ダイハツの軽自動車「タフト」の試乗インプレッション。装備類、走行性、ラゲッジ展開、シートアレンジなどを、車中泊専門誌『カーネル』編集部が解説。タフトの性能や魅力を、車中泊やアウトドアでの使用を踏まえつつ紹介。

もっと出かけたくなる「バックパック・スタイル」

全体的なボディフォルムから細かなディティールまで、「四角」をコンセプトにデザインされていることがよくわかる。

もはやひとくくりにするのは無理だろう。そう思わせるほどさまざまなカテゴリーが登場している「軽」のなかでも、今回紹介するダイハツ・タフトは特にいま注目度が高いクロスオーバーというジャンル。

タウンユースはもちろん、多くの荷物が積めて、ちょっとした悪路なら気にしない。そんな使い方は車中泊愛好家の多くが望んでいるだろう。

いうまでもなく、このジャンルをけん引したのはスズキのハスラー。車中泊目線で見ても、どちらを選ぶか迷うんじゃないだろうか?

そこで今回は、タフトの魅力と性能を、アウトドアや車中泊での使用を踏まえつつ、紹介していこう。

特徴的なのが意外に腰高に見えるバンパーまわり。

そもそもタフトの開発コンセプトは“バックパック・スタイル”。つまり、アウトドアでの使用を考えてつくられているので、使い勝手が悪いわけがないのだ。軽ならではの軽快さと、高い積載量を誇るラゲッジスペース、そして走破性という3点を、バランスよく融合させている。

実際にシートに座ってまず驚いたのがスカイフィールトップの開放感と気持ちよさ! これが標準装備というからうれしいじゃないか。

さらに走り出して感じる運転のしやすさ。NA(ノンターボ)、ターボともに、街中での走りに問題はない。長距離のクルマ旅や高速道の使用を考えると、DCVTが気持ちいいターボをファーストチョイスにしてもいいだろう。

チェック! 装備類

スカイフィールトップは開閉できるシェード付き。外がまぶしいときや目隠しにとてもありがたい。

前列シートの上部ルーフに標準装備されたスカイフィールトップ。タフトの代名詞ともいえるだろう。これを標準装備にしたところに、ダイハツの心意気を感じる。窓のように開閉はできないものの、室内が明るくなり視野が大きく広がり、あたかもオープンエアを思わせる雰囲気がある。

ドライバーズシートは左右のウォークスルーをあえて採用せず、センターコンソールで「囲われ感」を出した。インパネ全体にも、ボディフォルム同様に「スクエア」なデザインが踏襲されている。

使い勝手のいい収納スペースやフックなどが車内の至るところに設けられている。センターコンソール、ドリンクホルダーは車中泊をするうえで荷物をスッキリかつコンパクトにまとめるための必須スペース。アッパーボックスは見た目以上に大きく広い。

電源はDCとUSBを装備しているので多くの製品に対応できて安心だ。

チェック! 走行性

新たに採用された軽量かつ高剛性のDNGA新世代プラットフォームによる安定した走行性と、発進時の加速が滑らかで力強いTD-CVTDの組み合わせは、運転していて楽しいと思わせるクルマだ。上り坂の発進も出遅れずにスムーズ。

今回試乗したのはGとGターボの2グレード。写真はNAのGで、エンジンはKF型658cc。

装着するタイヤサイズ165/65R15。190mmの最低地上高と、タイヤの空転を制御するグリップサポートも装備され、ちょっとした悪路の走行は気にならないだろう。

燃費は、2WDのターボモデルでWLTCモードは20.2㎞/ℓと、お財布にやさしい。