キャンピングカーにはさまざまなスタイルがある。そのひとつがキャンピングトレーラー。ヨーロッパではキャンピングトレーラーが一般的で、多くのユーザーに親しまれているスタイルだ。
近年、国内でもキャンピングトレーラーが注目されており、各社からいろいろなモデルが販売されているが、そのほとんどが輸入車。
ところが、キャンピングカービルダーのケイワークスでは、コンセプトを1から設計した国産キャンピングトレーラー「トレイルワークス」を展開している。
トレイルワークスは、国内で使いやすいサイズ、ガレージや趣味の部屋としても使える拡張性など、マルチに使える機能性の高いシリーズ。
大きく開いたリアのゲートからバイクを積み込み、ガレージのように使えるタイプ、ラウンジのようなリビングスペースを確保したモデルなど、3種類がラインアップされていたが、そのシリーズに新たなモデルが追加された。
既存モデルは「トレイルワークス520」というシリーズで展開していてが、新しいモデルは「トレイルワークスミニ」という名称でデビュー。
ジャパンキャンピングカーショー2023で初お披露目され、多くの来場者が注目していた。
「トレイルワークス520」をそのまま小さくしたようなスタイルで、サイズは全長4300×全幅1934×全高2465mmとコンパクト。車両重量は750kgで、けん引免許がなくてもけん引できる仕様になっている。
キャンピングトレーラーはけん引するクルマ以外に、トレーラー部分を駐車するスペースを確保しなければいけないが、「トレイルワークスミニ」のサイズであれば、一般的な駐車場にも停められるので、保管もしやすいといえるだろう。
ミニと言っても、その内部は広々としている。自走式キャンピングカーと違って、エンジンがないので、トレーラーは室内空間に余裕がある。
特に「トレイルワークスミニ」はサイドのエントランスドアに加えて、リアに大きなゲートがあるので、非常に開放的な空間を作り出せる特徴的なスタイル。
シンプルなベンチシートとソファベッド、コンパクトにまとめられたキャビネットのおかげで、室内空間を有効に使ったレイアウトが印象的だ。吊り下げ棚も設置され、収納力も十分に確保されている。
キッチン回りでは、たくさんのギミックがコンパクトにまとまっていた。冷蔵庫、電子レンジ、エアコン、そして、各種スイッチが並ぶ。
ソーラーパネルやリチウムイオンバッテリーを組み込むことも可能で、電気に強い非常時のシェルターとしての利用を視野に入れてもいいだろう。
「トレイルワークスミニ」は、手軽に運べるコンパクトボディの利点を活かした高い機動性、そして、上位モデル譲りの高い断熱性能を秘めたキャンピングトレーラーだ。
キャンピングトレーラーのエントリーモデルとしても有効であり、普段のライフスタイルを大きく変えてくれる1台となることは間違いないだろう。
トレイルワークスミニ(TRAIL WORKS mini)
価格:398万円~
サイズ:全長4300×全幅1934×全高2465mm
車両重量:750kg
就寝定員:4人
主要装備:インバーター(2000W)、サブバッテリー(100Ah)、外部電源(25A)ほか
※上記スペックはジャパンキャンピングカーショー2023展示車両のものになります
執筆:渡辺圭史
自動車、アウトドア関連の雑誌やウェブに携わるフリー編集者、ライター。仕事の際はクルマでの移動がほとんど。車中泊をしながら取材先に向かうことが多い。DIYが好きで、休日はクルマの改造に時間を取られている。
写真:中里慎一郎
文:渡辺圭史