【概要】車中泊専門誌『カーネル』のUSAブランチによるアメリカ大陸横断ロードトリップレポート。カリフォルニアからフロリダまで、車中泊仕様にカスタムしたマツダ・MPVで旅をする。

アメリカ中南部の中心地“ローンスター・ステート”

アメリカ大陸とひと口にいっても、カリフォルニアから最短ルートでフロリダに向かうと合計で8つの州を通過することになる。

画像: ステートボーダーを越えるると、新しく入った州のウエルカムサインが現れる。州ごとの特徴が表れていて、複数のバージョンがある。

ステートボーダーを越えるると、新しく入った州のウエルカムサインが現れる。州ごとの特徴が表れていて、複数のバージョンがある。

ちなみにアリゾナ州の東側はニューメキシコ州で、今回のトリップの往路ではニューメキシコ州内ではガスストップしかしなかったため、160マイル強を約2時間半で通過。

ただしアリゾナ州からニューメキシコ州に入ると、山や砂漠といった自然の表情も変わるのが興味深い。

画像: フリーウェイだけではローカル感を味わえないので、時には下道に。牧歌的な雰囲気が心地よい。

フリーウェイだけではローカル感を味わえないので、時には下道に。牧歌的な雰囲気が心地よい。

またI-10はアメリカ大陸を東西に横断するフリーウェイのなかでも、最も南に位置する主要幹線道路。

画像: 国境ギリギリを走るフリーウェイから、国境の壁の先にメキシコの街が見える。島国ニッポンでは絶対に見ることのない景色と、味わうことのない感覚だ。

国境ギリギリを走るフリーウェイから、国境の壁の先にメキシコの街が見える。島国ニッポンでは絶対に見ることのない景色と、味わうことのない感覚だ。

そのためメキシコ国境ギリギリに近づく場所もあり、走行中にクルマの中からメキシコの景色が見える場所もある。

ちょうどニューメキシコ州からテキサス州に入った大きな街がエルパソだが、この周辺は特にメキシコとのボーダーラインが近く、場所によっては携帯電話がメキシコの通信会社につながってしまうほどだ。

画像: 一般道でも、なんと速度制限が70MPH(112km/h)の場所も!

一般道でも、なんと速度制限が70MPH(112km/h)の場所も!

さて州内の西の端エルパソからテキサス州に突入するわけだが、アメリカ50州のなかで2番目の面積をもつテキサスは、とにかくデカい。

画像: ワインディングでも制限速度は高めだが、カーブの手前では適切な速度が表示される。

ワインディングでも制限速度は高めだが、カーブの手前では適切な速度が表示される。

まっすぐフリーウェイを通過するだけでも東西に約900マイルもあり、走り切るだけでも2〜3日はかかる印象だ。

ちょうど東名高速道路を走っていて「まだ静岡県?」という感覚が、強烈に長くなった感じと考えればいいだろう。

画像: アメリカ中部最大の州・テキサスは大きな都会もある。特に州都のあるオースティンは、アメリカ人が最も住みたい街No.1に選ばれるほど整備された美しい街並みが魅力。

アメリカ中部最大の州・テキサスは大きな都会もある。特に州都のあるオースティンは、アメリカ人が最も住みたい街No.1に選ばれるほど整備された美しい街並みが魅力。

そんな大きな面積をもつテキサス州は人口やGDPも全50州のなかではトップクラスで、ここに暮らす人たちはとにかくテキサスを愛しているのが伝わってくる。

画像: テキサスはローンスター・ステートと呼ばれ、星のマークが州のアイコンで、街中の至る所で★マークを見かける。

テキサスはローンスター・ステートと呼ばれ、星のマークが州のアイコンで、街中の至る所で★マークを見かける。

有名な場所では、ダラス、ヒューストン、オースティンと大都市が挙げられるし、数年前にはトヨタ、直近ではテスラがそれぞれカリフォルニアからテキサスに本社を移設。

アップルなどのIT系ビッグテックもテキサスにブランチをつくり始めるなど、経済活動も盛んな場所だ。

画像: ウェスタンムービーに出てきそうなサロンは田舎町ではよく見かける風景で、一般道を走ると古い街並みを楽しめる。

ウェスタンムービーに出てきそうなサロンは田舎町ではよく見かける風景で、一般道を走ると古い街並みを楽しめる。

さらにアメリカの東西の中心にあるテキサス州内は、前述した活性化する経済の後押しもあり、どことなく独立国家的な雰囲気も醸し出している。

画像: MARFAの爬虫類ミュージアム。博物館はけっこう多い。

MARFAの爬虫類ミュージアム。博物館はけっこう多い。

アメリカ中南部であることからカウボーイのイメージも強く、ブーツ姿やテンガロンハットをかぶった人をたくさん見かけるのも地域性の表れだろう。

画像: オースティンのマウント・ボネルから見下ろすコロラド川沿いの素敵な住宅地。川沿いにヤードが隣接するとても珍しいスタイルだ。

オースティンのマウント・ボネルから見下ろすコロラド川沿いの素敵な住宅地。川沿いにヤードが隣接するとても珍しいスタイルだ。

画像: Prada Marfaはテキサス州マーファにある、州道90号沿いにポツンと建つ有名なアート・インスタレーション。

Prada Marfaはテキサス州マーファにある、州道90号沿いにポツンと建つ有名なアート・インスタレーション。

ガソリンのグレードは3種類、日本のハイオクより品質は高い!

画像: ガソリンのグレードは3種類、日本のハイオクより品質は高い!

USのガソリン事情は普通ガソリンが、レギュラー/プラス/プレミアムと3種類に分けられている。クルマによって指定されていることもあるけど、大半のクルマはレギュラーでOK。

ただし、地域の平均より明らかに価格の安いガソリンブランドもあり、やはりそういうブランドのガスは、ふだんよりちょっとクルマが重く感じたり燃費が悪くなる、というのは実体験として感じるところ。

また豆知識としては、USのレギュラーガスは87オクタンと明記されているけど、じつは一番安い87オクタンのレギュラーガスでさえ、日本の100オクタンと書かれているハイオクより品質が高いとのこと。

だから古いアメ車は日本に持ってくると、ハイオクを入れてもガソリンの質が相対的に粗悪で調子が悪くなってしまう、というカラクリがあったとのことだ(日米レース関係者談)。

自由なスケジューリングがロードトリップの魅力

画像: 自由なスケジューリングがロードトリップの魅力

僕たちのロードトリップは途中の工程を決めずに行動するのが定番。

例えば今回なら、東海岸のアメリカ最南端ポイントに行くという、最終目的地だけ決めておき、1日活動した後に、翌日のルートやデスティネーション、アクティビティを練るという感じで、適当に旅をしているからだ。

もちろん、自分の留守中にも仕事が回るように準備はしているし、宿泊先のホテルではチェックイン後もひたすらPCに向かい、時には深夜2時くらいまで仕事をすることもある。

クルマは快適に車中泊ができる状態にはなっているものの、今回の旅のスタイルは毎晩ホテルに宿泊することにしたので、移動中にネットで条件のいい宿泊先を見つけるというのが、パートナーの日課となっている。ツボを押さえた検索能力が非常に高い、彼女に感謝!!

ロードトリップにMusicは欠かせない! USAブランチ・おすすめBGM

画像1: ロードトリップにMusicは欠かせない! USAブランチ・おすすめBGM

No Music, No Lifeを地で行く僕たちとしては、ロードトリップにもシチュエーションに合わせたご機嫌なナンバーを持っていく。

iPhoneには常に5000曲以上の音楽を入れて持ち歩いているが、アメリカン・ロードトリップに合うアップテンポな15曲をピックアップしてみた。

•Another Day of Sun / La La Land Cast
•Bam Bam (feat. Ed Sheeran) / Camila Cabello
•Saturday Night’s Alright / Taron Egerton
•Burning Love / Elvis Presley
•About Damn Time / Lizzo
•Ventura Highway / America
•Nothing Lasts Forever / Maroon 5
•A Man Without Love / Engelbert Humperdinck
•Real Gone / Sheryl Crow
•Shake It Up Tonight / Cheryl Lynn
•Wild Wild West / Will Smith
•Draw The Line / Aerosmith
•Faith (feat. Ariana Grande) / Stevie Wonder
•Peaches / Justin Bieber
•Stay With Me / Calvin Harris

画像2: ロードトリップにMusicは欠かせない! USAブランチ・おすすめBGM

今回のレポートでは全行程の約1/4をレポートしたが、次号では目的地であるアメリカ最南端の街フロリダ州キーウエストまでの道のりを紹介したい。

初めて訪れる場所や、想定外のシチュエーションにも遭遇したトリップレポートをお楽しみに!

※記事中で紹介しているルートや場所は、事前に安全を確認し行動しています。慣れない場所でのトリップには、治安面を含めた安全をしっかりご確認のうえ、計画行動することをおすすめします。

写真、文:Yusuke Makino, June 
取材協力:カリフォルニア観光局 
初出:カーネル2023年5月号vol.60 

This article is a sponsored article by
''.