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【概要】車中泊で体が痛くならない寝方や疲れたときの予防法や解消法。キャンピングカーで車中泊旅を続ける「うめの」さんが紹介。

車中泊で快眠するためのポイントはいくつもあるけれど、そのなかでも重要なのは「体が痛くならないこと」。そこで車中泊専門誌『カーネル』&SOTOBIRAアンバサダーの「うめの」さんに、その予防法や解消法を聞いてみた!

うめの プロフィール

画像: うめの プロフィール

住所移動無飾の旅人YouTuber。中古キャンピングカーで生活しながらその生活ぶりを発信中。「勝手にローカルレポーター」と自らを名乗り、自分がおもしろいと思うものや場所を現地からレポートしている。年間300日、キャンピングカーで暮らしている。

ベッドや寝具に頼るなかれ! 体のリカバリーにこだわるべし

画像1: ベッドや寝具に頼るなかれ! 体のリカバリーにこだわるべし

「車内で寝る」ことを前提に作られたキャンピングカーをお持ちのみなさんは、乗用車で車中泊をする人たちよりも就寝へのハードルは低いと思われます。しかし、意外と「体がつらい、痛い」という話を聞きます。

そんななかでも、寝具の悩み以上に旅行の疲れに対する体の悩みが目立ちます。長時間座りっぱなしの運転。観光で訪れた景勝地では未舗装の散策路を歩いたり、趣ある神社仏閣で階段を行き来することもあるでしょう。街灯の少ない地方の道を夜間走行して目を酷使することも。

夜はぐっすり! なのに次の日、足や目がスッキリしない。身に覚えがある人もいるのでは? フラットなベッドで就寝する……だけでなく、体のリカバリーが必要なはずです。

画像2: ベッドや寝具に頼るなかれ! 体のリカバリーにこだわるべし

そこで若輩ではありますが。年間300日間、キャンピングカーと生活を共にしている私が、実際に眠りの時間を体のリカバリータイムへと変えるグッズや方法をお話しします!

基本は「血行を整え、冷やさず寝起きする」こと。これが私の「体が痛くならない寝方」のポイント。

まずストレッチ。車内では大ぶりな動きができず、外で目立つ動きもちょっと気恥ずかしい。そこで、「立ったまま」「クルマのそばでさりげなく」できる、肩甲骨をほぐせるストレッチを行っています。

そして眠る際には、目を温めたり、足のむくみを取るグッズを使用。寝起きのドリンクには、常温か温かいものを摂ります。

体の痛みやコリを抑える便利な薬もありますが、体を整える意識も忘れないで。キャンピングカー・オーナーだけでなく、冷えが気になる車中泊女子も、ぜひ実践してくださいね。

うめの流 体のリカバリー術Q&A

キャンピングカーで体が痛くならない寝方などについて、具体的な方法をQ&A形式で紹介!

Q.車中泊旅で体が痛くなるとしたら、どの部位?

画像: Q.車中泊旅で体が痛くなるとしたら、どの部位?

肩と首まわり。コリがひどいと頭痛も

私はもともと、肩や首の血流が悪いためコリやすく、ひどいときには偏頭痛につながるほど。運転や車内でのPC作業は眼精疲労も相まって、常にコリとの戦いです。

また、春先でも首元を冷やせば、冷えからもこういった症状が出ます。この症状を放っておいたまま眠ると翌日も首肩が痛く、頭が重いです。血流不良や冷えからくるコリの悩みは、男性よりも女性に多く見られるようです。

よく、「運転をするから腰が痛くないですか?」と聞かれるのですが、いまのところ腰痛には悩まされていません。関節よりも血流が気になります。

Q.体の痛みに何か対応していますか?

画像: Q.体の痛みに何か対応していますか?

A.とにかく急いで温める!  最悪ダメなら痛み止めを

痛い! つらい! と思ったら朝イチで、即席ウォーマーを作ります。厚手のジップ付き袋に、お湯で濡らしたハンドタオルを入れて患部に当てます。温めてほぐしてから、ストレッチや指圧をします。

すぐに温めたいなら、カイロや電熱を使った家電よりも、お湯を使うのが早いのです。キャンピングカーならば、お湯を沸かす設備や道具には困りませんからね。

それでも痛くて一日の活動に支障が出そうなら、痛み止めを飲みます。でもそれは最終手段で、薬にばかり頼りたくないのが本音です。

Q.体が痛くならないようなアイテムを使っていたら教えてください

画像1: Q.体が痛くならないようなアイテムを使っていたら教えてください

A.100円からできる血流を流すアイテム

眠るときに使うお気に入りのアイテムは、ホットアイマスクです。私はUSBモバイルバッテリーで使える製品を愛用してますが、使い切りのものなら100円ショップで購入できます。ストレッチ後にこれをつけて眠れば、次の日は頭もスッキリ。

画像2: Q.体が痛くならないようなアイテムを使っていたら教えてください

座りっぱなしの下半身へのケアは、足裏樹液シートを使います。漢方の成分で足がぽかぽかして血流がよくなり、翌朝はむくみも取れます。こちらも100円ショップで種類豊富に取り扱いがあります。おすすめはトルマリンと唐辛子。

何もせずに眠るのと、ストレッチ後にこれらで体の上下をケアして眠るのとでは、起床時の体のコンディションがかなり違います。

Q.眠る前に摂っているものはありますか?

画像: Q.眠る前に摂っているものはありますか?

A.体の疲労回復にはクエン酸でしょう!

「今日は体に無理をしてしまったな」という日には、疲労に有効なクエン酸を就寝前に摂っています。気軽に飲むなら「キレートレモン」。寝る前に甘いものはちょっと……という人には、無糖のタイプがおすすめです。私も愛飲しています。

より経済的にクエン酸が摂りたい人は、ドラッグストアで粉末を買うこともできます。しかし、酸性が強く歯を溶かすこともあるので注意とのこと。水に少量入れて、しっかり薄めてからストローで飲むことをおすすめします。

汚れの分解にも効果があるので、キャンピングカーの流し台の掃除や、電気ケトルの掃除にも使えますよ!

Q.寝起きの体のためにしていることは?

画像: Q.寝起きの体のためにしていることは?

A.常温で体をON。糖質を摂りすぎない食事を

寝起きは、夏で起きたら汗びっしょり! というわけでもないかぎり、冷えた飲み物ではなく常温の水を飲んで就寝中の渇きをうるおします。

体質的に、寝起きに甘いものや炭水化物に偏りすぎた糖質過多な食事を詰め込むと、インスリンが過剰に出てしまい、せっかく体がスッキリで目覚めても、体が重くなってしまいます。

なので、朝食はフリーズドライの温かいスープに春雨や葛切り、高野豆腐などの乾物を入れて食べます。

常温保存できる食材ですし、朝から温かいものを口にすると血行もめぐってシャキッとしますので、血糖値が気になる人や冷え性の人におすすめな簡単な寝起き食です。

Q.体が痛くならないように、工夫していることは?

A.肩甲骨を普段から可動させておくと予防に

首肩のコリをほぐしながら血流をよくするには、肩甲骨を普段からしっかり動かしておくといいです。意識しないとあまり動かさない場所なので、意識的にストレッチをします。

画像: Q.体が痛くならないように、工夫していることは?

クルマを背に立って、両手指を組みます。そのまま手のひらを、背の方から回して車体につけます。背すじはまっすぐなまま、膝をゆっくり曲げることを繰り返すと、肩甲骨をストレッチできます。

もっと簡単なのは、クルマに対して真横に立って、両手をタッチ。もたれたまま、顔を車体と逆側に向けてストレッチ。どっしりとしたキャンピングカーだからこそできる、「キャンカーストレッチ」です。一時的に首を回すよりもスッキリしますよ。

Q.自分なりの工夫で体はどう変わりましたか?

A.車中泊の工夫から、健康への意識が高まった

毎日が大冒険。せっかく来たのだからと、体に無理を強いることもあります。そんななか、「翌日は何をしよう。どこに行こう」などと考えるのが、楽しい生活です。

次の日に疲れや痛みを残したくない! 観光やグルメと同じくらい自分の体に関心をもつことにより、旅をする前よりも、健康への意識が高まりました。

比較的、快適な眠りのスペースを確保できるキャンピングカーです。寝具だけではない、自分自身へのアプローチで、長く長く楽しみたいものですね。

Q.対応しきれないほど体が痛いときはどうする?

A.あきらめて健康ランドで岩盤浴!

いろいろ気を使っていても、疲労がたまってしまったり、寝違えて体が痛い……というときは、あきらめて健康ランドに行きます。

お気に入りは岩盤浴。サウナより湿度や室温が低く、横になれば遠赤外線で内臓から温まるので、体力が落ちているときでも利用しやすいです。旅先で健康ランドに一日引きこもり。邪道でしょうか? 

気取らない健康ランドで浴槽に浸かり耳をすませば、地元の人たちの会話でリアルな地方の方言や、訛(なま)りを聞くことだってできます。これも立派な旅情でしょう!

急がぬ旅なら、薬に頼らずにそんな日を設けるべきです。ただし、体の痛み=病気のことも。あまりにも続くようなら、旅先でも病院に行くことをおすすめします。

※当記事はカーネル2023年3月号vol.59の掲載記事から一部を抜粋、再編集して掲載しています

写真、文:うめの 
初出:カーネル2023年3月号vol.59  

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