「キャンプのハードルを下げたい!」 好立地の高規格キャンプ場
近年、西日本エリアの横綱として、人気を集めてきたキャンプ場といえば、三重県いなべ市にある青川峡キャンピングパークだ。
GARVY特別編集『オートキャンプ場ガイド2021』のアンケートハガキの集計でも、まだ実際に泊まったことはないが「行ってみたい」と書かれたコメントも多数。長年、多くのキャンパーを魅了する、その秘密はどこにあるのだろうか?
今回、話を聞いたのは、支配人のバタゴンさん(上写真後列右から4番目)、そしてマネージャーのホップさん(上写真後列右から2番目)だ。
「開業は2003年です。徐々にお客さんは増えていったのですが、いまは大きくスタイルが様変わりしました」
当時からスタッフとして関わるバタゴンさん。19年前に思いをめぐらせながら、語ってくれた様子は、「現在の」キャンプブーム以前のこと。
「私たちは高規格キャンプ場の部類に入ると思いますが、それまでのキャンプはお金のかからないレジャーだったと思います。一度道具を購入して集めれば、リーズナブルに楽しめた。しかし、19年経ったいま、キャンパーの皆さんのこだわりが、とても強くなり、ギアの購入だけでも、ハードルが高くなりました」
一部、高額なギアが増え、さらに、同じ用途のアイテムを数種類購入するキャンパーも少なくない。ホップさんは、別の変化を感じているという。
「私は8年目くらいなのですが、入った当初は、冬に来るキャンパーは少なかったと思います。それが、いまや季節を問わず来ます。キャンプサイトのスタイルもさまざまで、ファニチャー類を多く持ち込む人もいれば、シンプルな装備のみのキャンパーもいます」
まさに多種多彩なキャンパーたちが訪れるキャンプ場なのだが、その人気の要因はいったい何か?
バタゴンさんが笑いながら答えてくれた。「逆にこちらが聞きたいですよ。ただ、利便性はいい。高速道路の整備が進んで名古屋から1時間、京都から1時間半、大阪からでも2時間で来ることができます。“キャンプに行く”というハードルが低いことが、要因かもしれません」
さらにホップさんが続けたのは、場内の整備についてだ。場内をぐるっと一周、簡単にまわることができる。
「こんなに山が近くて、川もある。そんななかで、無理なく自然を楽しめるのが、支持をいただいている理由かも」
場内の整備もアクセスのよさも、そしていまは開催できていないイベントも、すべては「キャンプのハードルを下げる」ため。青川峡のいまの重要なコンセプトが、ようやく聞き出せた。
今後について、最後に力強く語ってくれたバタゴンさん。「いなべ市が、よりいっそうアウトドアに力を入れていくとのことで、それに我々も協力していきたい」
その一端を担う準備は、すでにできている。さらなる挑戦に期待したい。
宿泊施設も多数あるから、冬キャンプ初心者も安心
ログキャビン、ログハウス、トレーラーキャビンなども多数あり。
2階が広々としたロフトになっているアイランドコテージも人気が高く、室内のアイランドキッチンが特徴的。テラスでは、コンロを持参またはレンタルしてBBQも可。
ログハウスメーカーであるBESSとコラボした「キャビングサイト」。
2段ベッドやスタイリッシュな家具が準備されているログ小屋「IMAGO」とウッドデッキがあり、さらにキャンプを楽しく彩ってくれる。
青川峡キャンピングパーク
三重県いなべ市北勢町新町614
TEL.0594-72-8300
写真:松木雄一
文:大橋保之(カーネル)
出典:GARVY2022年4月号