【概要】冬の北海道の車中泊旅に関する注意を紹介。車中泊スポットの状況や雪道運転など。

冬の車中泊スポット事情

気をつけて! 冬の北海道クルマ旅

北海道の冬の車中泊事情は夏とはまったく異なる。公園のトイレは閉鎖され、通年営業ではないキャンプ場やRV パークは冬季休業となる。車中泊専用施設や冬季営業のキャンプ場の利用がおすすめ。

また大雪や大寒波のときは、無理せずホテル泊に切り替えよう。寒さのためポータブル電源が動かないなど予期せぬことが起こるかもしれないので、車中泊をするなら避難しやすいところで。

寒いからといってエンジンをかけたまま寝ると、積雪でマフラーがふさがり排気ガスが逆流し、一酸化炭素中毒になるおそれがあるので絶対に行わないこと。

RVパーク

RVパークでの車中泊がおすすめだが、冬季休業も多い。「くるま旅クラブ」のサイトで利用期間を「通年」で検索すると、冬季営業をしていても休業日がある施設は表示されないことがあるため要確認。

写真の「RVパーク花ロードえにわ」は談話室と屋内キッチンがあり、札幌も近くておすすめ!

キャンプ場

最近はキャンプブームにより冬季営業しているキャンプ場が増えてきた。電源サイトがあるオートキャンプ場が冬の車中泊スポットとしておすすめ!

北海道のキャンプ場は比較的リーズナブルで、除雪で夜中に起こされることなく静かに眠れる。夜にFFヒーターの音が響くので注意したい。

道の駅

道の駅は冬でもトイレが使える。積雪があると深夜や早朝に重機で除雪が入るが、そのまま止めっぱなしにしておくとその場所が除雪できなくなる。

また、十分に雪が取り除けず自分のクルマの周りだけ山になり、クルマが動かせなくなることもあるので、除雪が入ったら速やかに移動しよう。

コインパーキング

もしコインパーキングに駐車するなら、立体駐車場が悪天候時の避難場所としてもおすすめ。

筆者も大雪で飛行機が欠航し、帰宅もできず、新千歳空港の立体駐車場で車中泊を余儀なくされた経験がある。

屋根のあるところだったので難を逃れたが、屋外に駐車していたクルマは写真のような状態に……。

雪道の運転

天候が悪いときには運転しないという選択肢も

北海道では雪が少ない地域でも、スタッドレスとスノーワイパーの装着が必須。スノーブラシや手袋は必ず積載する。

川を隔てただけで、猛吹雪に見舞われることもあるので、必ず出発前に天候をチェック。天気が悪ければ目的地の変更や中止するなど、柔軟な旅ルートの計画を。

ブレーキは普段の倍以上早いタイミングを心がける。雪道は慣れてきたときが一番危ないので最後まで気を抜かず、疲れたら休憩。

また、帰宅後は、塩カルが付着し、サビの原因になるので下部洗浄をしよう。

ブラックアイスバーン

ブラックアイスバーンは、市街地、トンネル、橋の上で発生しやすい。いつでも止まれる準備をして走ろう。

ホワイトアウト

ホワイトアウトは吹雪のときだけでなく、雪が降っていなくても、前のクルマが雪煙を巻き上げ目の前が真っ白で見えなくなることもある。普段から十分に車間距離をとろう。

タイヤの雪はこまめにとる

雪道を走ると、タイヤハウスに雪がびっしりとこびりつく。だんだんと成長し、やがてタイヤが回らなくなる。

放っておくと凍って、ますます取れなくなるので、ゴムハンマーなどでこまめに取り除こう。

乗り降りで転倒に注意!

クルマから降りたところが凍結していて転倒してしまうことがある。乗り降りの際は、必ず足元を確認しよう。

また北海道で販売されている冬靴は、滑りにくい雪国仕様なので、靴は北海道で購入がおすすめ。

写真、文:まるなな ほか 
初出:カーネル2024年1月号vol.64