【概要】2021年1月16、17日に静岡で開催された「ふじのくにキャンピングカーショー」の注目キャンピングカーと車中泊旅に役立つテントやタープなどのキャンプ用品を紹介。レポート(2)では「居・食・寝」のうち「寝」にこだわったキャンピングカーと、アウトドアエリアに展示されていたキャプテンスタッグ、ロゴスのキャンプ用品をレポート。

車中泊旅の疲れを癒す、広いベッドルームに注目

キャンピングカーの魅力は、なんといってもフルフラットのベッド。リクライニングさせただけの乗用車のシートとは違い、体をまっすぐ横たえることができるのでぐっすり眠れるのだ。

眠りにこだわるならベッドメイクが簡単で、なるべく広いスペースを取れるものを選びたい。

「ふじのくにキャンピングカーショー」で見つけた、快適ベッドルームを備えたキャンピングカー、車中泊カー7台を紹介!

 

2段ベッドは荷物置き場にも◎/スマイルファクトリー「オフタイムトラベラー3 クロスカントリーパッケージ」

シートを倒してベッドマットを並べる仕様で、ベッドマットが軽くて力の弱い人でも扱いやすい「オフタイムトラベラー」シリーズ。

2段ベッドは荷物の収納スペースとして利用できるので“ベッドは広いのに荷物に挟まれて眠って、なんだか窮屈”なんてことを避けられる。

電源のスイッチはスライドドアの上にまとめられている。今どきらしくUSBソケットも搭載。

新しく登場したクロスカントリーパッケージはスキッドバンパー、エアサス、40mmリフトアップ、14インチアルミ+オフロードタイヤなどを搭載しており、山道を進みやすいパッケージ。

ボディカラーも自然に馴染むので、釣りやハンティング、バードウォッチングなどに使えそう。

 

家具の中にベンチレーションシステムを内蔵/タイムトラベルカンパニー「ミカド フラットタイプ」

ベース車両はエブリイ。助手席部分もベッドスペースになるので身長の高い人も安心だ。オプションでポップアップルーフも選べる。

ビルトインのセラミックヒーターや電子レンジ、床下の冷蔵庫などエブリイの中に充実装備が詰まっている。家具内にベンチレーションシステムを内蔵しているので、スッキリした見た目なのに効率よく換気ができる。

 

エンジンを切っても使えるクリーンなエアヒーター/ホワイトハウス「フリースタイル フリード+」

フリードの助手席と運転席を回転させれば(オプション)、ベッドの長さは188cm。外部電源、モスキートネット、遮光カーテンなど眠るための装備に特化している車中泊カーだ。

注目すべきはエアヒーター。エンジンを切っても長時間車内を温めるシステムなので、冬の車中泊も快適にすごせる。

持ち上げるだけでベッドスペースが生まれるポップアップルーフ付き。2名乗車なら荷物を移動させることなくベッドを作れるのがありがたい。

 

二の字シートでベッドメイクが簡単/ナッツRV「ファミモ」

3列目を横向きシートにし、背もたれを隙間に組むだけでベッドスペースに変身。後部だけで長さ140cm、2列目シートも倒せば長さ230cmの大型ベッドになる。オプションで2段ベッドにしてもよし。

 

ひとり1台のベッドを装備/リンエイ「バカンチェス ふたりのくるま旅プライベート」

広いベッドにふたり〜親子3人が並んで眠るのが一般的だが、リンエイの「ふたりのくるま旅 プライベート」は、文字通りふたり旅でも個を大切にしたい人向きで、助手席後ろと運転席後ろにベッドスペースが別れている。

写真では運転席後ろのベッドは短く見えるが、助手席側と同じで長さ180cmを確保。中央にもカーテンがあるので自分のペースで眠れるのがうれしい。

もちろん、助手席側のベッドは幅広(106cm)で2名就寝も可能なので、いっしょに眠ってもよし。

走行充電サブバッテリー、100Wダブルソーラーシステム、2000wインバーター、外部電源など盛りだくさんの装備で、真夏の車中泊にうれしいDCインバータークーラーも搭載可能。

 

コンパクトミニバンも余裕のベッド/バンレボ「MR 30th Anniversary」

5ナンバーサイズのミニバン(写真はエスクァイア)を使った車中泊カーで、FFヒーターやインバーターシステム、電子レンジなどを搭載。

バンテック新潟30周年特別記念車「MR 30th Anniversary」は、ソーラーパネルやバックアイカメラ、フリップダウンモニターを装備したゴージャス仕様だ。

3枚のマットを並べるだけで、2名分の就寝スペースが生まれる。カップホルダー付きテーブルを真ん中に寄せ、真ん中のマットを取り外せばラウンジ風レイアウトに。

小さなシンクだからこそ、シャワー付きの蛇口が使いやすい。それでも水を飛ばす危険はゼロではないので、中央のマットを取り外した状態で使うほうがよさそう。

 

長さ260cmの下段ベッド/ダイレクトカーズ「リトリート」

アメリカン・バンライフをイメージして大ヒット中の車中泊カー「リトリート」のワイドミドル。ベース車両はハイエース。

後部は2列めシートまでなので、ベッド展開はいたってシンプル。ベッドスペースは全長260cmで、標準装備の2段ベッドは全長140cm。

開発中のリアゲートテント。リアゲートにスナップボタンを埋めこみ、このスナップボタンでテントを取り付けているが、どんな方式になるかはお楽しみ。

 

キャプテンスタッグ、ロゴスのキャンプ用品もチェック!

会場内にはテントややチェアを並べたキャンプエリア兼休憩所があり、各メーカーのキャンプ用品が展示されていた。そのなかから今回は、キャプテンスタッグ&ロゴスのギアを紹介しよう。

ビッグサイズのリビングが付いた2ルーム/キャプテンスタッグ

2ルームテントは設営が大変なイメージがあるけれど、キャプテンスタッグは2組のクロスポールとひさしを作るポールというわかりやすい構造の「モンテ スクリーンツールームドームテント(5〜6人用)」(8万円)でビギナーキャンパーを応援。

ハンモックチェアや焚き火台とともに、リラックスして過ごすヒントが盛りだくさん。

「モンテ スクリーンツールームドームテント(5〜6人用)」は幅280cm、奥行き620cm、高さ190cm。インナーテントが奥行き270cm、リビングは奥行き280cmとほぼ同サイズになっている。

リビング部分からインナーテント部分までぐるりとスカートが取り付けられているので冷気が入りづらい仕様。それでいて16kgと比較的扱いやすい重量に抑えられている。

前室部分は大型メッシュパネルで通気性良好だ。パッと広げるだけでいい「CSクラシックス FDリビングテーブル<110>」(2万1000円)と「CSクラシックス FDリビングベンチ<110>」(1万1000円)がぴったり収まる。

焼き網を載せたまま炭の追加ができる「ヘキサ ステンレス カマドグリル」(1万2000円)を囲むように木製テーブル「CSクラシックス Fire&Grillテーブルセット<6P>」(2万6000円)を置けば、食器や食材の置き場を確保できるので落ち着いてバーベキュー時間を過ごせるというわけ。

ちなみに、「モンテ ロースタイル ソロベンチ(カーキ)」(1万円)なら「CSクラシックス Fire&Grillテーブルセット<6P>」の周りに6脚ほど置ける。

「スチールポールチェアモック用スタンド2(ブラック)」(1万3000円)があれば、木がないところでもチェアモックを吊るしてゆらゆら過ごせる。耐荷重80kgで余裕だが、ブランコではないので揺らしてはダメ。

「ホーロー プレート22cm」(2500円)のようにぽってりしたデザインとツヤ感が美しいホーロー製や、「TAKE-WARE ボールφ19cm」(3000円)のようなナチュラルな質感の竹製のテーブルウェアをそろえばぬくもりを感じてリラックス度アップ。

テント前室では「アンティーク暖色LEDランタン(スノーホワイト)」(4000円)のようにバッテリーランタンを使うのがお約束だということも忘れずに。

【問】キャプテンスタッグ 

 

雨の日でもゆとりたっぷりの3ルーム/ロゴス

夏はテント+タープ、秋〜春は2ルームテントと使い分けるキャンパーが多い。これで十分だけれど、雨の日はタープや張り出したパネルの傾斜をきつくして雨を排出する。つまり、その分、リビングが手狭になるのだ。

ロゴスは独自のPANEL SYSTEMで雨がたまらないパネルを考案しており、PANEL SYSTEM部分を通気性の高いメッシュルームとする“3ルームテント”をプッシュ。

「neos 3ルームドゥーブル XL-BJ」(8万8000円・税抜)で幅300cm、奥行き622cm、高さ205cm!

一番右の屋根が2本のポールでアーチを描かせたPANEL SYSTEM部分。ここに小さな虫も入らない細かなメッシュを用いたデビルブロックルームをトグルで付けて、2ルームテント(奥行き520cm)+1ルームを実現しているというわけ。

フロア面積だけで比較すると拡張したのは102cmだが、屋根部分で見るとリビング部分がほぼ倍になっていることがわかる。

ちなみに、PANEL SYSTEMに付属の連結用ジョイント(吸盤)を取り付ければ、簡単に車と接続できる。

インナーテントから外を眺めると、その広さに感激。インナーテントはフックで吊り下げるだけなので、インナーテントを取り外せばビッグなシェルターになる。

「LOGOS Life キャリーオンテーブルセット4(ヴィンテージ)」(2万4900円・税抜)のテーブルと、「LOGOS LIFE コンパクトバケットチェア(ブラウン)」(5400円・税抜)を入れるといい感じ。

「LOGOS Life キャリーオンテーブルセット4(ヴィンテージ)」のベンチでもいいけれど、セットのベンチは焚き火のそばへ。かわりに「LOGOS LIFE コンパクトバケットチェア(ブラウン)」のほうが軽く、位置をを調整しやすいのでリビングに。

ちなみに「パワーストックランタン2300 フルコンプリート」(2万5400円・税抜)は、明るい上にスマホやタブレットの充電もできるすぐれもの。

奥の「Bamboo ゆらめき・コテージランタン」(1万2700円・税抜)はゆらめきモードを搭載しているので、キャンドルのようにゆれる光で演出する。テント内はもちろん、キャンピングカーの中でも安全に雰囲気のいい光を満たせる。

ひときわ目を引いていたのが、じつは焚き火台「LOGOS the ピラミッドTAKIBI L」(9700円・税抜)を囲む「アイアン囲炉裏テーブル」(1万7000円・税抜)と「アイアン2WAYトライポッド」(7900円・税抜)、そして「SLダッチオーブン9inch・ディープ(バッグ付き)」(7700円・税抜)、薪を湿気から守りつつ補完する「LOGOS薪ラックテーブル)(6200円・税抜)の焚き火システム。精悍な雰囲気で“野”の雰囲気を味わえることが人気の理由。

【問】ロゴスコーポレーション 

写真・文:大森弘惠