【概要】フォルクスワーゲン・ザ・ビートルの車中泊ベッドDIYについてつづるエッセイ〈後編〉。旅する文筆家・堀田貴之さんが執筆。

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なんとか、the rolling beetle「shelter from the storm号」ができあがった。

てな出だしでは、あまりに唐突すぎるか……。

前回に書いたように、ベッドの基礎となるアルミと帆布でパーテーションを作り、その上に「すのこ」を敷く(強度は、予想通り完璧だった)。

前座席と後部座席の隙間は、X脚を二つ作り基礎とした(X脚は、ベッドの基礎以外にも、すのこを天板にしたテーブルの脚にもなるし)。

こうして、二人分のフルフラット寝室ができあがったのだ。

動く別荘と呼ぶにはおこがましい。なんたって、ヘッドクリアランスが低すぎる。バックパッキング的ローリングホームと考えれば、身分相応だ。

さっそく、今夕から出かけることにした。

久しぶりに、笠取山へ行こうか、と。夜のうちに登山道入口へ。で、そこで車中泊。明日は、早朝から歩き出す。

多摩川源流の水源の森として守られてきた原生林をめぐって、山頂へ。下山途中には、多摩川はじめのひと雫「水干」の水で、深煎りのハンドドリップ・コーヒーを淹れよう。

ビールとワインを主食としている僕だが、実は、山の湧水も大の好物なのだ。

山の水こそ、日本が世界に誇れるものだと信じている。ま、この話をすると一晩か二晩かかるから、いつかの機会に。
(そうか。明日の笠取山と水干旅の話にからめて「日本の水話」を、ここに書いてもいいな)

さっそく出かける準備だ。

もっとも、車内より外で寝るほうが好きなので、タープやハンモックなどはいつも積んでいる。

あとは日帰りトレッキングの装備と、ドリップコーヒーとサンドウィッチの材料。明日の朝ごはん。それに、今夜の車中泊を楽しく過ごすための、ワインとチーズ、ウクレレも積んだ。

それはそうと、わがthe rolling beetle「shelter from the storm号」には、二人分の寝室がある。
だれか一緒に行かないか?

ついに完成したザ・ビートル 車中泊ベッド

画像1: ついに完成したザ・ビートル 車中泊ベッド

すのこを4枚。こうしてフルフラットの寝室ができあがった。でも、すのこってのは、なんか色気がないな。すのこに代わるものがないものか……。

画像2: ついに完成したザ・ビートル 車中泊ベッド

X脚の基礎を二つ。これは、すのこを天板にテーブルの脚とすれば、いろんな場面で使える。

画像3: ついに完成したザ・ビートル 車中泊ベッド

クルマの内装とぶつかる部分は、角を落として、サンディング。

画像4: ついに完成したザ・ビートル 車中泊ベッド

二人で過ごす夜には、ブランケットを敷き詰めることにしよう。いつになるかなぁ……。

画像5: ついに完成したザ・ビートル 車中泊ベッド

今夕からの遊び道具を積み込んだ。

現地に到着したら、ビールとワイン、それにチーズやオリーブの実。明日の朝のおにぎりも作った。

山でのランチは、その場で作るサンドイッチと、多摩川源流の水でじっくり落とすドリップコーヒー!

写真、文:堀田貴之 

堀田貴之(ほったたかゆき)プロフィール

画像: 堀田貴之(ほったたかゆき)プロフィール

1956年大阪生まれ。
若きある日(ティーンエイジのころ)、『自由』という甘い香りの言葉を知った。あれから50年近く。旅の途上に、ようやく『自由』を実感する日々があらわれはじめた。
もうしばし、転がりつづけようかな。
本職は、しがない文筆家。

著書に、「バックパッキングのすすめ」(地球丸)、北海道一周シーカヤック旅後悔日誌「海を歩く」(山と渓谷社刊)、やれやれまたやってしまったわいの愚かな旅エッセイ「タルサタイムで歩きたい」(東京書籍)、テレマークスキー旅紀行「テレマークスキー漫遊奇譚~転がる石のように」(スキージャーナル社)、「ホットサンド 54のレシピと物語」(実業之日本社)、 「一人を楽しむ ソロキャンプのすすめ」(技術評論社)など。

アウトドアブランド・テンマクデザインの「ムササビウィング」「マルチホットサンドイッチメーカー」の生みの親。

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