1967年10月の登場から今年で半世紀を迎えるハイエース。いまや日本国内に限らず、世界中で愛される名車として、確固たる地位を築いている。ビジネス、レジャー、趣味に至るまで、その用途は数限りない。50年もの間、愛されつづけるのはそんな懐の深さゆえといえるだろう。そんなハイエースの50年の歴史にスポットを当て、歴代モデルとともに紹介する。

初代ハイエースH10系(1967〜1977年)

ワンボックスワゴンの歴史を変えた!

画像1: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース ワゴン デラックス(RH10G)/(1967.10)

画像2: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエーストラック(PH10)/ (1967.10)

丸目4灯の愛くるしいフロントマスクが印象的な初代ハイエースは、日本中のクルマ愛好家から熱い注目を浴びた。
1967年10月に発売された「トヨエース」よりコンパクトサイズのキャブオーバータイプの乗用車・商用車。日本初の本格的な小型キ ャブオーバーバンだ。ちなみに、10月のワンボックスモデルに先駆けて初代モデルのトラックは同年2月に発売されている。

画像3: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース バン(PH10V-CD) /(1967.10)

ハイエースは、ワンボックスワゴンの始祖ともいえる存在として50年もの長きにわたり高い支持を受けつづけることになる。 初代ハイエース登場当時のモデル構成は、9人乗りのワゴンのみだったが、その後、6人乗りのデリバリーバン、12人乗りと15人乗りのコミューターシリーズが追加となった。

画像4: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース コミューター(RH15B) /(1967.10)

また、ロングホイールベース仕様車は、トヨタ・救急車として発売された。エンジンはすべてガソリンエンジンのみの設定で、1.3リッター・56馬力と1.5リッター・70馬力の2種類。1971年2月には、1.5リッターエンジンが1.6リッター・83馬力の12R型へと変更された。
このように、1967年の誕生から1977年のフルモデルチェンジに至るまで、数度にわたるマイナーチェンジが行われた。

2代目ハイエースH20〜40系(1977〜1982年)

すべてが大幅改良され、より使えるクルマに!

画像5: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース 2200ディーゼル/ (1979.12)

2代目は、1977年2月(ワゴンは4月)に誕生。丸目4灯から丸目2灯へと変更されるなど、大幅なモデルチェンジが行われ、機能性、居住性、安全性が格段に向上した。また、荷室面積と容積も拡大され、よりスペースユーティリティに優れたモデルに。

画像: 2代目ハイエースH20〜40系(1977〜1982年)

ハイエース ワゴン 2200 (ディーゼル )9人乗り/(1980.12)

モデル構成は、バンとコミューターに、それぞれ標準、ロング、スーパーロングの3種類を設定。ワゴンは標準ホイールベースの9人乗りと10人乗りの2種類が設定された。9人乗りバンでは折りたたみ式の最後部座席が採用されることで、より使い勝手のいい居住空間に。

画像6: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース バン・スーパーロング 2000cc/(1980.12)

1979年7月には、2.3リッター・72馬力のディーゼルエンジンが追加された。ディーゼルエンジンの追加は、1979年の第2次オイルショックによる影響によるものともいわれている。

画像7: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース 2200 コミューター (ディーゼル)15人乗り/(1980.12)

画像8: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース スーパーカスタム/ (1980.12)

その後も丸目2灯から角目2灯への変更、そして一部モデルにハイルーフの設定、オートマの設定、エアコンのオプション設定などを追加するといった数々のマイナーチェンジを実施。そして1982年12月、3代目へとバトンタッチされることになる。

3代目ハイエースH50系(1983〜1989年)

バブル経済のなか、ラグジュアリー感がアップ!

画像9: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース スーパーカスタム サン&ムーンルーフ付 ディーゼル車 8人乗り/(1982.12)

ハイエースの3代目は、1982年12月に発売が開始された。ただし、このときフルモデルチェンジしたのは、ワゴン、バン、コミューターのワンボックスモデルのみ。トラックは2代目から変更されず継続生産となった。

画像10: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース スーパーカスタム サン&ムーンルーフ付/(1985.8)

1980年代に巻き起こったクロスカントリー4WD、いわゆる四駆ブームの影響もあり、ワンボックスカーの人気も急上昇。各社がこぞって、豪華なエクステリアとインテリア、乗用車に勝るとも劣らない走行性能を備えた高級ワゴンをリリース。

画像11: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース スーパーカスタム リミテッド/ (1985.8)

ハイエースもその流れを汲み、居住性・快適性が格段に向上した、最上級グレード「スーパーカスタム サン&ムーンルーフ」を新設定。1985年8月には、7人乗りワゴンの最上級グレード「スーパーカスタムリミテッド」も追加された。

画像12: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース ロングバン 4WD スーパーGL/(1987.8)

またパワーユニットも刷新。新開発のガソリンエンジンを新搭載したり(その後、ディーゼルエンジンも設定)、ワゴンの一部車種とバンに4WDを設定したりと、大変更が施された。

4代目ハイエースH100系(1989〜2004年)

エグゼクティブのための高級ワンボックス

画像13: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース スーパーカスタム 4WD/(1989.8)

待望の4代目のデビューは、世の中がバブル経済に沸く1989年8月。社会の高級志向はますます高まり、それに呼応するようにハイエースもマイナーチェンジを繰り返す。そのたびに様々な豪華装備が設定され、エグゼクティブユーザーを魅了した。

画像14: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース スーパーカスタム リミテッド/(1989.8)

画像15: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース スーパーカスタム リミテッド 4WD 3000 ディーゼルターボ/(1994.8)

画像16: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース スーパーカスタム リミテッド 4WD 2800 ディーゼル/(1990.10)

カタログでも、「トヨタの、もうひとつの最高級車。」というキャッチがつけられ、エグゼクティブのための高級ワンボックスとしてイメージを全面に押し出していた。一方のバンは商用車として進化を遂げ、安定した販売数をキープしつづけた。

画像17: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース ワゴン スーパーカスタム 4WD/(1992.5)

画像18: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース ワゴン グランド キャビンG-p/(1993.8)

画像19: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース スーパーカスタム リミテッド 2WD 2400EFI/(1994.8)

しかし、2002年のアルファードの発売を機に、ワゴンのガソリンエンジン搭載車は生産を終了。これにより、ワゴンはディーゼルエンジン搭載車のみとなる。しかし、ワゴンは高級ワンボックスカーとして変わらぬ人気を誇った。

5代目ハイエースH200系(2004年〜現在)

遊びグルマとして、幅広い層に大人気!

画像20: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース バン スーパーGL ロング 標準幅 標準ルーフ 4WD(オプション標準車)/(2004.8)

5代目は、15年もの歳月を経た2004年8月にフルモデルチェンジにより登場。ラグジュアリーな装備を擁し、高級ワンボックスとして一世を風靡したワゴンのスーパーカスタム系は、今回のモデルチェンジを機に、2002年5月にデビューした「アルファード」に統合された。

画像21: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース ロングバン ハイルーフ 2WD 標準フロアー 3/6人乗り 4ドア/(2004.8)

ちなみに、全長4.7m以上のモデルに関しては、全幅1880mmの幅広ボディの設定に絞り込まれ、ボディ全幅はロング、標準ボディの2タイプが設定された。また、ルーフ形状も、標準ルーフ、ハイルーフ、ミドルルーフなど、幅広い設定となっている。

画像22: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース ワゴン グランドキャビン 2WD 2700 ガソリン(オプション標準車)/(2004.8)

このように全幅、全高にバリエーションをもたせることで、商用車 の貨物輸送だけでなく、キャンパーや大型レジャー用品を積載できることから、幅広いユーザー層から支持された。

画像23: トヨタ「ハイエース」50年の系譜! ワンボックスカーの歴史を切り拓いた珠玉の名車!
ハイエース コミューターGL 2WD 2700 ガソリン(オプション標準車)/(2004.8)

キャンパーや大型レジャー用品、自転車なども余裕で積載できるようになり、よりいっそう幅広い用途にこたえてくれるワンボックスカーとして、H200系は現在も現行モデルとして活躍している。

※当記事は『CarNeru(カーネル)特選!車中泊ハイエースの達人』(地球丸刊)の内容を一部抜粋、再編集したものです。

This article is a sponsored article by
''.