【概要】ogawaのシェルター「ツインクレスタS T/C」をアウトドアライターがレビュー。機能、特徴、使用感など。
画像: 写真は2017年に発売された「ピルツ15 T/C」。 www.store-campal.co.jp

写真は2017年に発売された「ピルツ15 T/C」。

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ogawaといえばドームテント全盛の2009年に、家族で使えるワンポールテント「ピルツ」シリーズを発表。

それまでちらほら高感度キャンパーが取り入れていた海外製フロアレスワンポールとは違い、取り外し可能なグラウンドシート付属、多彩なベンチレーション、雨が入りにくいキャノピーなど日本の環境を考慮した設計、おまけにフル&ハーフインナーといったオプションも豊富に用意することで現在のワンポールテント人気の礎を築いた老舗ブランドだ。

画像: 2本のポールで立ち上げる「ツインピルツフォーク T/C」 www.store-campal.co.jp

2本のポールで立ち上げる「ツインピルツフォーク T/C」

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その後、ポールを2本にした「ツインピルツ」シリーズ、先端が二股になったY型ポールで支える「ツインクレスタ」シリーズ、形とサイズが変わるワンポール「タッソ」シリーズなど“1〜2本のポールで幕を立ち上げる”系を発表し、スマッシュヒットを連発しているのはご存じのとおり。

“ポール立ち上げ”幕がヒットした理由はいくつかあるが、一番に上げられるのが、複雑なフレームワークではないので設営しやすいこと。

さらにポールを2本用いた幕は、前後パネルを大きく跳ね上げて開放的な空間にできるなど多彩なアレンジも魅力となっている。

ところがogawaの“ポール立ち上げ”幕はどれもソロやデュオには大きすぎる。“ポール立ち上げ”幕の立役者であるはずのogawaなのにソロ用が少ないなんて……と残念に思っていたキャンパーに朗報だ。

「ツインクレスタ」シリーズに、幅が約150cm、奥行きも約50cmコンパクトになった「ツインクレスタS T/C」(8万2500円)が誕生したのだから。

画像: 収納サイズ64×28×26cm、重量7.56kg(付属品のぞく)。

収納サイズ64×28×26cm、重量7.56kg(付属品のぞく)。

幕はT/C素材、φ22mmとφ14.5mmからなるYポールは6061アルミ合金。ほかにスチールピンペグ20本とアイアンハンマー、張り綱が付属する。

ソロ&デュオ用ではあるが、T/C幕のためまぁまぁズッシリ。

画像2: ogawaさん、待ってました!小さいサイズの「ツインクレスタ」がソロ・デュオキャンプに最適だった!【使用レポ】

フロア形状は、四角形の両側に台形を備えた八角形。

最初に中央の四角形を整えて固定したあと、両側の台形の短辺が長辺(四角形と共通)と平行になるよう固定するのがコツといえばコツ。

画像3: ogawaさん、待ってました!小さいサイズの「ツインクレスタ」がソロ・デュオキャンプに最適だった!【使用レポ】

幕の内側に入り、Yポールで立ち上げる。

画像4: ogawaさん、待ってました!小さいサイズの「ツインクレスタ」がソロ・デュオキャンプに最適だった!【使用レポ】

ちなみに、インナー類は発表されていないがYポールの脇にOリングが。これは期待がもてる。

とはいえ現状ではLEDライトなどの吊り下げに使うか、ロープを渡して小物を吊り下げることに使うほかはない。

画像5: ogawaさん、待ってました!小さいサイズの「ツインクレスタ」がソロ・デュオキャンプに最適だった!【使用レポ】

傾斜やデコボコなどによってゆがみやたるみが生じるので、裾のラダーロックコードを用いて、できるだけシワがないよう調整したら張り綱を取り付けて完成だ。

画像: 設営サイズは420×256×H160cm。

設営サイズは420×256×H160cm。

ソロ用の“ポール立ち上げ”幕といえばパップ型を思い浮かべるが、「ツインクレスタS T/C」は高さ160cmで並み居るライバルたちよりも背が高い。

身長170cm前後の人であれば、中腰ではなく軽く頭を下げた状態で立って移動できる。これは大きなアドバンテージだ。

画像6: ogawaさん、待ってました!小さいサイズの「ツインクレスタ」がソロ・デュオキャンプに最適だった!【使用レポ】

Yポールのおかげで頭上の空間は大きく、すべてのパネルを閉じた状態でもさほど圧迫感がないのはさすが。

天井付近が平らに見えるが、その幅は狭いうえポール間はゆるやかに弧を描いている。また、Yポールなのでシンプルなポールよりも傾斜がきつい。

さすがに重い雪がドカッと降ると不安だが、雨や雪を排出しやすい形となっているというわけ。

画像7: ogawaさん、待ってました!小さいサイズの「ツインクレスタ」がソロ・デュオキャンプに最適だった!【使用レポ】

グッとサイズダウンした「ツインクレスタS T/C」だが、ポールとポールの間は意外にも兄貴分である「ツインクレスタ T/C」と10cmしか差がなく、幅120cmのテーブルとコットが余裕で収まる。

「ツインクレスタS T/C」はポールの外側が約100cmなのでローコット1台を置くことは可能だが、インナーがない状態ではどうしても結露の影響が大きくなるため、あまり壁際にコットを置きたくない。

「ツインクレスタ T/C」がYポールの外側にコットを置いて寝室とするが、「ツインクレスタS T/C」は両側を物置スペースにしたほうがいいのかも。

また、コット2台を置くとその間は60〜80cmほどとなる。コットをチェア代わりにしても、テーブルを置くのは少々厳しそうだ。

画像: Yポールからオプションの「ツインクレスタS用二又フレーム」に。

Yポールからオプションの「ツインクレスタS用二又フレーム」に。

片側を「ツインクレスタS用二又フレーム」(1万2100円)に変えると、それだけで開放感が違う。とくに写真のようなハイコットは、ほんの少し外側に移動させるだけでグッと広くなった気がする。

これならデュオキャンプでコット2台を置いてもゆったり過ごせるし、コンパクトテーブルとチェア2脚を置くのも無理はない。

アレンジのポイントはトリプル・スライダー・ファスナー

画像1: アレンジのポイントはトリプル・スライダー・ファスナー

「ツインクレスタS T/C」の基本仕様は「ツインクレスタ T/C」と同じ。

前方のパネルは手持ちのポールで大きく跳ね上げられ、サイドには雨や西日が室内に入りにくい三角のサイドウォールを備えている。

画像2: アレンジのポイントはトリプル・スライダー・ファスナー

この三角ウォールはそのまま使うだけでなく、ファスナーでの切り離しOK。

巻けばスッキリするし、開いたまま張り綱でおろすことで風を取り込みながら日差しを低減できるというわけ。

画像3: アレンジのポイントはトリプル・スライダー・ファスナー

1本のファスナーに3つのタブを搭載したトリプル・スライダー・ファスナーを採用しているのも「ツインクレスタ T/C」と同じ。

トリプル・スライダー・ファスナーであれば、ファスナーの両端を閉じたまま中間部分だけをコンパクトに開くことができる。

好きな場所をベンチレーターがわりにでいるし、長尺物の保管にも便利。グループキャンプで大型タープを使うとき、サブポールを立ててタープと接続するなんてこともアリだ。

画像4: アレンジのポイントはトリプル・スライダー・ファスナー

前後のパネルは下側1/3ほどだけ巻き上げられる。隣のサイトからの視線を防ぎつつ、フレッシュな空気を取り入れられるのがうれしい。

画像5: アレンジのポイントはトリプル・スライダー・ファスナー

「ツインクレスタ」シリーズらしく、両側にはでっかいメッシュ窓を装備したサイドドアと上部ベンチレーターが。

混雑した林間フリーサイトなど、細長い場所で設営する場合も安心だし、デュオキャンプであれば両側から室内にアクセスできるのはありがたい。

画像6: アレンジのポイントはトリプル・スライダー・ファスナー

ともすれば使いづらくなる小型化だが、「ツインクレスタS T/C」ではトリプル・スライダー・ファスナーやガバッと開くサイドドアなどその機能がかえって引き立っている。

それに高さは160cmで出入りが楽だし、キャノピーを大きく張り上げればいっそう快適。

ソロ&デュオキャンプを盛り上げてくれる幕の誕生だ。

【問】キャンパルジャパン

執筆:大森弘恵 プロフィール

キャンプを中心としたアウトドアや旅の雑誌、WEBメディアなどで活動するフリー編集者&ライター。キャンプの仕事に携わること約30年、ソロキャンプ歴は36年のおひつじ座 。

写真、文:大森弘恵 
撮影協力:オートキャンプ・フルーツ村

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