2022年のキャンプシーンで、大きなトレンドとなった「テントサウナ」とは、いったいどんなものなのか?
こちらでは、サウナキャンプの日本における第一人者であるSauna Camp.の大西 洋さんに、サウナキャンプを楽しむための素朴な疑問に答えてもらった。
Sauna Camp.大西 洋さん プロフィール
サウナキャンプの文化を日本に広めているSaunaCamp.代表。テントサウナ「NORZH」代理店を務め、イベントプロデュースも多数。アウトドアで「ととのう」すばらしさを伝えるべく、誰もがテントサウナを、安全かつ気軽に、さまざまな場所で楽しめる未来を目指して、日々活動している。
サウナキャンプを楽しむための素朴な疑問Q&A
Q.サウナキャンプに最適な季節はある?
A.オールシーズン大丈夫です
ビギナーにとっては春夏がベストシーズン。もちろん秋でも楽しめる。「個人的には冬に楽しむのが好きです。冬はキャンプ場に人が少なくて落ち着いていて、水風呂も冷えているし、空気が本場に近くて気持ちいいです。冬の湖畔でテントサウナをぜひ楽しんでみてください」と大西さん。
つまり、オールシーズン楽しめるのがテントサウナの魅力のひとつ。しかし、エキスパートの大西さんのように、いきなり雪中サウナを楽しむのはハードルが高い。やはり、まずは秋シーズンに、一度チャレンジしてみてからのほうがいいだろう。
サウナ自体にあまり慣れていない人は、まずは一般的なサウナ施設で試してからでも遅くない。
Q.どんなキャンプ場でもテントサウナって楽しめる?
A.禁止されていないか確認して
サウナキャンプを行うためのキャンプ場の条件としては、テントサウナの設営、火器の使用、水遊びがOKで、テントサウナが禁じられていないキャンプ場が必須条件となる。まずは、キャンプ場に確認して、禁止されていないかを確認すること。
キャンプ場内で禁止されていなくても、「テントサウナ区画」としてサイトが区分けされていることもある。こちらも必ずキャンプ場の受付時に確認してほしい。
テントの設置場所としては、水風呂代わりとなる水辺までの導線ができるだけ近くて、スムーズであることが設営の重要ポイントとなる。また、テントやストーブなど、機材が多い。それらの出し入れをするために、クルマが設置場所に横付けできることも理想条件といえるだろう。
Q.テントサウナのほか、どんなアイテムが必要?
A.テントやストーブ以外にもいろいろあります
必須アイテムは、テントサウナ(テント、ストーブ)、サウナストーン、ベンチ、バケツ、柄杓(ひしゃく)、耐熱グローブ、火ばさみ、スコップ、灰捨てバケツ、温度計、一酸化炭素チェッカー、鋳造ペグ、鋳造ハンマー、着火剤、薪。
あると便利なものは、アロマオイル、ヴィヒタ。テント内で使用する。
さらに、ウエア類も準備しておきたいアイテム。水着、かかとの固定ができるサンダル、サウナポンチョ、サウナハットなどが挙げられる。
一般的なサウナ施設と違うので、必ず水着は着用すること。タオル生地のサウナポンチョなどがあれば、水着でキャンプ場をウロウロしなくてすむ。キャンプ場は、サウナに来ている人だけでないことを自覚して、周囲にいるキャンパーへの気遣いも忘れずに。
大西さんお気に入りアイテムはフィンランド「OSMIA」のアロマオイル。ロウリュをした際に最も香りが立つようにチューニングされている。
Q.サウナキャンプアイテムを購入する予算は?
A.購入するなら20~25万円くらい
サウナキャンプを行うためのアイテムは上記で紹介したが、では予算はいくらか? 「購入代は備品含めて、おおよそ20〜25万円程度」と大西さん。
いきなりすべてを購入するのが厳しい場合は、テントサウナがあるキャンプ場で試してみるのをおすすめしたい。
「半常設やキャンプ場のレンタルなど、直接管理下にある施設がベターです。おおよそ1名4000〜5000円程度の体験料金が相場です。ただし、利用する人数で変動することもあります」
気をつけたいのがレンタル。すべて安全管理ができている業者ばかりではないとのこと。 「半常設やキャンプ場のレンタル以外は、テントサウナのレンタルはあまり推奨しません」
Q.サウナキャンプの注意点やマナーはある?
A.知らないと命にかかわることもある
季節は問わないサウナキャンプだが、気象条件などのコンディション確認は最重要項目。せっかくの楽しいサウナが、悲しい事故になっては元も子もないからだ。
「多少の雨なら問題ありませんが、風の強い日は危険なためNG。天気予報で、風速5m以上の予報が出ている場合は行わないほうがいいと思います」と大西さん。
雪中サウナはおすすめだが、とはいえ、大雪など荒天の日も避ける。そもそもキャンプ自体も中止したほうがいい。
「また、酒を飲んだあとや、日が暮れたあとに川や湖へ入るのは絶対にNGです。水難事故を引き起こします。子どもが一緒の場合は、絶対に目を離さないように」 何はともあれ安全第一で楽しんで。
文:大橋保之
取材協力:Sauna Camp.
出典:GARVY2022年10月号