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【概要】焚き火の薪に着火し、燃え続ける際の温度変化や、燃える仕組みなどを解説。

焚き火に必要な温度は260℃

乾いた薪に火がつかない、安定して燃えないときがある。焚き火をはじめるとまず煙が出るが、これは薪の水分や可燃ガス。

可燃ガスが燃えてはじめて薪が安定して燃えるわけで、引火する温度は260℃〜。

焚き火はじめにむやみにいじると温度が下がるので、薪同士が広がりすぎないよう調整するにとどめ、風を送るのもやめたほうがいい。

焚き火の温度変化

①100℃~ 薪から可燃性ガスが放出される

火に当てると薪の表面から水分が蒸発していく。薪の水分が抜けて乾燥したら、200℃近くから木材の成分であるヘミセルロース、セルロースなどが分解。このとき、可燃性ガスが放出されはじめる。

②260~300℃ 薪が燃えはじめる!

260℃を超えると薪から放出された可燃性ガスに火がつく(青い炎)。この状態をキープすることで薪の炭化が進み、炭素の酸化反応で発熱(赤い炎)。さらに温度が高まり燃焼を続けていく。

③500~600℃ 薪が炎を上げる

煙もなく、炎を上げてよく燃える状態は500℃くらいから。ここまでくると安定して焚き火を続けられるので、焚き火の次の段階、より太い薪を追加しても大丈夫だ。

④700℃~ 炎が落ち着き熾き火となる

炎が出ずに、赤くテラテラと燃える熾きの状態。少しくらい雨に当たっても消えることはなく、料理にも暖をとるにもいい感じ。ただ、炭よりも燃え尽きる時間は早い。

写真:逢坂 聡 
文:大森弘恵 
初出:GARVY2020年12月号