道414号から、「河津七滝」方面への分岐点が右側に現れる。特に夜は見逃さないよう気をつけよう。
2時間で楽しむ「河津川堤散策」コースガイド
現地に到着したらクルマを止め、歩いて河津桜を堪能したい。ここでは、2時間ほどでめぐれる、河津川堤散策コースを紹介!
会場に向かう前にリーフレットを入手しよう!
まず、河津桜まつりの会場に向かう前に入手したいのが、このリーフレット。裏側に駐車場と見どころの詳しい地図が載っている。途中の道の駅かサービスエリア、もしくは稲取や下田などの観光案内所に行けば入手できる。
クルマは河津町役場に近い駐車場に止める。料金は1日700円。
1 河津桜の原木を訪ねる
クルマを駐車場に止めたら、その足で飯田家にあるマップ❶の河津桜の原木を訪ねよう。これが「最初の河津桜」と呼ばれている木だ。
2 豊泉橋から桜並木を眺める
原木から引き返し、マップ❷の豊泉橋の上から桜並木を眺める。
3 桜のトンネルへ
橋を渡ってマップ❸桜のトンネルへ。人が多いときは少し待つかも。
4 峰温泉大噴湯公園
桜並木から少し外れた所にある、マップ❹峰温泉大噴湯公園。9時から16時までの各時30分に、約1分間の噴湯が行われ、温泉は地上約30mの高さまで噴き上がる。
その後は川沿いに戻って進み、「かわづいでゆ橋」を渡ってクルマに戻る。散策は2時間みておけば十分だ。
近い将来、河津川堤の桜が見られなくなる!?
「河津桜まつり」といえば、河川沿いに植えられた桜並木を愛でながら、ひと足早い春を楽しむことに風情を感じるイベントだが、その桜並木に寿命が迫ろうとしている。
河津桜の樹齢は60〜70年といわれているが、河津桜川堤の木は、最初の植樹から50余年を経ており、木の衰えが顕著になりつつある。だが、現在の河川法のままでは、規制で木の植え替えが許可されない。
県と町は並木を市街地まで延ばす対応策を検討しているが、今後、経済効果と治水のバランスをどうとっていくかに注目が集まっている。
文・写真/稲垣朝則
※こちらの記事は車中泊専門誌『カーネル』2018年早春号 Vol.42の連載「車中泊で旅する」から抜粋、再編集したものです。