【概要】エコフローのポータブルエアコン「WAVE2」の使用レビュー。ホンダ・N-VANをDIYして、年間300日以上車中泊しながら日本全国を旅するruiさんがチェック。

ポータブル電源メーカーとして人気のエコフロー(EcoFlow)が、2022年にポータブルクーラー 「WAVE」を発売。大きな話題を呼んだのは記憶に新しいところ。その「WAVE」が、一年で早くもリニューアルした。

ユーザーアンケートをもとに、大幅に改良が施されたという「WAVE2」。

高さが8cm低くなり、重量は約3kg軽くなったのにもかかわらず、暖房機能までついて「ポータブルクーラー」ではなく、「ポータブルエアコン」として生まれ変わった。

ホンダ・N-VANをDIYして、年間300日以上車中泊しながら日本全国を旅するruiがチェック!

現状は、エンジンオフでも使える「FFヒーター」に比べて、車載用クーラーの設置率はまだまだ低い。

しかも寒さ対策に比べて暑さ対策には限界があり、熱中症などのリスクもあるので、クルマに載せるだけで使えるエアコンがあれば、夏の車中泊の強い味方となる。

そこで、ホンダ・N-VANをDIYして年間300日以上車中泊しながら日本全国を旅するruiが、エコフロー「WAVE2」の実力を試してきた。

WAVE2 スペック

新世代ポータブルエアコンの代表モデル・エコフローのWAVE2。2022年モデルより小型軽量化、静音性アップ、そしてなんと暖房もついた。

タイプ:コンプレッサー一体型
消費電力:700W
重さ約:14.5kg
冷却能力:5100BTU
本体サイズ:幅518mm×高さ297mm×奥行336mm
価格:14万3000円

気になる6つのポイントをチェック! 

人気軽バンであるホンダ・N-VANで「WAVE2」の使用感をチェック。車中泊した場所は、静岡県伊豆地方のRVパーク伊豆黒根岬。この日の日中の気温は27℃で蒸し暑かった。

気になる6つのポイントについて、Q&A形式でレビューしよう。

Q.クルマの中に入れたら意外と大きい?

A.軽バンだと助手席は潰れるくらいの大きさ

前モデルに比べて奥行きは変わらず、横幅は1cmほど、高さは8cm低くなったので全体的な印象はひと回り小さくなった。

単体で車内に置いても圧迫感はそれほどないが、実際に使用する際は排熱ダクトを装着する必要があるので、それなりにスペースは占有する。

ダクトをどこから出すか、AC電源を使用するならどの経路でケーブルを回すかなど、車内での置き場所やレイアウトは少し考える必要がある。

また、送風口にダクトを取り付けることもできるので、場合によってはWAVE2をクルマの外に置いて使うこともできる。

Q.持ち運ぶにはちょっと重くない?

A.バッテリーパックを外せばなんとかなる

重量はWAVE2本体のみだと14.5kg、専用バッテリーパックは7.5kg、ふたつを接続するケーブルなどを込みで合わせると22.3kgとなる。

前モデルから比べると3kgほど軽くなったとはいえ、ひとりで持ち上げて運ぶとなるとそれなりに重い。

持ち運び用の取っ手がないので、本体のどこかに手をかけて、もしくは本体を抱えて持ち運ぶことになるのが重く感じる要因のひとつかもしれない。

バッテリーパックは持ち手が付いているので、移動する際は外して持ち運ぶと楽だし、腰にもやさしいかもしれない。

Q.設置が大変じゃない?

A.置くだけでも使用は可能だが……

車載エアコンのなかには取り付け工事が必要なモデルも多いが、ポータブルエアコンの魅力はクルマに載せるだけで使えるところ。

WAVE2もバッテリーパックが付いていれば完全に単体で使用することができるので、かなり手軽。

ただし、効率よく使いたいとなると、排気・吸気ダクトを車外に出すため、窓用のパネルをDIYする必要があり、そのパネルの設置にひと手間かかる。

だが、排気処理をせずに使っても、送風口からの冷気に当たっていればそれなりに涼しい。とはいえ、やはり気温の上がる夏はしっかりと準備してほしい。

Q.稼働時はうるさくて寝られないのでは?

A.おやすみモードは本当に静か!

静音性がアップしたWAVE2。おやすみモードで44dB、風量MAXで56dB。

数字だとピンとこないのであくまで目安だが、静かな図書館が40dBくらい、掃除機が60dBくらいといえば、なんとなく伝わるかもしれない。

おやすみモードで使用した場合、狭い車内なのでもちろん空気の流れる音は聞こえるのだが、ファンの形状のせいか耳につく嫌な音ではなかった。よほど敏感な人でないかぎり十分に寝られるくらい。

これは風量MAXでも同じで、「大きい」とは感じるが「うるさい」とは感じないタイプの音だ。