アウトドアシーンでもブームとなっているテントサウナやサウナキャンプについて紹介。テントサウナが日本でなぜ流行したか、人気の秘密やマナー、注意点などをSauna Camp.代表・大西 洋さんが解説。

「ととのった!」という言葉とともに大流行しているサウナだがその波はより大きくなり、アウトドアにも波及している。

湖畔や海岸、そして川に隣接しているキャンプ場でよく見かけるようになったエントツ+テント……。

中では汗だくの水着の男女が笑顔で語らっていたかと思えばテントの入り口が開いた瞬間、一同、水に入る愉悦の表情を見せる。

2022年のキャンプシーンで、大きなトレンドとなったテントサウナとは、いったいどんなものなのか? 日本における第一人者であるSauna Camp.の大西 洋さんに話を聞いた!

Sauna Camp.大西 洋さん プロフィール

画像: Sauna Camp.大西 洋さん プロフィール

サウナキャンプの文化を日本に広めているSaunaCamp.代表。テントサウナ「NORZH」代理店を務め、イベントプロデュースも多数。アウトドアで「ととのう」すばらしさを伝えるべく、誰もがテントサウナを、安全かつ気軽に、さまざまな場所で楽しめる未来を目指して、日々活動している。

サウナとキャンプの共通項。ともに自然を体感すること

画像1: サウナとキャンプの共通項。ともに自然を体感すること

サウナブームといわれて久しい。一般的なサウナ施設の盛況ぶりはもちろんのこと、キャンプ場でもサウナ用テントを見ることが多くなった。

今回、そんな大人気のサウナキャンプについて、「Sauna Camp.」代表の大西洋さんに、野外でサウナを楽しむ魅力を聞いた。

画像2: サウナとキャンプの共通項。ともに自然を体感すること

「サウナキャンプなら、本場フィンランドと同じ体験ができることが大きいと思います。フィンランドでは、サウナから湖へ飛び込める場所がたくさんあります。日本でも少しずつ増えてきましたが、まだまだ数は多くありません。しかし、テントサウナがあれば、本場と同じ大自然の水風呂へ入ることができます」

サウナの本場フィンランドと同じ体験が、サウナキャンプならできる。さらに大西さんは続ける。 

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「テントサウナは世界最小単位のプライベートサウナです。日本のサウナは、基本的には公衆浴場なので、他人との共存が不可避。しかし、プライベートサウナなら自分の好きなアロマで『ロウリュ』を楽しむことができるし、迷惑にならない範囲で仲間とおしゃべりすることもできます。また、男女一緒に楽しめるのも大きな魅力です」

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1999年、フィンランドのsavotta社が、初めてテントサウナを一般向けに商品化したのが、サウナキャンプの起源といわれている。

日本では、2009年に初めてテントサウナが行われ、本格的に流行しはじめたのは2018年ごろからで、現在に至るという。

今回は、そんなテントサウナの人気の秘密と注意点を紹介していこう。

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なぜ、これほどサウナキャンプの人気が広がっているのだろうか? 大西さんの見解を聞いてみる。

「サウナ、キャンプともに人気が高まっているので、ある意味では必然といえます。サウナとキャンプのどちらにも共通することは、自然を楽しむ行為であること。デジタルデバイスに一日中触れている現代人は、どこか自然とのふれあいを求めているのだと思います。サウナは、“自然と一体化する装置”ともいわれているので」

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薪に火を入れて体をあたため、冷たい湖でクールダウンする。森の風に吹かれていると、何も考えられない穏やかな気持ちよさがやってきて、自分と世界の境目が曖昧になるような、独特のリラックス感覚があるという。

「生まれ変わったようなスッキリ感は、自然のなかのサウナの方が圧倒的に強いです」。つまり、サウナが本来もつすばらしさを体感しやすいことが、人気の一因だと大西さんは語る。

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もちろん、コロナの影響も少なくない。以前のように、公共のサウナに行くことがはばかられた時期もあった。そんな人たちが、自分のサウナをもちたいと考えるようになったのは、いわば必然なのかもしれない。

では、ブームを広げた本人は、この人気の広がりをどう思っているのだろうか?

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「認知度が向上するにつれて、楽しめるフィールドが増えてきたり、キャンプ場でも好奇な目で見られなくなったのはうれしく感じています。真冬の川に飛び込むこともしばしばなので、以前はおかしな人々という目で見られることもよくありましたが、今は“テレビで見たことある!”と好意的な声が増えてきました」

とはいえ、人気が出て、ユーザーが増えることによって、トラブルも増えている。次なるステージは、「安全とマナーについて啓蒙」と大西さんも声を強める。

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「テントサウナは、キャンパー目線で見ればレベルの高い遊びかもしれません。しっかりとアウトドアに関する知識をもってのぞまないと、火傷や火災、一酸化炭素中毒といった重大事故にもつながりかねません」

さらには、このブームに乗じて、安全性に疑問があったり、不十分な性能のアイテムを「テントサウナ」と称して、安価に販売する例も目にするようになったと大西さんは話す。

「マナーについても、静かに焚き火を楽しむ人や釣り人がいる真横で、大声を出しながら川や湖へ飛び込んだりする無配慮な人も増えてきました」

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裸に近い水着でうろうろしている人がいるという理由だけで、テントサウナが禁止になってしまったキャンプ場もある。まだまだ発展途上。しかし大きな可能性も秘めている。

「ユーザーがアウトドアの正しい知識を身につけ、製品や運用方法の『安全情報』に気軽にアクセスでき、マナーをみんなで啓蒙し合うような場を、業界として設けていく予定です」。大西さんがさらに広げていくサウナキャンプの未来に期待しよう!

文:大橋保之 
取材協力:Sauna Camp. 
出典:GARVY2022年10月号 

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