【概要】車中泊での体の痛みやその対策に関するQ&A。車中泊旅を続けるruiさんが回答。

車中泊していて体が痛くなるのはどんなとき? 痛くなったときの対応策は? 車中泊旅を始めて4年、年間300日、ホンダの軽バン・N-VANで車中泊をしているruiさんに教えてもらった!

ruiさんプロフィール

画像: ruiさんプロフィール

ホンダ・N-VANをDIYして日本全国を旅するひきこもり……のはずが、最近は1年の半分くらいを北海道で過ごしている。たまにホテルを取っても広いベッドが落ち着かなくて、PCなどを充電してお風呂だけ入って、駐車場で車中泊している。

Q.車中泊していて体が痛くならない?

画像: Q.車中泊していて体が痛くならない?

A.痛いことはあるけれど、車中泊に限ったことではない?

ホテルのベッドがたとえ高級ベッドでも、目覚めた時に体が痛いことってありませんか? ベッドの硬さや枕の高さ、体の疲労具合や精神的な要因など、快眠には複数の要素が重なっていると思います。

寝る前にしっかりお風呂に入って体を温めておくと、それらが強制リセット。ある程度の疲労感がある状態のほうが、朝までぐっすり。起きた時の体の痛みもないと感じることが多いです。

いまでは仕事先でホテルを取ってもらっていても、お風呂だけ入って寝るのはクルマ、というパターンが多いです。

Q.軽バンで寝ていて、体が痛くなったりしませんか?

画像: Q.軽バンで寝ていて、体が痛くなったりしませんか?

A.車種によって対策が大きく変わります

キャンピングカーではなく、あらかじめベッドがない軽バンで車中泊するには、まずに「フルフラットをいかにつくるか」が重要になってきます。

シートやラゲッジスペースを利用してベッドスペースをつくる際、どうしてもできてしまう段差を解消し、可能な限りフラットな寝床をつくるのが最初の課題でしょう。

N-VANの場合、助手席から後部座席、そしてラゲッジスペースも一体化できてフルフラットになるので、車中泊へのアドバンテージはかなり高かったです。

最近はダイハツ・アトレーやスズキ・スペーシアなど、車中泊を視野に入れたフラットになるクルマも増えてきています。

Q.フルフラットにならないクルマでの場合は?

画像: Q.フルフラットにならないクルマでの場合は?

A.あきらめるのはまだ早い! 工夫次第で可能性あり

クルマというものはそもそも寝ることを目的に作られていないことがほとんど。どうしてもフルフラットにならない場合も多々あります。

そんなクルマでも、例えばベッドキットを組んでみるのは確実な方法でしょう。もっと手軽にやりたい場合はオンリースタイルの車中泊専用マットがおすすめ。かなり厚手なので、多少の段差があっても問題なくフラットになってくれます。

また、必ずしも身長の長さだけフラット面が必要なわけではなく、案外、首からお尻くらいまでがフラットであれば、足元は多少凹凸があっても快適に寝られてしまうこともあります。

Q.体が痛くなるとしたら、どこ?

画像: Q.体が痛くなるとしたら、どこ?

A.首、肩、腰。そして意外なあの部位も痛くなる

枕を膨らます空気の入れ加減を失敗することがたまにあって、パンパンに膨らませて寝ると首と肩が痛くなります。

ひどいときは起きてしばらく頭痛が止まらないことも。首筋を圧迫して血流が悪くなっているのかな、と思います。

また、寒かったりするとうまく寝返りを打っていないのか、体圧分散に失敗して腰が痛いことも。

長距離の移動が続いたときも、腰にダメージが積み重なっていきます。そして意外にも、ふくらはぎが痛いことが多いです。

これに関しては、いまだに原因不明。単純に歩きすぎなのか、寝ている間に足を布団から出して冷えていたのかわかりません。でも、ふくらはぎが痛くなる率が意外に高いです。

Q.体の痛みに、どういった対応をしていますか?

画像: Q.体の痛みに、どういった対応をしていますか?

A.なんといっても温泉が最強

車中泊旅を続けていて、長距離移動やリモートワークの疲れがたまったとき、一番効果的にリセットするのはなんといっても温泉です。

私の好みは温度が低めのお湯に長時間浸かること。高濃度炭酸泉なんかがあったら30分くらい出たり入ったりを繰り返し、半身浴もします。

ぬる湯に長く浸かって体の内側まで温めて、温まった血液が循環していくと朝までぐっすり眠れます。逆に朝風呂の場合は熱いお湯に短時間で入って目を覚ますことも。

温泉に入るときは、交感神経と副交感神経の切り替えを意識して入るようにしています(あくまで、そんな気がする、程度ですが)。

Q.体が痛くならない工夫を知りたい!

A.軽い運動やストレッチ。就寝前のルーティーンも大切

温泉や快眠アイテムなど、体をいたわることももちろん大事なのですが、体の扱いは複雑で、逆に体に負荷がかかっていたり、疲れているほうがいいケースもあることを、少し頭の片隅に置いておくのもいいかも。

例えば就寝前に軽い運動やストレッチ、ヨガなどで無理のない負荷をかけておくと、弛緩した時のリラックス具合が変わってきます。

寝具選びにしても、低反発だからよく眠れるともかぎりません。人によってはちょっと硬いマットが合っている場合や、布団より寝袋のほうがよく眠れる場合もあったりします。

また、毎日の就寝前に行うルーティーンを作っておくといいと思います。家とクルマで同じような寝心地の寝具を用意しておくこと、寝る時間から逆算して夕食を取っておくこと、入浴や軽い運動、眠りにつくまでの時間の過ごし方などにある程度の規則性があると快眠につながりやすいと思います。

逆に、快眠を妨げる要素はできるだけ排除すること。たとえルーティーンが崩れてもある程度リカバーできますが、深酒や夜更かし、寝る直前までスマホを見ているなどの要素は、かなり破壊力が強いです。せっかくのクルマ旅、早寝早起きのほうが長く楽しめますよ。

写真:逢坂 聡、rui 
文:rui 
初出:カーネル2023年3月号vol.59 

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