軽キャンピングカー・テントむしの気になる点
軽キャブコンは、ベース車が軽トラックであることからデメリットも多いです。これらを踏まえたうえで購入しなければ、買って失敗したと思うこともあるかもしれません。
私が感じたテントむしの気になる点を5つ紹介します。
①走行性能に過度な期待は禁物
②乗り心地はやっぱり軽トラ
③快適就寝人数は1名
④収納スペースが少なめ
⑤形状ゆえのデメリット
①走行性能に過度な期待は禁物
高速、登坂、突風、段差、凍結道路、全部苦手です。走行については期待しないでください。サスペンションの交換などにより多少の向上は見られるそうですが、あくまでも軽トラックです。
私のテントむしは、平成19年式スクラムトラックの3ATで、高速道路を80km/hで走行するのがやっとです。特に峠は苦手で、20k/hmくらいしか出ないときもあります。
凍結路面では、車体の重さによりスリップし、思った位置で停止ができないことも。
購入を考えているなら一度、軽キャンパーをレンタルし、実際に走ってみることをおすすめします。
②乗り心地はやっぱり軽トラ
走行音がうるさいです。高速や登坂でなくても、エンジン音は大きめで会話はできますが、オーディオの音量は大きくなりがちです。
運転席や助手席周りは狭く、足元も狭いので身長170cmくらいの方が座ると、少々窮屈かも。
足元が冷えるのも気になる点。軽トラなので、鉄板剥き出しの部分も多く、冬はここから冷気が伝ってきて足元が寒いです。
また少しの段差でも車体は大きく揺れます。
③ベッドでの快適就寝人数は1名
テントむしは、就寝人数4名(シートを展開したベッド+ポップアップルーフ2名)となっていますが、「寝られなくはないけど狭いよね」というのが正直な感想。
私の場合は就寝にはベッドしか使用しないので、そこだけを考えると、快適就寝人数は1名になります。
1名→快適
2名→1泊か2泊くらいの仲良し限定
ポップアップルーフを含めると、
3名→できなくはないが狭い
4名→私は無理かも……
ベッドはセミダブルと同サイズのため、1人で寝るには十分な広さがありますが、2人の場合、少し狭く感じます。
「ペットがいるから〜」という理由で軽キャンパーを選ぶ方もいますが、ペットの荷物も増えますし、あの子たちは意外と場所とりますよ(笑)
私にとってのテントむしは、子どものころに遊んだ“押し入れの秘密基地”のような感覚。この狭さが好きな方にとっては、たまらない空間です。
④収納スペースが少なめ
テントむしは、ほかの軽キャンピングカーのような小物を収納する棚がありません。
その分、頭上のスペースが広く、圧迫感を感じないことがメリットかもしれませんが、DIYして棚を設置してる方もいるので、やっぱり小物収納は欲しいなと思っています。
また、キャンプ用のチェアやテーブルなどの大型のギアは、サイクルキャリアを設置しトランクボックスで積載するのが理想です。
⑤形状ゆえのデメリット
テントむしの見た目のかわいさと、キャンピングカーらしい「キャブコン型」ゆえのデメリットもあります。
・目立ちすぎる
・部品が特殊で普通の修理工場で修理できない
・高さ制限で立体駐車場に入れられないことがある
・キャンピングカー料金を請求される場合がある
おそらく軽キャンピングカーのなかでも、かなり目を引くルックス!
とにかく目立ちます!
信号待ちの歩行者、隣のクルマ、駐車場……。あらゆる場所で視線を感じ、駐車していたら話しかけられ、「これは移動販売車?」から始まり、クルマの説明、購入金額など、セールスマンばりの説明を求められます(笑)
また、特殊な車両のため何かあったとき、すぐに車両が持ち込めてアフターケアをしてくれる、自宅から行ける距離にある店舗での購入を強くおすすめします!
買ってよかった! 最高の相棒、テントむし
以上が、テントむしを購入した理由と、実際に5年間乗って感じた、よかった点と気になる点です。
ちなみに、このクルマの購入を2日間で決断しなくてはいけなかった理由は、「大人気で北海道外からの問い合わせが多く、いつ売れるわからなかったから」
現在、テントむしの新車の納車期間は、2年7カ月(2022年3月現在)ほどだそうです。
中古車の場合、納車は1カ月前後と早いですが、コロナ禍によるアウトドアブームもあり、入庫後はすぐに売れてしまうほど大人気。見つけたら迷っている暇はないですよ(笑)
「人生は一度きり」
購入を迷いに迷った私が「自分自身を説得した言葉」です。
妄想だけで終わるはずだった「キャンピングカー旅」という無理だと思い込んでいた「夢を叶えてみよう」と思ったから、このテントむしに決めました。
軽キャンパーやテントむしにはデメリットもあるため、誰にでもおすすめできるクルマではありませんが、自分のスタイルに合えば人生を変えてくれる「最高の相棒」となるでしょう。
写真、文:まるなな