釣り&アウトドアスタイルマガジン「HEAT」×SOTOBIRAのコラボ企画!
関西の釣り好きアナウンサー川田一輝さんが、淡路島ぶらりお手軽釣行に挑戦! まさかの10魚種制覇なるか!? 必見です!
入門者に最適な釣りって何だろう?
気持ちのよい秋晴れの空と海風。波の音を聞きながら静かに釣り糸を垂らす……なんて贅沢な時間だろう。中国のことわざの一節に、「一生幸せになりたいなら釣りをしなさい」という言葉があるが、この時期は特にそれを実感させられる。
こんな気持ちのよい「釣りという文化」を、もっと多くの方に味わっていただけないだろうかと、われわれは常々考えているわけだが、特に初心者の方は「釣れない=オモシロくない」という発想になりがちなのが正直なところ。子どもの頃、父に連れられて行った堤防で、退屈そうに海を眺めていた私がいうのだから間違いない(笑)。
初心者には「サビキ釣り」と「チョイ投げ」がおすすめ!
では実際、この時期に初心者の方が「釣りってオモシロい!」というほど安定した釣果を得るためには、どこで何を狙うべきだろうか? 大阪湾ではイワシやアジといった小型の回遊魚が接岸する時期となるため、これをサビキ釣りなどで狙うのが手堅いだろう。それらの魚を追って中型クラスの青物やタチウオといった魚を狙うのもオモシロい。投げ釣りではキスやハゼといった魚たちが小気味よいアタリで楽しませてくれる。
釣りモノの多い秋ではあるが、「手軽な場所で安定した釣果」を求めるのであれば、やはりファミリーフィッシングの定番である「サビキ釣り」と、オモリを付けて“ちょい”と投げる「チョイ投げ」が特にオススメ。場所も釣具店さんが教えてくれる漁港や波止といった足場のよいポイントで楽しむことができるので、釣り入門者には最適な釣り方だ。
しかし、ここまで読み進めていただいた方のなかには、まだまだ半信半疑という方もおられるだろう。「本当にそんな簡単に釣れるの?」と。そこで今回は、実際に秋の堤防を舞台にサビキとチョイ投げで「秋のお手軽フィッシング」に挑戦してみた。釣り役を務めてもらったのは川田一輝さん。関西のテレビやラジオで活躍するアナウンサーで大の釣り好き。プライベートで釣りイベントを企画するほど釣り愛に満ちた川田さんをお迎えして、一行は秋の海へ向うこととなった。
川田一輝 (kazuki kawata)
大阪市出身の28歳。関西を拠点に、フリーアナウンサー、ラジオDJ、タレント、ナレーション、イベントMCとして活動している。Kiss FM KOBEサウンドクルー・オーディション 初代グランプリを獲得。趣味は釣り・釣った魚で料理、キャンプ・アウトドア全般、バンド活動、ラジオ・映画・落語鑑賞、卓球。魚への愛は深く、魚のイラストも得意としている。
ロケーションも良く、釣りポイントの多い淡路島へ
午前7時30分、大阪市内で川田さんと合流し今回の行き先をワイワイキャッキャッと相談。スマホで釣果情報を調べ、目的地を淡路島に定めた。地図で見ると遠いように感じる淡路島だが、大阪市内からでも1時間30分と移動時間はそこまでかからない。しかも周囲を海に覆われているため釣り場も豊富で、「釣れない時の場所移動」がしやすいのもグッド。さらに道中は明石海峡大橋から見渡すオーシャンビューや、秋の味覚に舌鼓♪ なんて楽しみもあるので、ドライブとしての魅力も備えている。
今回の取材は、同世代の男性4人ということもあり車内は終始、釣りの話題で盛り上がり、取材であることを半ば忘れかけているような雰囲気のなか、目的の漁港に到着した。訪れたのは淡路島西側にある防波堤。決して大きな場所ではないが、クルマを横付けできるお手軽なポイントだ。釣り場にはすでに数人の釣り人が和気あいあいと釣りを楽しんでいる。挨拶がてら釣果を聞いてみると、朝一番に50cmほどの魚をキャッチしたとのこと。コレは釣果が期待できそう。
シンプルな道具で釣りスタート
今回、現場に持ち込んだ釣り具は極めてシンプルなもので、30g程度のルアーが投げられる竿に中型リール、糸にはPEラインと呼ばれる感度に優れたモノを使用した。これひとつでサビキ釣りもチョイ投げも楽しむことができるので、「釣りは道具が多くて大変そう……」というイメージをお持ちの方には朗報かもしれない。
イチゴフレーバーのエサで魚が釣れるか!?
手慣れた様子で道具を準備する川田さん、まずは海の状況を確認するため手堅く、サビキ釣りからスタート! サビキ釣りでは通常、アミエビという小さなエビを基本とした「コマセ」と呼ばれるエサを使用するのだが、実はコレがなかなか臭い。慣れてしまえば魚が釣れそうなニオイとして脳内変換されるのだが、最初はこのニオイに抵抗がある方も多いだろう。
そこで、今回使用したのが、いいニオイの代表ともいえるイチゴの香りを大胆にも採用したイチゴフレーバーの「インスタントサビキセット」だ。私も初めは疑っていたが、袋を開けた瞬間から鼻孔をくすぐる爽やかな香りは、まさにイチゴのそれ! 思春期を思わせる甘酸っぱい香りに、感動すら覚えるほどの衝撃的なコマセだった。
さらに、このコマセは「インスタント」と銘打たれているだけあって、作り方も非常に簡単。袋に記載された量の海水を入れて混ぜるだけ。イメージとしては携帯食品によくある「お湯でできるご飯」のようなノリで、簡単にコマセができてしまうのだ。これならニオイに敏感な女性やお子様でも楽しみながらエサ作りができるだろう。
臭くないばかりか手も汚れない、しかも開封しなければ長期保存もできるので、タックルの中に忍ばせておけばタイミングを逃すことなくサビキを楽しめるという逸品なのだ。
ただ、ここで釣り人の私としてはひとつ疑問が湧いてくる。「果たしてコレで釣れるのか?」と。釣りにおいて、ニオイというキーワードは釣果を左右する重要な要素であることは間違いない。イチゴフレーバーは人間のみならず魚にも効くのだろうか?
早速、カゴにエサを仕込み海へ、ドボン。すると先ほどまで気配のなかった海中にチラホラと魚の姿が見え始め、開始から数投でファーストフィッシュとなるイワシをキャッチ! イチゴフレーバー……恐るべし。
次は初心者にオススメのチョイ投げに挑戦!
サクッとサビキでイワシをキャッチした川田さん。まだまだ釣りはこれからとばかりに、今度は「かんたん投げ釣りセット」でチョイ投げに挑戦。ハリとオモリを袋から取り出してセットするだけで、簡単に投げ釣りが楽しめるこのセットも堤防フィッシングの強い味方だ。
ただ、今回の投げ釣りではゴカイやイソメといった虫エサを使用した。この虫エサを触るのがイヤという方はかなり多いだろう。そのため初心者の方にはサビキよりもハードルが1段……いや2段は高いと思うので、そういった方はニオイ付きワームでのチョイ投げをオススメしたい。
チャリコ、キュウセン、ウミタナゴ……多彩な魚たちをキャッチ!
さて、投げ釣りのターゲットといえばキスやカレイが定番だが、思った以上に数々の魚に出合えるのが、この釣りの魅力でもある。今回もご多分に漏れず、チャリコ(タイの幼魚)キュウセン、ハゼ、ウミタナゴ、フグ、イソベラ(ササノハベラ)、アナハゼといった多彩な魚たちが気持ちのよいアタリと引きで楽しませてくれた。
釣り方そのものも投げてズルズルと底を巻いてくるだけなので、難しいアクションは必要ない。チョイ投げというだけあって飛距離もそれほど必要ではないので、この釣りも初心者の方にはオススメだ。
淡路島の名店「あさじ」にて焼きあなごを食す
ある程度、魚と戯れたところでちょうどお昼の時間。場所移動もかねて近くで美味しい旬のご飯でも…と考えていると、「実はこの近くに激ウマのあなご丼があるんです!」と川田さん。アナウンサーという仕事がら関西のグルメ情報には、かなり精通しておられるようで、川田さん自身も淡路島を訪れるたびに立ち寄るお店だという。
コレは行かない手はないと満場一致で向かったのが「炭焼きあなご あさじ」さん。クルマから降りた瞬間、辺りに広がる炭火の香りに思わず生ツバを飲む。あさじさんでは店内でご飯をいただけるのはもちろん、テイクアウトも可能。ちょうど天気もいいことだしピクニック気分で外で食べようと、名物の「あなご丼弁当」をテイクアウト。
近場の堤防へ移動してお弁当を広げる一行。この時ばかりは仕事であることを「完全」に忘れて、あなご丼弁当に舌鼓を打つ。川田さん激押しのあなご丼弁当、実は厳選した国内産の活きアナゴを焼き上げる分だけ、その日の朝に開くというこだわりっぷり。炭火焼ならではの香ばしい香りをまとったふっくらとした肉厚の身は、これまでのアナゴの概念を覆されること間違いなし!
そのまま食べてももちろん美味しいが、甘辛くサッパリとしたタレをかけると、これまた味わいに奥深さが生まれる。これを海辺で食べた日には、もう釣れなくてもいいかな? と思ってしまうほど満足度の高いお昼ご飯だった。あさじさん、ごちそうさまでした!
午後からも快調なお手軽フィッシング
まったりとしたお昼を終え、午後の釣りをスタート。引き続きチョイ投げで探ると、まだまだ好反応が連発。なかでもチャリコの活性は非常に高く、川田さんも余裕の2ケタ釣果。小さいながらタイ特有のグンッグンッという強い引きは、チョイ投げ初心者の方にも楽しんでもらえるだろう。その後、底を狙ってガシラ(カサゴ)をキャッチし、単日でナント9魚種もの魚をキャッチ! たった1日でこんなにも多くの魚に出合うことができるのか……と久しぶりに初心に返った気持ちで、秋のお手軽フィッシング楽しむことができた。
10魚種制覇まであと1種!!
ただ、この時、川田さんの心中はいささか穏やかではなく……夕方4時の時点で9魚種。あと1魚種でキリのよい10魚種なのに! ということで、急遽予定を変更して残り1魚種を追加する作戦に出た。狙うはこの時期、定番のタチウオ。銀ピカのタチウオを釣り上げてフィナーレと行きましょう!
30分の移動を挟み、夕マヅメに訪れたポイントには、すでに多くの釣り人の姿。早速、タチウオ専用の仕掛をセットして釣りを開始するも……ここで無情にも黒い雨雲が接近。あっという間に辺りは暗くなり、先ほどまでの青空は何処へやら。そうこうしている内に大粒の雨が降り出し、強制終了と相成りました。釣りは自然相手の遊びなので、こればかりは仕方がない。
ということで、検証の結果、サビキ釣りとチョイ投げをメインにした釣りで、種類、数ともに満足のいく釣果があげることができた! これだけコンスタントに様々な魚がつれるのであれば、初心者の方にも「釣りってオモシロいね!」と思ってもらえるはず。「釣りって意外と手軽なんだなぁ」と感じていただけれたなら幸いだ。
ぜひこれを参考に「秋のお手軽堤防フィッシング」に挑戦して、釣りのオモシロさを発見していただきたい。コレでアナタの人生もきっと幸福!? になることでしょう(笑)。
なお、日中はポカポカと気持ちのよい日和でも、陽が沈むと途端に冷え込むので、釣行の際は必ず防寒ウェアなどを持参しましょう。