【概要】アメリカ・南カリフォルニアでフォルクスワーゲンバスオーナーやファンが集まるイベントを取材。参加車両の紹介やタイプ2がヒットした理由など。

フォルクスワーゲン・タイプ2、通称VWバス。長い年月の間、世界中の人から愛され続けているクルマで、南カリフォルニアでは見かけない日がないほどまだまだたくさんのVWバスが走っている。今回はそんな彼らとオーナーの週末をレポートしたい。

VWタイプ2バスは、ドイツ生まれカリフォルニア育ち。その人気は永遠だ

画像1: VWタイプ2バスは、ドイツ生まれカリフォルニア育ち。その人気は永遠だ

フォルクスワーゲンタイプ2の最初期モデルは1950年に登場。その愛らしい表情のため、登場から70年以上がたついまも、世界中に多くのファンがいて、貴重なビンテージカーとして、かなりの金額で取引されることもある。

タイプ2バスが、ここまでヒットしたのには理由がある。

VWはドイツのメーカーだが、このスタイルが受け入れられたメインマーケットはアメリカ。特に燦々と太陽が降り注ぐ南カリフォルニアで、クルマと共に進化したアウトドアライフが多くの人に取り入れられ、大きな成長を遂げた。

まさしくこれこそが、いまでいうバンライフの先駆けであり、車中泊の基礎となったモデルといっていいだろう。

画像2: VWタイプ2バスは、ドイツ生まれカリフォルニア育ち。その人気は永遠だ

今回紹介するこのイベントは、そんなVWバスオーナーやファンが集合したもの。しかし、特別なテーマはないシンプルな週末の一日で、VWバスと過ごすライフスタイルが日常に組み込まれている。

だからこそ、週末のたびにこうした同じ趣味をもつ人たちが集まる小規模なイベントが、そこかしこで開催されているのが、アメリカのクルマ文化なのだ。

ローカルな小規模イベントといっても、この日だけで40台以上のVWが集まっているのだから、カリフォルニアのファン層の厚さが伺い知れる。

同じ空冷フラット4エンジンを搭載した、VWファミリーのクルマも集まり、それぞれが大好きなクルマやアウトドアライフの話で盛り上がる。

画像3: VWタイプ2バスは、ドイツ生まれカリフォルニア育ち。その人気は永遠だ

ビーチの目の前で開催されているので、一部には波乗りを楽しむ参加者もおり、その時間の過ごし方もさまざまだ。

クルマが必須のライフスタイル、そしてその文化が完全に暮らしと一体化しているアメリカ。だからこそこうしたラフなスタイルのファン交流会が自然的に発生する。すてきなライフスタイルを送るオーナーとクルマの関係は、永遠に続きそうだ。

キャンパーとしては小ぶりだけど存在感は唯一無二

画像: 多くのVWバスに備えられていたスカイライトハッチ。

多くのVWバスに備えられていたスカイライトハッチ。

VWバスをベースにしたキャンパーには、多彩なタイプが存在する。メジャーブランドではウエストファリアやヴィネべーゴなどがそれにあたる。

さらにベースモデルにも、キャンパーモデルや、カーゴに特化したもの、ピックアップトラックなどのモデルがあるのだ。

画像: キャンパーのポップアップルーフにはいくつものバリエーションがある。

キャンパーのポップアップルーフにはいくつものバリエーションがある。

そのため、タイプ2はさまざまなシーンで活躍するクルマとして、大きな人気を博していった。

サイドドアは、1967年モデルのT1までは観音式の2枚ドア。それ以降のT2からは、使い勝手のいいスライドドアとなる。

なかでも、キャンパーとしてメジャーなのが、「23サファリウインドウ」と呼ばれる、全部で23枚のガラス窓が取り付けられたモデル。

人気が高く、タイプ2のなかでも「特別な金額」で売買されている。

画像: 23サファリウインドウの車内は、いくつもの窓があるのでインテリアの開放感は格別だ。

23サファリウインドウの車内は、いくつもの窓があるのでインテリアの開放感は格別だ。

また、タイプ2バスのヒットを受け、1960年前後からアメリカ製ミッドサイズのカーゴバンをベースに、車中泊仕様のクルマが登場し始めた。これこそがバニングのスタートラインであり、VWバスはそのルーツともいえる。

オリジナルのキッチンやシートを大切にリストアしながら乗られているクルマも多く、どのクルマからもオーナーが愛情を注いでいることが伝わってくる。

イベントに参加していたVWバスたち

画像1: イベントに参加していたVWバスたち
画像2: イベントに参加していたVWバスたち
画像3: イベントに参加していたVWバスたち

ダークブルーの2トーンカラーで仕上げられた、すてきなT1。オリジナルのキッチンシンクなどもきれいにリストアされて、機能的にも問題なし。ベージュでまとめられた室内と、インパネやカーテンのブルーのコントラストがハイセンス。

画像4: イベントに参加していたVWバスたち
画像5: イベントに参加していたVWバスたち

アイボリーホワイトとコークレッドがかわいいタイプ2バス。インテリアやディスプレイ用のデコレーションも、コークアイテムを筆頭に、すべて赤白のアイテムでそろえてコーディネイト。まるでビーチパーキングにオープンしたカフェテリアのようだ。

画像6: イベントに参加していたVWバスたち
画像7: イベントに参加していたVWバスたち

車内でしっかりとリラックスできるとともに、アウトドアに出ればラグやテーブルを出してリビングスペースを作ってしまう。これがアメリカ人の楽しみ方が上手なところ。

画像8: イベントに参加していたVWバスたち

PORSCHEアロイのシューズとローダウンされた車高がキマっている。前後に装着されたルーフデッキも特徴的だ。

画像9: イベントに参加していたVWバスたち

ハワイアンモチーフを取り入れたクルマも多い。なかでも、このT2は木製のTikiをノーズに取り付けちゃったツワモノ。

画像10: イベントに参加していたVWバスたち

T2ベースのウエストファリア。ポップアップルーフを備えることで、室内の使い勝手は断然便利に。オーニングも見逃せない装備だ。

画像11: イベントに参加していたVWバスたち

VWバスで、アメリカ西海岸のさまざまなポイントを楽しむサーファーカップル。その相棒は信頼性の高いT2。

画像12: イベントに参加していたVWバスたち

シックなトーンの1956年式でやってきたアクティブなカップル。フロントウインドウをポップアップできるのもT1の大きな特徴。

画像13: イベントに参加していたVWバスたち

歴代の地元VWバスイベントに、20年以上参加した証のステッカーがサイドウインドウに。VWファミリーには顔見知りもたくさん。

画像14: イベントに参加していたVWバスたち
画像15: イベントに参加していたVWバスたち

南カリフォルニアのオレンジカウンティを中心に、数多くのイベントに顔を出しているVWバスのプロフェッショナル、ジャン氏。近隣で空冷フォルクスワーゲンのディーラーを営んでおり、ブラジルなどから豊富なパーツを取り寄せるルートもあり。こうしたバックアップがあると安心だ。

※この記事はカーネル2022年11月号 vol.57 掲載記事の一部を抜粋したものです

出典:カーネル2022年11月号 vol.57

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