【概要】パワーアークのポータブル冷蔵庫「ICEBERG 45L」をベテランアウトドアライターがレビュー。クーラーボックスとの比較や使用感、便利な機能などの紹介。

インテリアになじむデザインと長期保証で評価の高いポータブル電源でおなじみのパワーアークより、この夏、合計47.7Lの大容量ポータブル冷蔵庫「ICEBERG 45L」(5万9400円)が登場した。

クーラーボックスと同じで、ポータブル冷蔵庫は大きいほど便利だけれど、クルマへの積載も持ち運びにも不便になる。そのため25〜30Lのモデルが多いのだが、果たして「ICEBERG 45L」は?

画像: 検証場所はキャンプ場・PICAさがみ湖。真夏はさすがに蒸し暑いが、場内に日帰り温泉施設を有しており、さっぱり汗を流してから就寝できる。

検証場所はキャンプ場・PICAさがみ湖。真夏はさすがに蒸し暑いが、場内に日帰り温泉施設を有しており、さっぱり汗を流してから就寝できる。

最高気温37℃を記録した真夏のキャンプ場でその実力を確認してきた。

画像: ハンドルは伸縮可能。ちょい移動ならそのままで、長距離移動は伸ばした方が楽。

ハンドルは伸縮可能。ちょい移動ならそのままで、長距離移動は伸ばした方が楽。

「ICEBERG 45L」の外寸は71.1×46×H50.6cm、重量18.4kg。

容量25〜30Lのポータブル冷蔵庫を見慣れているので、その大きさに圧倒される。正直デカい。

庫内は2室に分かれていて合計47.7L。

ファミリーキャンプの定番クーラー・コールマン「54QT スチールベルト クーラー」(以下、スチールベルト)が容量約51L。

「ICEBERG 45L」という名前だが、「スチールベルト」に極めて近い容量といえる。

そこでイメージしやすいよう「スチールベルト」とサイズ感を比べてみよう。

「スチールベルト」の外寸は62×42×H41cm。「ICEBERG45L」のほうが幅と高さが10cmほど長いくらいで、迫力はあるがミニバンへの積み込みは現実的だ。

画像2: ポータブル冷蔵庫がキャンプの“欲しいものリスト”入り!アウトドアライターがときめいた「ICEBERG 45L」

もっとも重量は桁違い。「スチールベルト」が7.5kgなので、食品を入れなくても「ICEBERG 45L」は10kgほど重いのだ。

グリップは両側にあるので、食品が入っていない状態ならひとりでも持ち上げられるが、食品入りならふたりがかりでないと厳しい。

車内に「ICEBERG 45L」を入れてから買い出しをするという使い方がベストだ。

画像3: ポータブル冷蔵庫がキャンプの“欲しいものリスト”入り!アウトドアライターがときめいた「ICEBERG 45L」

帰りはその反対。庫内の食材を全部取り出してから、クルマの荷室からおろすことになる。

いちいち細かな食材を取り出すのは面倒だが、「ICEBERG 45L」には溶けた水に触れず、衛生的に食品を保管するためのバスケットが内臓されている。

軽いものであればバスケットごとまとめて持ち出せるのはなかなか便利だ。

画像4: ポータブル冷蔵庫がキャンプの“欲しいものリスト”入り!アウトドアライターがときめいた「ICEBERG 45L」

一般的なクーラーボックスよりはるかに重いが、今年発売の同クラスのライバルのなかには20kgを超えるものすらある。

それに太めの大径ホイール付きなので軽々とまではいえないが、キャンプ場やガレージでの平行移動はそれほど苦にならない。

小さな段差なら、がっしりしたハンドルを持って少し勢いをつけると越えられる。重量級のクーラーボックスを持ったまま、つまずく危険がないのはうれしい。

大小ふたつの部屋があり、それぞれ温度を変えられる

画像1: 大小ふたつの部屋があり、それぞれ温度を変えられる

「ICEBERG 45L」の特徴は、大小ふたつの部屋に分かれていて、それぞれを細かく温度設定できること。

メイン(写真左側)は26.5×30.5×H41.7cmで、2Lのペットボトルを立てて収納しても余裕がある。

対する小さい部屋(写真右)は19.8×30.5×H24cm。下部にコンプレッサーやホイールなどを搭載しているので浅い。

ただし浅いといっても、500mLのペットボトルや500mL缶を立てて収納できるほどの深さはある。

画像2: 大小ふたつの部屋があり、それぞれ温度を変えられる

ふたつの部屋はそれぞれを1℃単位で設定できる。

飲み物や野菜なら3〜10℃、肉や魚なら−3〜3℃、冷凍食品や氷の保管なら−20〜−15℃といった具合。

もちろん両方同じ温度設定にしてもよく、グループキャンプなら冷蔵のみ、帰りに冷凍肉とアイスをおみやげにするなら冷凍のみにするといった使い方だってできるのだ。

画像3: 大小ふたつの部屋があり、それぞれ温度を変えられる

設定はタッチパネルで。

電源ボタンをタッチして本体全体をオン/オフ。

歯車マークの「設定」ボタンと「+」ボタンを3秒長押しすれば左庫内だけ、「設定」ボタンと「−」ボタンを3秒長押しすると、右庫内だけオン/オフ設定ができるなど芸が細かい。

温度設定は「+」または「−」ボタンを一度押して、設定したい部屋の数字が点滅しているのを確認し、「+」「−」ボタンで温度を決める。

目当ての温度になったらなにもせずそのままにしておくだけで、3秒後に液晶表示が庫内温度に切り替わって設定終了だ。

画像4: 大小ふたつの部屋があり、それぞれ温度を変えられる

なお、いくら最低温度の-20℃に設定しても、炎天下に放置しているとなかなか庫内は冷えない。クーラーボックス同様、風通しのよい日陰に置くのは鉄則だ。

また、あらかじめ自宅のコンセントで十分庫内を冷やしてから出発するのがベストだが、出発前に冷やす時間がないときは氷を入れて一気に庫内の温度を下げるのも手。

画像5: 大小ふたつの部屋があり、それぞれ温度を変えられる

付属のケーブルは、写真右よりACケーブル(1.5m)、シガーケーブル(3.5m)、専用ACアダプターでここまでが付属品。一番左は別売の専用バッテリー(1万9800円)。

画像6: 大小ふたつの部屋があり、それぞれ温度を変えられる

「ICEBERG 45L」のホイール側下部にはACアダプターとシガーケーブル/ソーラーパネルの接続口があり、その上に黒いカバーが付いている。

ここに別売の専用バッテリーを取り付ければコードレスで利用OK。

12時間もの間使えるので、ポータブル電源を用意しなくても走行中はシガーソケット、キャンプ場ではコードレスで稼働させられるのだ。

通常、キャンプサイトのAC電源を利用するときはコードが雨に濡れないよう対策が必要だし、設置場所の自由度が減る。

その点、コードレスならレイアウトは自由自在。コードに脚を引っかける心配もない。

この便利さが受けたのだろう、別売専用バッテリーは現在完売中。9月より順次出荷されるまで待たなくてはならない人気ぶりだ。

あれば便利な機能はほかにもある

画像1: あれば便利な機能はほかにもある

庫内の底には水抜き穴があり、ひっくり返すことなく溜まった水を取り除ける。大型のポータブル冷蔵庫にはマストアイテムだ。

画像2: あれば便利な機能はほかにもある

テーブルにもなるフタは部屋ごとに開閉できるので、温度上昇を抑えるのに効果的。

またフタは丸ごと取り外し、開ける向きを自分で決められる。

「ICEBERG 45L」のクルマへの積載位置、自宅での置き場所はおのずと定位置が決まるので、それに合わせて設定できるのは都合がいい。

画像3: あれば便利な機能はほかにもある

右部屋側には栓抜きが。出っ張り過ぎておらず、邪魔にならない絶妙サイズ。

画像4: あれば便利な機能はほかにもある

左右の部屋にはそれぞれ庫内を照らすLEDが備わっていて、暗い場所で重宝する。

40Lオーバーの大型ポータブル冷蔵庫は扱いづらそうに思え、当初は「あったら便利だけど、なければないで普通のクーラーボックスを使えばいい」と思っていた。

ところが、炎天下でも氷が溶けず、むしろアイスクリームを保存して午後2時にクールダウンするという経験を踏めば、一転「欲しいものリスト」の上位に加わった。それほどのインパクトを持っている。

問題は大きさと重さだが、「ICEBERG45L」はかなり軽く、コンパクトにまとめられている。

電気を使わないクーラーボックスよりも重く、場所をとるのは事実だが、「ICEBERG 45L」は氷や保冷材不要でその分、庫内を有効利用できる。

「ICEBERG 45L」なら実質一回り大きなクーラーボックスと同程度の食品を保管できるわけで、サブのクーラーを用意する必要はない。そう考えれば決して大きすぎるわけでもないのだ。

ガレージで冷蔵庫替わりにする、ワインセラーとして使うなんてこともできるし、別売バッテリーがあれば防災アイテムとしても効果的。グルメなキャンパーはそろそろ手にしてもいいかも。

ICEBERG 45L スペック

消費電力:MAXモード50W、ECOモード40W
冷却方式:コンプレッサー式
USB-Aポート出力:5V/1A
アダプター入力:AC100-240V/2A(50/60Hz)
アダプター出力:14.5V/6A(電力87W)
【問】パワーアーク

写真、文:大森弘恵 

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