バンキャンプジャパン主催のイベントが開催された。今回は“とことん手抜きキャンプ”ということで、これまでとはちょっと違った雰囲気。
しかも、開催日が平日だったので、少しこぢんまりとしたイベントになったが、集まったメンバーは濃い人ばかり。なぜか大盛り上がりのバンキャンプイベントになった。
イベントコンセプトの「とことん手抜き」というとおり、食事はカップ麺という縛りを設定。みんなで、おすすめのカップ麺を持ち寄って、食べるという内容。
なぜカップ麺?と思うかもしれないが、食事にかかる時間をなるべく少なくして、残った時間をみんなで楽しもう!という目的が裏にあったのだ。
バンキャンプはセッティングもほとんどない。クルマを止めて、バンのゲートを開ければ、テントとタープを張ったも同然。すぐにフリーな時間へ突入する。
そんな時間を持て余している参加者のために、ワークショップも開催されていた。
今回は食事の時間も短縮できたことで、バンキャンプのメリットが最大限に引き出されていた。
準備に疲れてしまったり、作業に追われることもない。仲間と集まり、楽しい時間を一緒に過ごす。
そんなシンプルなことが、ストレスフリーで実践できるのは、バンキャンプだからこそといえるのではないだろうか。
この手軽さがバンキャンプの魅力でもある。キャンプ、車中泊の準備に意気込むことなく、普段からクルマと共存したライフスタイルを送ることで、気持ちにも余裕が生まれてくる。
そして、自然のなかへ出かけることも、身近に感じてくるのだ。
イベント:VANCAMPER(S)MEETING vol.01
開催日:2023年6月29日(木)~30日(金)
会場:リトリートフィールドMahora稲穂山(埼玉県秩父郡)
会場となったのはリトリートフィールドMahora稲穂山。埼玉県秩父にある山全体が施設になっていて、展望台、美術館、体験工房、ドッグランなどに加えて、会場となったキャンプエリアがある。森の散策もできるので、自然を体験するには最適。
バンキャンプの達人たちのこだわりスタイルをチェック!
gakuto_yamavanlife77さん/バネットVX
海外から帰国後、バンライフ的な生活をしてみたくなり、免許を取得してクルマを購入。そして、自身でクルマ作りをスタートしたという、驚くべき行動力の持ち主。
バネットVXというモデルをカスタマイズ。免許を取得する前、免許の合宿中にこのクルマを見つけて購入している。もちろん初めてのクルマでもある。
天井に布を張っているのが印象的。断熱材をカバーするように取り付けられ、木材の棒で全体を支えている。クルマの雰囲気作りにも欠かせない存在だ。
フリーマーケットで買ったアイテムが車内にさりげなく置かれている。スーツケースの中には、読書好きということで、たくさんの本が詰め込まれていた。
スライドドア上部には木材が張ってあり、天井へとつながっている。この壁に飾っているのは、ストーリーを感じる家族や友達とのポラロイド写真。
shinsai_shaさん/ミニキャンパープチ
震災を機にキャンピングカーへ乗り換えたshinsai_shaさん。以前はデリカスターワゴンに乗ってアウトドアを楽しんでいたという。
クルマはキャンピングカー広島のミニキャンパープチ。家族4人とペットがいざというときに逃げ込めるサイズを考えて、このクルマをセレクト。
ルーフがポップアップするので、車内で立ち上がれる広さを確保。ルーフ部分にフロアマットを敷き詰めてベッドにすることもできる。
夏の暑さ対策にクーラーを搭載している。使うときは本体の位置を移動して、吸排気のダクトを窓から出せるようにセッティングする。
リアゲートを開けるとベンチシートがあり、その側面にアウトドアグッズが収納されている。アウトドアでよく使うアイテムを並べている。
reemac624さん/ボンゴブローニィ
夫婦で仕事が忙しかったこともあり、改めて、日本をもっと知りたいと思ったのがきっかけで、このクルマを作り始めたという。
ボンゴブローニイを探して、ようやく見つけた一台。日産・フィガロと同じカラーリングで全塗装を行った。この鮮やかなエクステリアの雰囲気がお気に入り。
リアのシートは座イスタイプのベンチを載せているだけ。高さを補うために、木材でボックスを作った。座面が前方に伸びるようになっていて、ベッドになる。
ほとんどのアイテムがDIYされ、オリジナルロゴマークを付けている。ひとつのアイテムにいろいろな機能性をもたせるのがこだわりだ。
収納は天井の棚にファブリック のケースを並べている。統一感があり、やわらかい車内の雰囲気を構成する重要なアイテムのひとつ。
ワークショップも開催!
会場ではワークショップも開催されていた。
お風呂の番頭のような演出をしているのは、廃材などの「残り物」を使ったモノづくりユニットのこりモン(@nokorimonn)。
タイダイ染めも行われた。
本気で遊ぶ!
本気で楽しむことがモットーのメンバーたち。昼間は水鉄砲を持って、サバイバルゲーム。
夜はスーパーファミコンでおじさんたちが少年だったころのゲームを楽しんだ。
最後は焚き火で一日を終えた。
写真、文:渡辺圭史
初出:カーネル2023年9月号vol.62