夏キャンプはキャンドル&小さな焚き火を楽しむ
ただでさえ気温が高いので、できるだけ火を使いたくない夏キャンプ。コーヒーポーションや水でほぐす麺などを活用して、加熱調理すら敬遠したくなるときもあるほどだ。
キャンプに焚き火はつきものだけれど、炎の熱を体全面に感じる近くにはいたくない。そんなジレンマに陥るなら、小さな焚き火を取り入れてはどうだろう。
小さな焚き火台は、小枝や松ぼっくりなどを燃やすので、長時間焚き火を楽しむには少々根気が必要だ。しかし、暑いと思ったら消火作業は短時間で完了できる。
それに小さな焚き火でも、ラーメン用の湯沸かしくらいはできる。おやつを炙って食べるなんてこともお手の物だから、親子で火を操る大変さや働きを体感するにはちょうどいい。
焚き火を見て安らぎたいだけなら、キャンドルで代用してみるのもいい。市販の小さなキャンドルや、マントルを使わないランタンを用意するだけで、焚き火風のゆらぐ火が生まれるのだから。
最近では、子どもはもちろん大人でさえ、マッチやライターを使う機会が減っている。夏の焚き火をきっかけに、「火育」の第一歩にするのもいい。
もちろん、焚き火だけがキャンプの楽しみではないので、無理をする必要はない。日が暮れて、蒸し暑さがひと段落ついたころ、余裕があれば小さな火を楽しむという程度でいいのでは。
手のひらサイズの焚き火台で小さな焚き火を
手のひらに載るサイズの軽量焚き火台なら、持っていくのも苦にならない。気分が乗らずに使わなくても、”失敗した”という気にならないのもいい。
市販の薪では大きすぎるので、長時間、火を絶やさずに燃やし続けるのは手間がかかる。小型の焚き火台なら、小枝や松ぼっくりなどを使って手軽に焚き火ができ、消火も簡単なので、就寝前に短時間焚き火をするのにちょうどいい。
角材で作るミニきこりのろうそく
DIYなどの端材を使った小さなスウェディッシュトーチ=きこりのろうそく。火を燃やすと有害な合板などの加工材でないことを確認し、針金でしばるだけ。高さがそろっていればシェラカップで湯沸かしくらいはできる。
作り方
①長さをそろえた2×4などの端材を2本用意。どちらもひとつの角だけ薄くナイフで削いでおき、これを内側に向ける。薄い板を挟み、スウェディッシュトーチの切れ込み部分を作る。
②上の①と同様のものをもう1組作り、組み合わせ、針金でしばる。あとは削いだ木材に火を着けるだけ。隙間が狭すぎると火着きが悪いので、いろいろ試してみよう。
花と葉っぱの自作キャンドルを浮かべよう
ミツロウやパラフィンワックスなどを溶かし、思い思いの形に整えるだけ。芯を中心にしっかり接着しないと、水に浮かべて時間が経つとバラバラになりやすい。が、それも味わい。
作り方
①固形のワックスを湯せんで溶かし、油性クレヨンを削って色付けする。クレヨンは少量ずつ加えて様子を見る。複数の色を作りたいなら、容器を複数用意するほうが発色はきれい。
②クッキングシートに①を薄く伸ばし、冷え固まる前に軽く湾曲させて花びらを作る。あとは芯となるひもにこれらの花びらをくっ付けるだけ。
マントルなしのランタンなら風にも強くて扱いやすい
マントルを使わないランタンは、決して大光量ではないが、キャンドルや焚き火のように風によって炎が揺れ、雰囲気よし。ホヤがあるので、キャンドルよりも風に強いというのも利点だ。燃焼音が静かなのもいい。
使い方
スイッチオンでガスを出す
①SOTO「ヒノト」、コールマン「ルミエールランタン」、スノーピーク「リトルランプ ノクターン」というキャンドル風ガス式御三家は、自動点火装置が搭載されていない。オン/オフ、火力調整つまみの位置を確認する。
着火したら炎の高さを整える
②ライターやマッチの炎を近づけて点火させる。つまみを回して炎の高さを調節し、揺らぐ炎を楽しもう。ほかの燃焼式ランタン同様、屋外で使おう。
コーヒータイムを彩る市販のキャンドル
雑貨店で手に入る市販のキャンドルに火を灯すだけで、焚き火っぽいなごみの火が手に入る。しかも焚き火台とは違い、着火も消火も思いのまま。キャンドルを載せる燭台は、竹や木材で手作りするのもいいだろう。
【結論】小さな火でも癒やし効果大! でも取り扱いには十分注意
小さな焚き火台やキャンドル、キャンドル風ランタンでも癒やし効果は高い。日没後なら暑すぎてイヤになることもない。ただし小さくても火は火。火災ややけどの危険は、変わらずにある。耐熱シートや消火用水の準備は万全にし、置き場所にも配慮しよう。
写真:逢坂 聡、大森弘恵
文:大森弘恵
出典:GARVY2022年8月号