DIYに挑戦&サポートするのは……
(右)ちょもかさん
車中泊やキャンプを楽しみながら、YouTubeやInstagramなどのSNSで情報を発信。自転車にも乗っていて、自転車&キャンプなど、独自の新しい世界観を展開する。
(左)鈴木大地さん
さまざまなバンライフ車両を作ってきたクルマ作りのプロフェッショナル。DIYアドバイザーとして、幅広いDIYのワークショップも行っている。株式会社earth代表。
収納力アップのベッドでインテリアの雰囲気激変
▼前回の作業▼
インテリアを作るとき、収納と生活スペースの両方を確保しなければならない。軽自動車の場合、スペースに限りがあるので工夫が必要だ。
イスを設置しても、座ったときのヘッドクリアランスがなければ、圧迫感が出てしまう。そこで、インテリアのサイズ感が重要になる。
今回のちょもかさんも、ジャッキを使って1cmごとに高さを体験しながら、ベストポジションを探し出した。テーブルはイスの高さに合わせて、作業しやすい位置に調整した。
イスはベッド兼用として、大きなベッドを作ることになった。普段乗りではひとりが多いというちょもかさん。リアシート使用時はベッドをクルマから降ろすという発想で、ベッドを分割せずに一体型とした。
ベッド下はすべて収納スペースとして利用する。どの位置に荷物取り出し用の開口部を作るかを悩みつつも、すっきりと見せたいということもあり、荷室へのアプローチは上開きのフタのみとした。
家具に使った材料はプラ合板と呼ばれる化粧板。ツヤのある白い表面が特徴で、インテリア全体を明るくしてくれる。
鈴木さんが仕事で作っているキャンピングカーにも使っている素材で、プロフェッショナルならではの仕上がりが目を引く。
リアの荷室半分に大きなベッドを置いてみたが、明るい家具のおかげで室内に開放感がある。しかも、あんなにあったちょもかさんの荷物が、きれいに収納できているのが驚き。
最初、工房に現れたときと比べて、大幅に荷物が減っているような感覚がある。とりあえず、これで次の長旅の準備は整ったのだ。
車中泊ベッド&イス製作手順
「たくさんの荷物を載せたい」「ひとりでの移動がほとんど」「イスとテーブルがほしい」という要望は大きなベッド兼イスで解決。
荷室の床面の半分を覆う約170╳60cmのボックスを作る。直角に固定するのが意外と難しい。
高さは座り心地と収納性を考慮して27cmに設定。ビスの頭が見えないように、キャップも取り付けている。
床のタイヤハウス部分に少しだけ出っ張りがあるので、ボックスの下部に切り欠きを入れた。
鈴木さんの職人技でピタリと収まり、走行中にベッドが動き出すこともなさそうだ。
ベッドのフタを開けるために手を掛ける場所を作らなければならない。
そこで、ルーターを使って家具の一部にくぼみを作ることになった。シンプルな造作が美しい。
大きな収納スペースを見て笑みがこぼれるちょもかさん。これだけあれば十分と荷室部分を確認していた。
100円均一の滑り止めをフタ開閉用のクッションに利用して、開閉音を軽減した。
たくさんの荷物を詰め込んでも、まだスペースに余裕がある。
これだけの荷物を収納しているのに、しっかりと就寝スペースを確保しているのが1番のポイントだろう。
こだわりを詰め込んだ特別な空間が完成!
文:渡辺圭史
写真:中里慎一郎
初出:カーネル2024年7月号vol.67