【概要】車中泊キャンパー・ちょもかさんの愛車をDIYでリニューアルする連載企画。DIYアドバイザーは鈴木大地さん。⑤-1では車内のテーブル製作を紹介。
DIYに挑戦&サポートするのは……
(右)ちょもかさん
車中泊やキャンプを楽しみながら、YouTubeやInstagramなどのSNSで情報を発信。自転車にも乗っていて、自転車&キャンプなど、独自の新しい世界観を展開する。
(左)鈴木大地さん
さまざまなバンライフ車両を作ってきたクルマ作りのプロフェッショナル。DIYアドバイザーとして、幅広いDIYのワークショップも行っている。株式会社earth代表。
★車中泊DIY講座 ちょもかのハイゼットカーゴ・カスタム大作戦 過去記事
急きょ、車中泊旅に必要な家具を作ることに
▼前回の作業▼
全国各地を忙しく飛び回っているちょもかさんが、2カ月ぶりに鈴木さんの工房へ。クルマの中には車中泊旅に必要なアイテムが満載だ。
インテリアは前回までの作業で終わっていた、取り替え可能な天井とリアサイドの下地が張られた状態。「天井が違うだけで印象が大きく変わった」と大満足の様子。
天井に施工したモルモルは、ひび割れや欠けが生じることなく、漆喰らしいテクスチャーはそのまま。振動による異音も出ていない。
今回は、そのモルモルを室内の両サイドに施工して、壁を仕上げる予定だった。しかし、ちょもかさんが取材後に遠出をするとのことで、急きょ、予定を変更。旅で活躍する家具を最初に作ることになった。
ちょもかさんの希望は「たくさんの収納スペースがほしい!」とのこと。そこで、鈴木さんが収納ベッドを提案した。
車内で動画編集などのパソコン作業もしたいので、テーブルも設置されることになった。
しかし、軽自動車の車内はスペースに限りがあるので、ベッドサイズ、テーブルの設置方法や位置を決めるのは難しい。
ちょもかさんが車内に入ってシミュレーションしながら、ベッドの高さやテーブルの大きさや位置などを決めていった。
車中泊のクルマを作るとき、どのような家具を設置するか? 多くの人が悩むことだろう。そこで、まず最初に、どのようなスタイルで旅をすることになるのかを想定するのが大切だ。
ちょもかさんの場合はたくさんのギアを載せながら、車中泊できる環境が必要だった。
DIY手順
①完成をイメージ
本日の作業は何をするか? まずはちょもかさんがイメージするインテリアをヒアリングしながら、構想を練っていく。
ちょもかさんが事前にそろえておいた小物も鈴木さんに見せてイメージを固める。
②次回作業の準備
リア右側にテーブルを設置するため、金具が取り付けられる下地を準備することになった。12mm厚の構造用合板を使用する。
板の下部を合わせて、ボディの凹凸をフリーハンドで合板の表面にうつしていく。その後、ジグソーでカット。
スチール部分にボンドを塗布し、合板を被せて、鉄板ビスでしっかりと固定する。
テーブルの高さを考えて、窓枠ギリギリの高さに調整。
板を取り付けた場所は、漆喰風のモルモルで加工する予定なので、板の端とボディの隙間をコーキング剤で埋めていく。
少し多めに塗っておいて、最後に指で仕上げて、きれいな表面にしておく。
③テーブルを作る
テーブルの天板には18mm厚のポリ合板を使用。サイズ感はアウトドア用のテーブルがちょうどいいようだ。
テーブル板のカーブのアール出しには、工房にあったワックスの缶を拝借した。
天板のカーブのアール部分は少し大きめにカットし、削りながら丸く加工していく。そのため、面を平滑にするのが難しい。
表面に化粧板があるので、垂直方向で板の角を丸めず、グラインダーと板を直角にあてて、角が立つように加工している。
側面は小口テープで仕上げる。はがれ防止のボンドを塗り、乾かしてからテープを張る。
そして、圧着ローラーで押さえ、専用の小口テープカッターで余分なテープを取り除く。このひと手間が美しい仕上がりに。
テーブルの固定には折りたたみ式棚ブラケットを使用した。天板を引き上げると自動的にロックが掛かって、ロック解除もワンタッチでできる。
狭いスペースでのビス留めが必要で、エクステンションホルダーを使っている。
※車中泊DIY講座⑤-2につづく。
文:渡辺圭史
写真:中里慎一郎
初出:カーネル2024年7月号vol.67