【概要】写真家・瀬尾拓慶さんの愛車、ジムニー シエラの紹介。自作のオリジナルベッドで、撮影のための車中泊をしているという瀬尾さん。車中泊の装備や車内外のポイントなどを紹介。

車中泊の達人:瀬尾拓慶(せおたくみち)さん

神奈川県川崎市出身の写真家。写真に合わせたデザイン創作、作曲活動、個展やイベントを開催。ピアノの即興演奏なども行う。車中泊をしながら森の光を追いかけている。

コンパクトSUVに潜むネイチャーフォトグラファー

「撮影で車中泊はよくします」。物静かな口調。しかし、内なるパワーは感じる。

自然を切り取る写真家として、多くの作品を生み出してきた瀬尾さん。最初の印象では、車中泊をしているとは思えなかった。

「もともとは、歩いて森に入って撮影をしていました。ですが5年前に、奥多摩の釜飯屋を営んでいるご主人(写真が趣味)に、林道へ連れていってもらったことがきっかけでした」

瀬尾さんの車中泊の第一歩。このときに、車で林道に入る楽しさや、男心をくすぐる冒険的な世界を知ってしまったという。

その後、車を購入して林道に入る生活へ。「車中泊することにより、森のさらに深い光を、積極的に撮影することができるようになりました」

目的は車中泊ではなく、車中泊をすることにより、切り取ることができる美しい光景の数々。

「とはいえ、撮影を言い訳に、森での車中泊を楽しみに行くときもないとは言いきれません……」 

車中泊時はタープを車内で広げ、テントのように使用することもある。「冷気が入りにくくなります。窓とのあいだに空気の層ができるので、寒さも和らぎます」

快適に眠る工夫も瀬尾さんならでは。愛車の足まわりが調整できるので、もっとも硬くして、できるだけ揺れを減らす。

「お気に入りは、森のなかでリアゲートを開けて、車内から外を眺める時間。小雨程度なら、車外にタープを広げて、くつろぐこともあります。撮影中で気は張っていますが、それでも束の間の休息になります」

小雨の音を聞きながら、動物が現れるのを待つ。その時間、タープの下で簡単な食事をとるだけでも、心が安らぐという。

今後も、相棒であるジムニー シエラの「黒蔵」くんとともに、瀬尾さんは森に通うことだろう。その奥にある何かを切り取るために。

旅の相棒はスズキ・ジムニー シエラ!

相棒の「黒蔵」くん。ジムニープロショップ・APIOでカスタムしていくうちに、「とても勇ましい姿になってしまった」と瀬尾さん。

大きな変更は、長距離運転と険しい林道を走破するために、スーパーチャージャーを取り付けたこと。燃料がハイオクになったので燃費はよくないが、高速でも林道でも安定した、パワフルな走りになった。

ポイント① 折りたたみできる自作のベッド

自作のオリジナルベッド。ポイントはシートを外すことなく車中泊できること。シートの上に広げるだけで、フラットな寝床が出来上がる。

センターコンソールに干渉する個所は、形状に合わせてカットしている。

クッションやヘッドレストは、シートの凹凸解消のために活用。就寝時には必要なさそうなものでも、使い方次第では役に立つという実践。

ベッドの上には登山などに使われるニーモのエアマットを愛用。ベッドを展開したまま移動できるので、運転に疲れたら、ひと休みできるのが便利。

たたむときはクルクルと圧縮して天井の棚に。この荷物棚は使い勝手がとてもよく、就寝時はランタンをぶら下げたりする。

冬場は寝袋、夏場は毛布などで冷え対策を行っている。

ベッドの土台の板は、山なりに固定すると背もたれとしても使用可能。

ラゲッジに腰かけて、寄りかかりながらひと息つくには最適。理想としては、テーブルでも置いて食事でもできたら最高……とのこと。

ポイント② 電源は車中泊には必須アイテム

ポータブル電源とソーラーパネルのセット。ソーラーパネルを使うことはあまりないとのことだが、万が一の際には有用なので準備している。

「ポータブル電源は車中泊をするなら必ず必要」と言うほど、瀬尾さんは重要視している。

ポイント③ ルーフキャリアは撮影にも活用

ジムニーシエラには、アルミ製ハイパフォーマンスキャリア「FRONT RUNNER」を装着。頑丈で上に載っても壊れることはない。

「視線を高くすることによって、遠くまで被写体を探すことができる」ので、撮影時にも使用する。

ポイント④ 収納はラゲッジ下とコンテナボックス

ラゲッジ下のサブトランクには、いざというときの備えとして、コンロ2個(電気式、ガス式)やロープなどを装備している。さまざまな状況に対応できるような準備が大切。

コンテナボックスは「秘密道具がいっぱい」入っているらしい。収納としてはもちろん、テーブルとしても使用できるので、とても重宝している。

出典:カーネルvol.49 2021年春号 
写真:中里慎一郎