【概要】アメリカ・ラスベガスで開催されたカスタムカーイベント「SEMA SHOW」の取材レポート。会場で注目したコンパクトサイズのトレーラーを紹介。

毎年11月にラスベガスで開催されている世界最大のカスタムカーの祭典、SEMAショー。ピックアップトラックやRVが市民権を得ているアメリカならではの、車中泊関連車両はまだまだ盛りだくさん! 今回はコンパクトサイズのトレーラーに注目!

プリウスやフィットのような小さいクルマでも、ヒッチを付けてトレーラーを引っ張る文化があるアメリカ。

Uホールという引っ越しトラック屋やトレーラーのレンタル業者では、顧客のクルマにトレーラーを引っ張るためのヒッチメンバーを取り付けてくれるサービスを行っているほどこの文化は一般的。

となるとRVの世界でもエアストリームに代表されるような、トレーラーを引っ張るスタイルが登場してきたのは自然な流れといえるだろう。

今回のSEMAで感じたRVモビリティの世界で注目されているトレーラーは、より一層アウトドアライフに主眼を置いたものだと感じた。

従来型の大きな家のようなトレーラーを運ぶスタイルとともに、ここで紹介するもう一台は、とてもコンパクトながらキャンプサイトでほしい要素が合体ロボのように詰め込まれたものが登場し、注目を集めている。

サイズは小さいタイプであれば、幅1.2m、長さ2m弱の四角いボックス形状。その小さなハコの中に十分なサイズのキッチンシステムや、タンクも備えた温水シャワー機能、まるでバットマンのウイングのようにトレーラーの何倍もの大きさに展開するオーニングなどがシステマティックかつ機能的に格納されているのもおもしろい。

クルマを使ったアウトドアライフをよりワイルドに楽しみたい人も多く、ジープなどの本格的な4WDで新しいタイプのスモールトレーラーを牽引していきたいという需要も高いため、トレーラー自体の堅牢性が非常に高いのもその特徴だろう。

SEMAショーで注目したコンパクトトレーラーを一挙公開!

EVカー業界を先導するTESLAを、ピックアップやSUVというジャンルで追いかけるRIVIANも多機能な小型トレーラーを牽引。

SEMAのメインエントランスにこのクルマが展示されていることからもわかるとおり、新しいトレーラーシステムに注目が集まっている。

前後長がわずか1.3m程度のコンパクトなトレーラーだ。就寝用のテントを1段かさ上げした部分に設置している。

室内に大人2名用のベッド、スイングアウト式キッチン、ルーフトップテント、さらに大きく広がるオーニングと機能盛りだくさんだ。

トレーラー本体は小ぶりながら、内外はすべてキャンプ用品とアウトドアグッズを運ぶためのキャリアカーと割り切ったデザイン。Jeepとの相性もよい。

OFF GRID TRAILERはオーバーランディングを存分に楽しむことを目的とした堅牢な作りが特徴。就寝場所をキャビン内外に設定し、目的に合わせてさまざまなモデルをリリース。どのモデルも目的地に到着後は、このトレーラーをベースキャンプとすることで、多彩な使い方が可能。

小型のトレーラーながらドアの内側にコンロをセットし、長い調理テーブルが出てくる仕組みなど、アイデアにあふれている。

驚くほど大きく展開するオーニングで、トレーラーの周りには15〜20畳に相当するリビングスペースができ上がる。テント類の進化もスゴい!

テント、シャワーブース、オーニングといったアイテムはすべてトレーラーからポップアップする。内部にはスライドアウト式のキッチンや冷蔵庫などを装備。

テントのオプションも充実しているので、さまざまなシチュエーションに対応。

大型のRVトレーラーとなると人の手で移動させることは難しい。そこで、こうした電動モーターで動く、トレーラータグが活躍するのだ。

既存型の大きなトレーラーがコチラ。大きな室内には使いやすいキッチンやダイニングがあり、さらにリアゲートを開けばそこがオープンテラスになる。天井の高いベッドルームなど、サイズがあるだけに居住性の高いレイアウト。

初出:カーネル2023年3月号vol.59