【概要】一般車のなかで車中泊モデルとして人気が高かった名車を車中泊雑誌『カーネル』編集長・オオハシが紹介する連載企画。第3回はスバル・ドミンゴについて。

ワンボックスのリアエンジン仕様。軽ベースの一般車!

こちらは初代。3列シート7人乗りで、エンジンはリアの床下に搭載。4WDとRR(エアエンジン・リア駆動)が設定されており、初代は1.0ℓと1.2ℓの3気筒SOHC。

スバル・ドミンゴ
販売期間:1983年9月~1999年1月

往年の車中泊カーを紹介する同連載も第3回。今回はスバル・ドミンゴを紹介しよう。

「農道のポルシェ」という呼称を聞いたことがあるだろうか? これはスバルがまだ自社生産していた軽自動車・サンバーのこと。リアエンジン・リア駆動の採用などが、その呼称の理由なのだが、そのサンバーをベースに登場したリッターカー(軽ではない)がドミンゴだ。

こちらは2代目。3列シート7人乗りと6人乗りもあり。2代目は1.2ℓの3気筒SOHCだった。

サンバー同様にリアエンジン、2WDの場合はリア駆動で、排気量1.0ℓ(1.2ℓもあり)のエンジンを搭載。3列シートを採用して、7人乗り(2代目は6人乗りもあり)を可能にしている。

車中泊カーとしてのポテンシャルも高く、2列と3列目がフルフラットになり、さらには開閉する屋根の窓「サンサンウインドゥ」で、換気も可能だった。

車中泊&キャンパー仕様のアラジン。

そして、このドミンゴには「アラジン」という車中泊&キャンパー仕様が、メーカーである「スバルから」販売されていた。

これは43cmほど天井部が上に開く「リフトアップルーフ」が特徴の特別仕様車。シンクやカセットコンロ、カーテンなどが標準装備だった「キャンパー」と、そういった装備が付いていないシンプルな車中泊仕様の2グレードが設定されていた。

初代ドミンゴの高い4WD性能を示す当時の写真。波打ち際の走行は、石川県の千里浜なぎさドライブウエイくらいしか撮影できない!?

ちなみにドミンゴは、以前『カーネル』にもご登場いただいた山岳写真家の三宅 岳さんの愛車でもある(サンバーディアスと併用)。

いまや貴重なスバル・ドミンゴ、さらに貴重なアラジンを現在も所有し、使用している人がいたら、ぜひとも取材させてほしい。取材はもちろん岳さんにお願いしたいな。

キャンパー仕様アラジンはさらにレア!

いまや貴重なドミンゴ・アラジン。大きな特徴は「リフトアップルーフ」と呼ばれていたルーフトップテント。

マツダ・ボンゴフレンディのように電動ではなかったが、開閉は簡単だった記憶あり。

「サイドテント」なるサイドオーニングはオプションでの設定だった。

エンジンはリアに搭載。シートはフルフラットのベッドになり、アラジンの「キャンパー」には運転席後部にシンクなどが設置されていた。

文:大橋保之(カーネル編集部) 
初出:カーネル2024年3月号vol.65