「積雲」と「積乱雲」の基礎知識、成長の様子などについて解説。

外遊びはもちろんのこと、登山で注意したいのが雨と雷。とくに登山中の落雷は非常に危険です。そんな天候変化にいち早く気づくにはどうしたらいいのでしょう? 天気の予測に役立つ雲を紹介するシリーズ、第5弾! 

そもそも「積雲」ってどんな雲?

晴れた日の空に、ぽっかりと浮かぶ綿菓子のような雲。「あー、のどかだなぁ」と、ほのぼのしてしまいますよね。この雲の名は「積雲(せきうん)」。別名「わた雲」とも呼ばれています。

積雲は太陽の熱で地面が暖められ、上昇気流が起こることで発生します。青空に浮かぶ積雲は、上空の安定した空気におさえられている状態。通常の陸地では朝にでき始め、昼に大きくなり、夕方に消滅するパターンを繰り返します。

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積雲が成長すると「積乱雲」に。山では危険!

上空に寒気が入って不安定になると、積雲は垂直に成長します。隆起した頭頂部の形が保たれていれば積雲のままですが、頭頂部が崩れて広がるようになると、「積乱雲(せきらんうん)」と呼び名が変わります。

積雲が巨大化した積乱雲の下では、大雨、落雷、突風を伴うので、登山中に出合ったら最も危険な雲、と覚えておきましょう。 

積雲から積乱雲へ 成長の様子を見てみよう!

では実際に、積雲から積乱雲にはどのように変化するのでしょう。成長の様子を写真とともに見てみましょう。

積雲が発生

太陽の熱が地表を暖めて、上昇気流が起きて綿菓子のような積雲が発生。

積雲が大きさが増す

積雲がモクモクと成長。大気が安定していると雲頂はこれ以上発達しません。

さらに発達して、積乱雲へ成長

さらに大きくなるのは上空に寒気がある証拠。雲頂は水平方向に崩れ、積乱雲へと成長します。

積乱雲が巨大化

積乱雲は巨大化して成層圏まで達することも。雲の一部では降水が始まります。

電気を帯び、雷が発生

雲の内部では乱気流が起き、氷の粒子や水粒がぶつかりあって静電気が発生。蓄えられた電気エネルギーが雷となって放電されます。

積雲の変化を欠かさずチェック! 積乱雲を見かけたら避難を!

山で積雲の形が崩れたり、モクモクと成長していたら、天気急変に備えて山小屋などの避難場所を探しましょう。

さらに積乱雲を見たら、即避難を。登山中に積乱雲の中に入ると、ガスに覆われて大粒の雨が降り、雷が上からも横からも襲ってきて非常に危険です。

危険を回避するためにも、積雲の変化にいち早く気づくことが重要です。