【概要】アウトドア向けのコーヒードリッパー6点を徹底比較。第1弾として、ユニフレーム/コーヒーバネットcute、ゼブラン/V60フラットドリッパー 02 PLUS Zebrang、Wee!Hub/美しすぎるドリッパー Beaudripの3点をレビュー。

▼キャンプで楽しむコーヒードリッパー徹底比較② 極上の一杯をキャンプで味わう!▼

ドリッパーの形状で味も変わる!

ドリッパーは「台形」「円錐」の2種類。ペーパーフィルターも対応したものを使用する。

ひと口に「コーヒードリッパー」といっても、形状はさまざま。そして形状が違えば、コーヒーの味も変わってくる。

形状は大きく分けて2種類。底が平らな「台形タイプ」、先が尖った「円錐タイプ」だ。

台形タイプは、底に湯がたまりやすいのが特徴。コーヒー粉と湯が触れている時間が長いので、コクのある味わいになる。

また、穴からコーヒーが落ちるスピードが一定なことから、誰が淹れても同じように仕上がるのも特徴だ。

穴の数は1つのものや3つのものがあり、それぞれに湯の落ちるスピードが違うので、味も違ってくる。

円錐タイプは、湯を少しずつ注げばゆっくりと落ち、多く注げば速く落ちるのが特徴。自分の好みに合ったコーヒーを淹れられる半面、毎回同じ味にするには技術が必要になる。

台形タイプよりも湯の落ちるスピードが速いので、味はスッキリとした傾向だ。

さらにドリップ時は、器具やカップに湯をかけ温めておく(湯煎)。こうすれば抽出温度が下がらず、できあがったコーヒーも冷めずにすむ。

抽出ムラをなくすために粉の表面を平らにならす。その際、叩かずに軽く揺すって整える。

そしてドリッパーに入れたコーヒー粉は山状になるので、必ず平らにならす。そのまま湯を注ぐと抽出にムラが出てしまうからだ。

またコーヒー粉をならす際は、ドリッパーを叩かず、軽く揺するように整えよう。叩くと微粉が下にたまってしまい、雑味が出やすくなってしまう。

湯の注ぎ方でも味は変わる!

使うコーヒー粉や注ぐ湯の量を正確に量ることで、毎回同じような味に仕上げられる。

注ぎ方は大きく分けると「3投式」「1投式」「一点注湯」の3種類。 

3投式は、湯で「の」の字を書くようにして、3回に分けて注ぐ方法。コーヒー粉と湯が触れている時間が長くなるので、コクや苦みが際立つ味わいになる。湯の落ちるスピードが遅い台形タイプに向いた注ぎ方だ。

1投式は「の」の字を書きながら1回で注ぐ方法。湯の落ちるスピードが速い円錐タイプ向きだ。湯とコーヒー粉の触れている時間が短いので、スッキリとした味わいに仕上がる。

一点注湯は「の」の字を書かず、1点にのみ注ぐ方法。こうすることで1投式よりも抽出時間が少し長くなり、コクのある味わいになる。

こんな特徴を知ってコーヒーを淹れれば、もっと楽しく、自分好みのコーヒーを淹れられるはずだ。

定番&最新ドリッパー徹底比較

キャンパーに人気の定番ドリッパーから、おすすめの最新ドリッパーまで6モデルをピックアップ。こちらの記事では3モデルについて、各ドリッパーの特徴やコーヒーのレシピ、淹れ方、味わいについて紹介していこう。※ほか3点は後日公開予定

ユニフレーム/コーヒーバネットcute

フラットにたためるバネ状のドリッパー。壁面がないのでコーヒー粉から出るガスが逃げやすく、湯の通りが速いことからスッキリとした味わいになるのが特徴だ。

バネ状の本体を支える脚部は3脚なので安定してセットできる。

今回はコクや苦みを引き出せるよう、一点注湯で注いでみる。2人用の本モデルのほかシェラカップ用の「sierra(1870円)」と4人用の「grande(2420円)」もある。

収納はφ11×2cmとフラット。持ち運びやすいケース付き。

価格:2200円
サイズ:φ110×70mm
重量:46g
【問】新越ワークス 03-3264-8311

〈レシピ〉
豆量:10g 粒度:中細挽き 
湯量:140g 湯温:93℃
注ぎ方:一点注湯

淹れ方の手順

①ペーパーフィルターは、円錐タイプの1~2人用を使用。本セットには10枚が付属する。

②湯煎したドリッパーとサーバーをスケールに載せ、1杯分10gのコーヒー粉を入れる。

③コーヒー粉全体が濡れるように湯を注ぎ20秒間蒸らす。湯の量は粉の倍の20gを使用。

④蒸らしが終わったら、液面の高さを一定に保ちながら、中心だけにゆっくりと湯を注ぐ。

⑤140gの湯を注ぎ終えたら最後まで落としきる。これで約120gのコーヒーが抽出された。

感想:バランスのいいスッキリした味わいに

湯が落ちるのが速いので抽出時間が短く、酸味の立ったスッキリとした味わいに仕上がった。それでも一点注湯で注いだぶん、ややコクがある味わいとなっている。

ただ物足りなさも感じるので、1杯分のコーヒー粉を12gに増やして、濃く抽出してもいいかもしれない。

ゼブラン/V60フラットドリッパー 02 PLUS Zebrang

世界に評価されたハリオ「V60ドリッパー」をアウトドア用に再現。本体はシリコン製でコンパクトにたためるのが特徴だ。

シリコン製の本体とプラスチック製の脚部に分かれている。

V60同様、リブ(本体内側にある筋状の出っ張り)が高いので、湯の落ちるスピードが速く、酸味や甘みが強調される傾向にある。

本体を巻いてボタンで留め、脚部にはめ込んで固定する。

今回はドリッパー内の液面を一定の高さに保つため、1投式で抽出してみた。

価格:1870円
サイズ:132×125×88mm
重量:95g
【問】ハリオ商事 0120-398-208

〈レシピ〉
豆量:10g 粒度:中細挽き
湯量:140g 湯温:93℃
注ぎ方:1投式

淹れ方の手順

①ペーパーフィルターは円錐タイプの1~4人用。コンパクトながら4人分まで淹れられる。

②スケールに載せたドリッパーとサーバーにコーヒー粉を入れる。使うのは1杯分10gの量。

③入れたコーヒー粉に20gの湯をまんべんなく注ぎ、20秒間蒸らし作業を行う。

④蒸らしが終わったら、中央に「の」の字を書くように湯を注ぐ。湯は1回で注ぎ切る。

⑤140gの湯を注ぎ、120gのコーヒーを抽出。比較的透明度の高いコーヒーができあがった。

感想:コクが抑えめな甘みと酸味が立った味

コーヒーバネット同様、抽出時間が短いので酸味が立つスッキリとした味わいに仕上がった。

豆の種類によってはコク不足にも感じられるので、その場合は一点注湯で淹れるのもおすすめ。2~4杯なら豆は1杯あたり10gでもいいが、1杯分なら12gにして濃く抽出してもいい。

Wee!Hub/美しすぎるドリッパー Beaudrip

精密に切削された組み立てパーツは、本体に収納されている。

名刺ケースのような本体を開けるとパーツが収納されていて、それを組み立てるとドリッパーになる。

精密に切削された組み立てパーツは、本体に収納されている。

アルミ削り出しで、工作精度の高さや本体開閉にマグネットを使用するギミックなど、細部にまでこだわった作りが所有欲を満たしてくれる。

収納サイズは60×94×9mm。本革ケースも販売している。

ドリッパーのタイプは台形の3つ穴式なので、3投式で抽出してみた。

価格:1万3200円
サイズ:64×94×81mm
重量:87g
【問】パーツ精工 080-3691-8164

〈レシピ〉
豆量:10g 粒度:中細挽き
湯量:140g 湯温:93℃
注ぎ方:3投式

淹れ方の手順

①ペーパーフィルターは、台形タイプのなかで最小の1~2人用を使用する。

②コーヒー粉10gをドリッパーに入れる。スケールを使うと正確に重さを量ることができる。

③蒸らし作業を行うために、20gの湯を注いでコーヒー粉全体を濡らして20秒間蒸らす。

④「の」の字に注湯。粉が膨らんだら止め、1/3ほど沈んだら再度注湯。これを3度繰り返す。

⑤トータルで140gの湯を注いで、120gのコーヒーを抽出するればできあがり。

感想:落ちが遅いので焦らずゆっくり注湯を

落ちるスピードが遅いので、コクのある仕上がりになった。フィルターが小さく、すぐに水面が高くなるので、3投でも水面が上がってしまうようなら4~5投に分ける。

フチのギリギリまで注ぐと味が薄くなってしまう。淹れ終えたあとは持ち手となる脚部が熱くなるので注意。

執筆:牛島義之

アウトドア雑誌の副編集長職を経て、フリーエディター&ライターとして独立。アウトドア業界歴30年以上、コーヒー愛好歴20年以上で、コーヒー関連の書籍や記事の執筆も行う無類のコーヒー好き。

写真:佐藤弘樹 
文:牛島義之 
初出:GARVY2022年12月号