【概要】車中泊カーとして人気のコンパクトミニバンと軽自動車のスライドドア車に注目し、その違いや特徴、得手不得手を解説。2列シート/3列シートのコンパクトミニバン、軽商用車(バン)、軽ハイトワゴン、軽ワゴン。

箱型×スライドドアが人気! 新型車も続々登場中だ

画像: 背の低い軽ワゴンにスライドドアを装備した「ムーヴ キャンバス」。2022年7月に第2世代の新型が登場。ライバルであるスズキの「ワゴンRスマイル」と共に売り上げは好調だ。

背の低い軽ワゴンにスライドドアを装備した「ムーヴ キャンバス」。2022年7月に第2世代の新型が登場。ライバルであるスズキの「ワゴンRスマイル」と共に売り上げは好調だ。

車中泊に便利なクルマといえば、「室内空間の大きな箱型」であり、「左右スライドドア」がやっぱり便利。

大きなクルマでいえば、トヨタのハイエースや、日産・キャラバンが大定番だが、実は、最近では小さな箱型×スライドドアが大人気だ。

軽自動車では、ホンダのN-BOXがベストセラーであるし、コンパクトカーでもトヨタのルーミーも年間販売ベスト3に入るほど大ヒット中だ。

さらに、8月には軽商用車のスズキ・スペーシア ベースとコンパクトミニバンの新型シエンタが発売を開始。ダイハツは秋に発売予定のタント ファンクロスを発表。話題が尽きないジャンルなのだ。 

画像: スズキは軽自動車「スペーシア」に商用ナンバーの「スペーシア ベース」を8月に追加。背の高い乗用車のハイトワゴンを改造して、荷室の広い商用車登録したのが特徴だ。

スズキは軽自動車「スペーシア」に商用ナンバーの「スペーシア ベース」を8月に追加。背の高い乗用車のハイトワゴンを改造して、荷室の広い商用車登録したのが特徴だ。

では、そんな箱型×スライドドアの小さなクルマの違いはどんなものなのだろうか? そこでクラスごとに得手不得手なところをまとめてみたのが、下の表となる。

2列シートと3列シート車、軽自動車の商用バン、ハイトワゴン、ワゴンについて項目ごとに、得意なところと不得意なところを記してみた。

まず、クラス分けからすれば、登録車では3列シート車と2列シート車が存在する。そして、軽自動車には、商用バンとその派生、そしてハイトワゴン、そして、もう少し背の低いワゴンでスライドドア付きのモデルに分けられる。

それぞれのクラスには、どんなクルマがあり、どんな特徴があるのか? そして、その最新事情は?  チェックしてみよう。

クラス別スライドドア車の得意なところとは

価格2列席の快適度荷室の広さ装備の充実度走り
コンパクトミニバン
軽商用車(バン)
軽ハイトワゴン
軽ワゴン
caption

3列シートのコンパクトミニバン

画像: シエンタの3列目シートは、2列目シートの下に折りたたんで収納することができる。

シエンタの3列目シートは、2列目シートの下に折りたたんで収納することができる。

GOOD POINT!
・7人も乗れる!
・ハイブリッドが選べる

余裕あるパワーでロングドライブが得意

1.5ℓクラスのエンジンに3列シートを装備するコンパクトミニバン。トヨタのシエンタと、ホンダのフリードが該当する2台だ。どちらも2列シート仕様が用意されている。軽自動車よりも車内は広く、エンジンのパワーにも余裕がある。また、本格的なハイブリッドが存在するのも特徴。ロングドライブの多い人におすすめだ。

画像1: 3列シートのコンパクトミニバン

トヨタ・シエンタ
新型となり、走行性能と最新運転支援機能が進化。キュートなルックスも特徴のひとつ。

画像2: 3列シートのコンパクトミニバン

ホンダ・フリード
3列目シートは左右跳ね上げ式。荷室床が低く、テールゲートの開口部が上下に大きい。

2列シートのコンパクトミニバン

画像: ルーミーの車内。2列目シートはシートバックを足元に折りたたむダイブイン格納方式。

ルーミーの車内。2列目シートはシートバックを足元に折りたたむダイブイン格納方式。

GOOD POINT!
・取り回しが楽々
・2列目シートが広々

室内広々で走りも余裕あり

全長がコンパクトカーのヤリスよりも短い約3.7mクラスで、1~1.2ℓのエンジンを載せる。トヨタのルーミー、その兄弟車のダイハツ・トール、そしてスズキのソリオが該当する。

コンパクトとはいえ、軽自動車よりも車体は大きいので、2列目シートの広さは特筆もの。エンジンパワーがあって車幅もあるので走行安定性も高い。

画像1: 2列シートのコンパクトミニバン

トヨタ・ルーミー
ダイハツ・トールとは兄弟車。2022年1 ~ 6月の新車販売ランキングで3位を守る。

画像2: 2列シートのコンパクトミニバン

スズキ・ソリオ
マイルドハイブリッドを用意。2列目シートを倒せばラゲッジから続く、平らな床になる。

乗用車感覚の軽商用車(バン)

画像: スペーシア ベースの室内。荷室に4種類の使い方ができるマルチボードを備える。

スペーシア ベースの室内。荷室に4種類の使い方ができるマルチボードを備える。

GOOD POINT!
・ラゲッジが広い
・おしゃれな雰囲気

画像1: 乗用車感覚の軽商用車(バン)

スズキ・スペーシア ベース
軽乗用車スペーシアの商用車バージョンとなる。後席とラゲッジが商用規格になる。

画像2: 乗用車感覚の軽商用車(バン)

ホンダ・N-VAN
最近の乗用テイストの商用車人気の草分けとなるのが2018年登場のホンダのN-VAN。

軽商用車(バン)

画像: エブリイの室内。運転席より後ろは、座席よりも荷室が広くなっているのが特徴だ。

エブリイの室内。運転席より後ろは、座席よりも荷室が広くなっているのが特徴だ。

GOOD POINT!
・コスパ最高
・バツグンの荷室の広さ

商用ならではの広さと価格の安さ

軽自動車の商用車(バン)は、「荷室床が0.6㎡以上」「運転席より後ろは、座席より荷室が広くないといけない」などの規定がある。つまり、広い荷室であることがルールであり、特徴となるのだ。

しかも、仕事で使うのだから車両価格も安い。広い荷室のクルマを安く手に入れたいというのであれば、4ナンバーの商用車(バン)がベストとなるのだ。

画像1: 軽商用車(バン)

スズキ・エブリイ
軽商用車バージョンがエブリイで、乗用車版のエブリイワゴンも用意されている。

画像2: 軽商用車(バン)

ダイハツ・ハイゼットカーゴ
日本の軽商用車市場でエブリイとベストセラーの座を争うのがハイゼットカーゴだ。

軽ハイトワゴン

画像: 燃料タンクを車体中央下に配置するN-BOX。スッキリとしたデザインも人気の理由。

燃料タンクを車体中央下に配置するN-BOX。スッキリとしたデザインも人気の理由。

GOOD POINT!
・室内高も十分で広々
・売れ筋で新型続々登場

アウトドアテイストが注目度アップ

軽ハイトワゴン(スーパーハイトワゴンとも呼ぶ)は、ホンダ・N-BOXを代表格とする、いまの軽自動車の売れ筋クラスだ。車高が高く、室内空間が広々。しかも最新で豪華な装備も満載する。

ライバルはダイハツ・タント、スズキ・スペーシア、日産・ルークス、三菱・eKスペース。最近はスペーシア ギアなどアウトドア風味が注目度を高めている。

画像1: 軽ハイトワゴン

ホンダ・N-BOX
2011年の初代から年間軽自動車販売No.1を8回獲得している。2022年1 ~ 6月の販売も1位だ。

画像2: 軽ハイトワゴン

スズキ・スペーシア ギア
子育て家族向けの優しいデザインが多い軽ハイトワゴンにアウトドアの新風を吹き込んだ。

スライドドアの軽ワゴン

画像: ムーヴ キャンバスの室内。広さよりも、くつろげる居心地のよさを追求している。

ムーヴ キャンバスの室内。広さよりも、くつろげる居心地のよさを追求している。

GOOD POINT!
・安定感のある走り
・個性的なルックス

背の低いスライドドア車という提案

スライドドア車といえば「背が高い」のが常識。そこに、「背の低いワゴンの車体でスライドドア」という新提案をしたのがムーヴ キャンバスだ。

2016年のデビューですぐに人気となり、スズキも競合ワゴンRスマイルを2021年に投入。2022年7月にはムーヴ キャンバスが第2世代に進化した。個性的なデザインと安定感ある走りが特徴だ。

画像1: スライドドアの軽ワゴン

ダイハツ・ムーヴ キャンバス
ムーヴの派生モデルとして誕生。新型は女性だけでなく男性も意識し、ターボ車も追加。

画像2: スライドドアの軽ワゴン

スズキ・ワゴンRスマイル
軽ワゴンの走りの良さと、個性的なデザイン、スライドドアの利便性をミックスさせた。

文:鈴木ケンイチ 
出典:カーネル2022年11月号vol.57

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