冬の車中泊旅の心配事といえば、寒さ・雪・凍結。その不安を解消するために、よく聞く疑問とその答えをクイズ形式で紹介!
旅の途中や現地での危険を回避し冬の車中泊を楽しむためにも、冬の車中泊旅ビギナーはもちろん、ベテランも復習の意味を込めて一読を!
車中泊クイズ
「冬の車中泊旅に出かける予定です。旅するエリアは積雪していて、かなり寒そう。でも朝までエンジンをかけて車のエアコンを付けておけば、真冬の車中泊でも暖かく過ごせて安心ですよね?」
この行為に対するアナタの答えは?
正解は「3」の「アイドリングストップが大原則! でも状況によってはエンジンをかけてもいい」でした!
四季を問わず、車中泊時のアイドリングストップは基本。ただし上記の「状況によっては」=「生死に関わる場合」は、これに限りません。
「車中泊」という言葉と行為の両方が、これだけメジャー化してきた昨今。環境問題、騒音問題などの様々な理由から、現在の車中泊のルールとして、アイドリングストップは大原則となっています。
だからこそ、クルマのエアコンが使えない状況で、夏はどのように暑さをやわらげ、冬はいかにして寒さをしのぐかが重要なのです。つまり、冬であったとしてもアイドリングストップは基本中の基本。
さらに積雪時の場合、エンジンオンのまま車中泊を行うと、命の危険にかかわることも覚えておきましょう。就寝中に積もった雪がマフラーを塞ぐと、車内に排気ガスが逆流。寝ている間に一酸化炭素中毒となり、最悪の場合、死亡してしまうケースも少なくありません。
日本における車中泊の歴史のなかで、90年代のスキーブームが、車中泊人口を増やすきっかけになったことはご存じですか?
リフトのスタート時間に合わせて滑りはじめるため、前夜もしくは当日の早朝にゲレンデの駐車場に到着し、車中泊で仮眠をとっていた時代です。
まだ、いまほどアイドリングストップが声高に叫ばれておらず、多くの方々がエンジンをかけたまま、車中泊を行っていたはず。
当時を知る世代が、現在のブームにのって、車中泊を始めたという人もいるかもしれません。そんな人は、ぜひ現在の車中泊ルールを再度勉強! 現在は四季に関わらず、アイドリングは止める、が車中泊の大原則です。
ただし、ここ数年の気候変動により、多大な異常気象に襲われることが多くなってきました。冬の旅先で、急きょ寒波に襲われることもあるかもしれません。
そんなときは、エンジンをかけて、迷うことなくエアコンのスイッチをオンに! いま寒さを凌がなければ生死に関わる時まで、アイドリングストップにこだわる必要はありません。
ただしその際も、積雪への注意は忘れずに。クルマ全体が埋まらなくても、マフラーが埋まれば危険なのも覚えておきましょう。
そしてそこまでひどい状況に陥る前に、クルマを走らせて、近くの施設に逃げ込む決断も必要です。
文:大橋保之
写真:稲垣朝則
出典:カーネル2019年早春号vol.42