近畿はもちろん東海からも訪れやすいアクセスのよさ
電源、温水シャワーやランドリー、アイテムショップなど、さまざまな設備は確かに整っている。さらにキャビンなどの種類も多く、ユーザーのニーズに合わせて選ぶことができる。
そして何よりも、琵琶湖を望むロケーションはすばらしい。約1kmにおよぶ砂浜に沿って、細長く広がるキャンプ場。付随するレジャー施設も含めると、総面積はかなり広い。人気を集める要素は十分といえる。
しかし今回、吉川さんがキャンプ場の最も大きな「強み」として挙げたのは、まったく異なることだった。
「接客の丁寧さ。“お客さまを心からお迎えする”ということを、スタッフは徹底しています。立地のよさや設備も、もちろんウチの特徴ですが、それよりも“接客”だと思っています」
そうか。冒頭で「吉川さんの優しい口調」と書いたが、一貫してマイアミ浜オートキャンプ場から感じる印象は、この「優しさ」だと実感。
スタッフの雰囲気づくりを大切にしており、どうやら、その雰囲気が、訪れるキャンパーたちに伝わっているようだ。
では、今後のビジョンを聞いてみる。
「いまのキャンプブームで、今後はさらにキャンプ場は増えていくと思います。ただし、私たちは施設をどんどん増やしていくことは難しい。そのなかで、どうやって生き残っていくか……。やっぱり、私たちの強みである『キャンプ場の雰囲気づくり』を、より充実させていくことだと思います」
近年のキャンプブームは、肌で感じているそうで、4~5年前からキャンパーは増えたという。ただし、そのスタイルは大きく様変わりしたとのこと。
「ソロやデュオが増えましたね。平日はソロ&デュオ、週末はファミリーや仲間同士のキャンパーが多いです。ソロやデュオの皆さんは、静かに自然を味わっているようで、なんだか本来のキャンプの姿に戻ったように感じます」
せっかく家族や仲間とキャンプに来たのだから、遅くまで楽しく騒ぎたい気持ちもわかる、と吉川さん。
「キャンプの楽しみ方は人それぞれ。スタイリッシュに楽しみたい人、シンプルに楽しみたい人、楽しく過ごしたい人、それぞれでいいと思います」
さまざまなキャンプスタイルを否定することはなく、「ただし」と吉川さんは付け加える。
「自分たちだけが“楽しい”ということでは困ります。まわりの人にもご配慮願いたいですね。せっかくウチに来ているのだから、夜は早く休んでいただいて、翌朝、早起きして、一度ぜひ見てほしい景色があります。琵琶湖から出る朝日です。とても神々しくて、言葉が出ないほど。自然と近いキャンプだからこそ、味わってほしい」
なるほど。確かに、またここを訪れたくなる気持ちもわかった気がする。