以前より車中泊雑誌『カーネル』の撮影でお世話になっているカメラマンの落合明人さん。
アウトドアフィールドをメインにしつつも、多彩なジャンルで活躍するカメラマンで、愛車トヨタ・プロボックスを駆って、日本中で撮影している。
そんな落合さんから、ある相談を受けたのは数カ月前だった。「じつは愛車のDIYを考えていて。ルーフに断熱材を入れたいんですよ」。
そもそも最初は自分で作業するつもりだったが、よくよくショップの人たちと話をしてみると、DIYビギナーにとっては、なかなかの難易度であることがわかった。
であれば、無理をする必要はない。ここはプロに任せよう! ということで、以前より落合さんがお世話になっているGOOD OPEN AIRSmyXにクルマを持ち込み、作業してもらったのが今回の企画。
作業自体は、それほど手間がかかるものではなさそう。しかし、クルマの構造を知っていることと、そして専用の工具なども必要となってくる。
また、ルーフに断熱材を入れるとなれば、内張りを外す必要がある。ならば、その作業に乗じて運転席側のアシストグリップも装着することになった。
さらに「バックドアを内側から開閉できるようにしたい」とのことで、開閉フックを操作するロープもバックドアに装着することとなった。
ここでは、そんな3項目のプチカスタムのポイントと簡単な手順を紹介しよう。
今回プチカスタムを行ったクルマ
トヨタ・プロボックス マイクス仕様
今回、GOOD OPEN AIRS myXにてカスタムをお願いした車種は、トヨタ・プロボックスのマイクス仕様。
オーナーの落合明人さんは、アウトドア系メディアなどで活躍するカメラマン。車中泊を行うこともあるという。今回は自分ではDIYをせずにショップに依頼。
作業してくれたGOOD OPEN AIRS myX
今回、落合さんの愛車を作業してくれたGOOD OPEN AIRS myXの磯野直人さん(右)と森順平さん(左)。
じつは同店舗ではあまり行わない作業もあったとのことだが、さすがはプロ。滞りなく無事に作業は終了した。
①ルーフに断熱材を入れる
日差しと雨音の影響を減らしたい
「長時間運転していると夏は日差しが暑くて……。車中泊していると雨音が気になって」ということで、今回ルーフ部に減音を兼ねた断熱材を入れることにした落合さん。
最初はDIYしようとも考えたが、スタッフふたりの作業を見て「自分でやらなくてよかった」と感じたという。
「内張りを剥がすのが、こんなに大変だとは思わなかったです」とのことで、落合さんの判定は「難易度B」だとか(Aが最も簡単)。DIYビギナーなら、まずはプロに頼んだほうがベターだろう。
作業手順
ルーフの内張りを剥がすために、車内全体の内張り剥がす。シートベルトやライトなどもひとつずつていねいに外していく。
窓枠のゴム製のモールも外す。
外したパーツ類。
ルーフの内張りを外す。
もともと装着されていた断熱材を剥がす。この際、粘着テープの残りも忘れずにとる。
スペースに合わせて一部の断熱材をカットする。
フェリソニ製VIビークル防音材をルーフ内に敷き詰めた状態。美しい仕上がりだ。
今回はハイエース用をプロボックスに使用している。このあと、外した手順とは逆の順番で、再び内張りを装着していく。
②運転席のルーフにアシストグリップを装着
バーを装着してルーフに収納スペースをつくる
カメラマンという職業柄、このプロボックスを機材車としても活用している落合さん。
撮影には機材もたくさん積む必要があるため、ルーフのスペースを使って、レフ板などの平らで長い機材を積めるようにしたかったという。
そのDIYをするにあたって、バーを2本ほど左右に渡して固定したいのだが、なぜか同モデルには運転席側の右側にアシストグリップがない。
運転席側のアシストグリップを装着するためには、ルーフの内張りを外す必要があるので、今回断熱材を入れるときに一緒に作業した。
作業手順
プロボックス用アシストグリップ(トヨタ純正品)と装着する際のビスやスペーサー。
内張りを外した状態のボディ内側に、アシストグリップをあてて、穴をあける位置をマーキングする。位置は助手席側を参考に。
ドリルで穴をあける。細いドリルから始めて、やや太いドリル、太いドリルと3段階で広げていく(写真は細と太のみ)。
穴の中にナットの「受け」を装着する。
仮止めした内張りに穴をあける。
アシストグリップを装着する。
落合さんの作業難易度は「A」。ただし、ルーフの内張りを外す作業はこれに含まず。
③バックドア内の断熱+内側開閉のフック装着
車中泊時の不便さを解消したい
ステーションワゴンや軽バンなどの商用モデルに多いのが、内側からバックドアが開閉できない車種。
プロボックスもその一台で、実際に車中泊した場合など、車内から外に出るのに後部の左右のドアからになる。
そこでバックドアの内側からでも開閉できるギミックがこれ。落合さんが感じた難易度は「C」。これはまさにDIYビギナーでは難しく、プロに任せて正解だったとのこと。
「キャンプなどでも、テントやタープにクルマの後部を直結させることがよくあります。これで行き来が楽になりました」とのこと。