今回の選者/山川浩正(ex.THE BOOM)
元THE BOOMベーシスト。現在ではソロ活動とともに、数々のバンドやミュージシャンのライブサポートをする傍ら、プロデュースやアレンジなども行っている。アウトドア好きとしても有名で、バックカントリースキーや登山、キャンプなど多趣味。イベントやバルなどで、キャンプ飯の腕を振るっている。
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早起きしてゆっくりと食べる。那須高原のキャンプ飯
『島唄』や『風になりたい』などのヒット曲をもつ、日本を代表するロックバンド・THE BOOM(ザ・ブーム)。
1986年に結成され、2014年に惜しまれつつ解散するまで、メンバー交代が一度もなかったという4人組バンドだ。
今回は、そんな元THE BOOMのベーシストである山川浩正さんが、『カーネル』誌面にひさしぶりに登場! キャンプの朝ごはんを紹介してくれた。
「日常では朝ごはんを食べない日も多いのですが、キャンプでは早起きして、朝ごはんをゆっくり食べたくなりますね」
そもそもキャンプ飯に関しては、イベントを主催したり、ゲストに呼ばれるほどの腕前をもつ山川さん。じつは不定期で、都内のお店を任されることもある。
そんな山川さんが選んだキャンプの朝ごはんは、ホットサンドとクリームシチュー。
「秋に行った那須高原のキャンプ場で食べたメニューです。那須高原のキャンプ場は大好きで、毎年行きますね」
最近、山川さんがよくキャンプに行く季節は春と秋。少し肌寒い季節に行くことが多い。そんなときの朝ごはんは、体を温めたいメニューを考えるという。
「本当にベーシックな、シンプルな材料のシチューですよ」
コンビニなどで販売している市販のシチューの素で作る。
「ホットサンドは、前日の残りものを使うことが多いです。このときはローストビーフでした。朝から贅沢な気持ちになれました」
ローストビーフに加えて、ハムやチーズも挟んで焼く。特製ソースは、刻みピクルスにマスタード、マヨネーズを混ぜた自家製だという。
聞くからにおいしそうな山川さんの朝ごはん。キャンプの朝、ホットサンドをほお張る山川さんが目に浮かぶ。
じつは、本誌編集部のオオハシと山川さんの付き合いは10年以上。オオハシが以前に担当していたハイキング雑誌で出会っている。
八ケ岳や北アルプスなど、数多くの山をともに歩き、ともに山頂に立った山仲間……と僭越ながら思っている。
最近では、コロナ禍を挟んだこともあり、なかなか会えない時間が続いている。出会った頃とは、お互いに立場も年齢も変わったが、ぜひとも、また一緒にアウトドア・フィールドでお会いしたい!
そんな山川さんが、いつもテント泊で食べていたのが、フライパンで焼くウインナーだったと記憶している。それをつまみながらワインを飲み、徐々にメインディッシュへとつないでいく。
グループ登山のときは、われわれも「山のフルコース」をご一緒させていただき、そのままテントで眠りにつく、という流れ。
さらには、家族でご一緒させていただいた西湖のキャンプで、アクアパッツァなどの豪華なキャンプ飯をごちそうになったこともあった。あのとき、一緒にアクアパッツァを食べた長男は先日17歳になった。
さて、今回「ごぶさたしています」から始まった企画の依頼。原稿を書いていたら、10年前の記憶がいろいろとよみがえり、なんだか胸がいっぱいになってしまった。
忘れられないのは、初めて一緒に行った八ケ岳・東天狗岳。北アルプスは槍ケ岳、奥穂高岳、北穂高岳。そしてバックカントリーで行った根子岳。まだまだ思い出せばキリがないほど。
ヤマさん、以前は本当にいろいろとご一緒させていただきました。また一緒に山登りやキャンプに行きましょう! そして、うまいキャンプ飯やウインナーを、久しぶりに食べさせてほしいなぁ。
そしてそして、そのときはぜひとも朝ごはんを、よろしくお願いしますね。ここで紹介したローストビーフのホットサンドとホワイトシチューを楽しみにしています。
テント泊も楽しかったけど、車中泊キャンプだって楽しいですよ。アウトドア・フィールドで、またご一緒できる日を願って。
絶品ホットサンド&ほかほかクリームシチュー
キャンプの手作り朝ごはん。前日の余ったローストビーフとともに、ハムとチーズを挟むというホットサンド。シチューは朝から温まりたいときに作るという。材料はいたってシンプル。ホワイトシチューの素に牛乳、ジャガイモ、タマネギ、ニンジン、ブロッコリーなどが入る。
写真:山川浩正
文:大橋保之(カーネル編集部)
(カーネル2024年1月号vol.64より)