2023年10月に室蘭〜青森のフェリーが運行開始となり、道央圏がより身近になった。道央エリアは、ニセコ、洞爺湖、登別温泉、支笏湖など北海道を代表する見どころが盛りだくさん!
そのなかから、北海道民が何度でも足を運ぶスポット厳選して紹介しよう。
洞爺湖/日本百景に選定。火山が生み出した湖
洞爺湖(とうやこ)はアイヌ語で「トー・ヤ」(湖・岸)を意味する。北海道の屈斜路湖、支笏湖に続き日本で3番目に大きなカルデラ湖。
洞爺湖周辺には、今も火山活動を続ける有珠山、昭和新山、洞爺湖温泉がある。湖には中島があり遊覧船で上陸できる。
カヌーやサイクリング、キャンプ場などのアクティビティ施設、湖畔には58基もの彫刻アートを展示、北海道洞爺湖サミット記念館・洞爺湖ビジターセンター・火山科学館が点在。
また湖畔には、洞爺湖温泉、壮瞥温泉、少し離れた所に北湯沢温泉があり、北海道有数の温泉と観光の名所だ。
仲洞爺キャンプ場
夕焼けが美しい、温泉併設のキャンプ場
洞爺湖畔にあり、湖面に沈む夕日が魅力の林間のキャンプ場。第1、第2、キャンピングカーサイトと分かれており、第2サイトはクルマの乗り入れとペット可。敷地内に源泉掛け流しの温泉が併設。
予約制ではなく先着順で、休日は混雑するほど人気。木漏れ日のなか、洞爺湖の絶景を眺めながらキャンプができる。営業は10月中旬まで。
月の光キャンプ場
湖を見下ろす絶景
要予約、通年営業のキャンプ場。フリーサイト、カーサイト、キャンピングカーサイトと車中泊キャンプにも対応。高台から洞爺湖を見渡せる、特に朝日が美しい。
お湯が出る炊事場やゴミ処理(有料)ができるのがうれしい。
温泉ならココ!
楽しみ方いろいろ! 湖畔の温泉
洞爺湖温泉には、リゾート温泉ホテル、一軒宿の温泉、気軽に行ける日帰り温泉が多数あり、自分好みの温泉を探すのもいいかも。筆者が実際に何度も足を運ぶ、おすすめを紹介!
来夢人(きむんど)の家
仲洞爺キャンプ場に併設の温泉。露天風呂などはないが、源泉掛け流しのお湯は滑らかでよく温まると評判。
洞爺湖万世閣ホテルレイクサイドテラス
洞爺湖を一望する大浴場が魅力。シャンプーバーなどアメニティが充実。1階のカフェには、ミニ図書館と電源付きのワークスペースがある。
〈チェック!〉 洞爺湖ロングラン花火大会
10月末まで20時45分から約20分間、毎夜開催される花火大会。温泉に入りながら眺められる大輪の花火は見逃せない!
洞爺湖グルメ
洞爺湖に行ったら必ず食べたくなる、リピート必至のグルメスポットを紹介。
道の駅あぷた
ウニは旬の時期にしか食べられないが、時期により産地は異なるものの一年中、1折りのウニ丼が、2500円とリーズナブルな価格で楽しめる。
レークヒル・ファーム
牧場が運営し、新鮮な牛乳と地元の旬の素材を使った絶品ジェラートが味わえる。広大な牧草ガーデンからは、羊蹄山と北海道らしい景色が広がる。
わかさいも本舗
「わかさいも」は北海道を代表する銘菓で洞爺湖土産の定番。わかさいもを天ぷらにした「いもてん」を揚げたてで味わえるのは、洞爺湖本店だけ!
洞爺湖有珠山ジオパーク/変化する大地、火山と共存する
ジオパークとは「生きている地球と生命とのつながりを楽しく学べる貴重な場所」という意味。
約11万年前の噴火により誕生した洞爺湖。その周辺にある有珠山は、20〜30年ごとに噴火を繰り返し、現在でも火山活動を続けている。
2000年の噴火では、噴火の可能性が事前に周知され住民1万5815人が避難、噴火による犠牲者が出なかった。
火山を繰り返し、大地が変化したことによる恵みを受けていた土地でもある。火山を知り、災害に備え準備、それを後世に伝えていき、火山と共存していく姿勢が、ユネスコに評価された。
有珠山ロープウェイ
有珠山の火口を間近に体感する
昭和新山山麓駅から、有珠山山頂駅までを結ぶロープウェイで6分間の空中散歩が楽しめる。
山頂駅の有珠山テラスからは、洞爺湖と昭和新山を、天気がよければ羊蹄山を見渡せる大パノラマが広がる。火口原展望台まで遊歩道があり、迫力ある噴火口が見学できる。
金比羅火口災害遺構散策路
2000年噴火の教訓をいまに伝える
2000年の有珠山噴火を後世に伝えるために、被災した施設を保存、整備した散策路。
熱泥流が発生し、麓の町に大きな被害をもたらした2000年噴火災害遺構をめぐることができる。
近くの洞爺湖ビジターセンター・火山科学館では、当時の様子を学ぶことができる
昭和新山
麦畑が2年で山に
1943(昭和18)年からの火山活動によってできた山。もとは麦畑だったが隆起を繰り返し、2年ほどで398mの高さに。
現在も活動を続けており、赤茶色のゴツゴツした山肌と噴き上がる噴煙は圧巻。私有地の火山で入山は禁止。
西山山麓火口散策路
国道に出現した火口群
2000年の有珠山噴火によりできた北西山麓火口群跡をめぐる散策路。国道230号を横切るように火山口が出現。いまでも当時の道路標識が残されている。
避難路だった下りの町道は、隆起により上り坂に。被災した工場や幼稚園、地熱地帯や断層を間近で見られる。
執筆者プロフィール
まるなな
2017年に中古で購入した軽キャンピングカー・テントむしで登山、キャンプ、車中泊旅を楽しむ北海道在住の軽キャン女子。学校が休みのときは、祖父母がいる室蘭で過ごしていた。現在は、北海道を飛び出し日本各地に出没中。
写真・文:まるなな
写真提供:北海道観光振興機構、ニセコリゾート観光協会、国立公園支笏湖運営協議会
初出:カーネル2023年11月号vol.63