【概要】ダッチオーブンを使ったキャンプ料理の簡単・技ありレシピを紹介。肉料理、スープ、スイーツの4品。監修は「若洲アウトドアセンター」を運営する「Hero」のイベントディレクター・石橋拓土さん。
メインディッシュ、スープ、スイーツまで! 簡単なのに技あり!
キャンプ料理の大本命、ダッチオーブン。昔ながらの重厚感ある大鍋は、焚き火料理との相性抜群。うまみを閉じ込めるからどんな食材もおいしくなる魔法をかける! 4つのレシピをご紹介!
▼ダッチオーブンの基礎知識と7つの魔力▼
ローストビーフ
底網+根菜でブロック肉が芯までふっくら蒸し焼きに!
ダッチオーブンの真骨頂、でっかい肉を使ったローストビーフ。常温に戻した肉とゴロゴロ大きめに切った野菜をいれてフタをし、じっくり焼くだけ。それだけなのに肉はやわらかく、野菜には肉のうまみがしみこみ激うま料理に変身する。
【材料】
牛肩ロース……1kg
ジャガイモ……3個
ニンジン……2本
ブロッコリー……1房
オリーブオイル……適量
塩……たっぷり
コショウ……たっぷり
①塩を浸透させながら常温に戻す
火にかける20〜30分前にクーラーボックスから肉を取り出し、塩をたっぷりまぶす。塩を浸透させながら常温に戻すのだ。
②底網を敷いて食材をいれる
網を敷き、野菜と、フタの上で表面に焼き色をつけた肉を入れ、フタをする。上下からの弱火で40分。ブロッコリーは最後の10分で追加。
ヒント 中心温度を測り火から下ろして休ませる
温度計があれば、肉の芯温度で焼き上がりの状態がわかる。
〈牛肉〉レア50℃前後、ミディアム56℃前後、ウェルダン60〜65℃
〈豚肉・鶏肉〉ミディアム60℃前後。ウェルダン65〜68℃
目当ての焼き上がりになったら、火から下ろしてフタをしたまま20分ほど寝かす。寝かしてから肉を切ると、肉汁がそれほど出ない。これはステーキも同じ。
ブルーベリーソース漬けのスペアリブ
骨付き肉はフタで焼き色をつけたら、骨を下にしてじっくり弱火
骨付き肉はその火加減が難しいけれど、ダッチオーブンなら熱を無駄にしないので香ばしく焼き上がる。骨のあるほうを熱源のある下に向けて置くのがポイントだ。ソースで焦げやすくなっているので底網を忘れずに。
【材料】
スペアリブ……8本分
A 冷凍ブルーベリー……200g
A 砂糖……大さじ3
A しょうゆ……大さじ1
A バルサミコ酢……大さじ1
塩 少々
①ブルーベリーソースを温める
スキレットなどに材料Aをすべて入れ、少しとろみが出るまで煮込む。肉料理に合うので、多めに作って保存してもいい。
②肉にたっぷりのソースを漬ける
肉を①のソースに漬けて1時間以上日陰で放置。フタで表面に焼き色をつけたら底網を置いたダッチオーブンに入れて弱火で40分加熱する。
パルミジャーノ・レッジャーノのトマト無水スープ
トマトの水分、チーズのうまみだけで作る無水の自動調理スープ
ダッチオーブンのフタはしっかり密着するので、トマトであれば無水スープができる! チーズ先端をつまみながらワインを飲んで煮込みを待とう。ステンレス製ダッチなら、余ったスープをそのまま保管してリゾットにリメイク。
【材料】
トマト……6個
ベーコン……4枚
パルミジャーノ・レッジャーノ(端っこ)……20g
①トマトが煮くずれたらチーズを入れて煮込むだけ
トマトとベーコンを入れてフタをし、弱火にかける。トマトが柔らかくなったらくずし、チーズの皮部分を入れて煮込めば完成。
ヒント パルミジャーノ・レッジャーノはおつまみにもスープにも!
パルミジャーノ・レッジャーノに見られる白い塊は、アミノ酸の結晶。ポロポロと崩しながらワインとともに食べると極上のひとときに。
色が濃い皮部分は煮込んでもかみ切れないが、うまみの塊。スープにいれてコクを出そう。
ブルーベリーボルケーノ
蓄熱性良好だからマシュマロが固まらない! 新感覚デザート!
キャンプの定番、マシュマロを使った甘塩っぱいデザートはいかが? マシュマロは冷えると固まるのでやっかいだが、ダッチオーブンだと長くトロトロをキープする。もっとも、クラッカーをディップする手が止まらないのでペロリ完食、片付けも楽ちん。
【材料】
冷凍US ハイブッシュブルーベリー……150g
マシュマロ……12個
クラッカー……1袋
①紫のマグマをふつふつさせる
ブルーベリーを入れて、その上にマシュマロをたっぷり載せて加熱。マシュマロの隙間からふつふつと湯気が出てマグマみたい!
②軽くまぜてクラッカーに浸す
火から下ろし、スプーンなどで軽く混ぜ合わせたら塩っぱいクラッカーをディップして食べる。甘さの中に塩味があり、後を引く。
教えてくれたのは……Heroのイベントディレクター・石橋拓土さん
関東・東海地方の手ぶらで利用できるBBQ会場を提供する「Hero」のイベントディレクター。野外料理の楽しさを広めるため、全国の会場を駆け巡る。今年は動画で野外料理の知恵やマナーを提供中。
若洲アウトドアセンター
石橋さんが所属する「Hero」が運営。手ぶらでバーベキューのプラン、道具のみレンタル、燃料の販売など若洲公園でのキャンプとバーベキューをサポート。
出典:GARVY 2020年10月号
写真:佐藤弘樹
文:大森弘惠
制作:カーネル