教えてくれたのは……
小濱潤平さん
VANCAMP JAPAN代表の小濱さん。新しいキャンプスタイルを探しているときに知ったバンライフカルチャーがきっかけで、車中泊キャンプをスタート。手軽なバンキャンプスタイルを発信中。
愛車は2001年式 三菱デリカスペースギア ロングG ハイルーフ。小濵さんのバンキャンプ・リビングの基本はタープを利用すること。フィールドに合わせて3種類のタープを使い分けているという。
タープを接続してサイトを展開。車内もリビングスペースとなる
クルマの周りにタープが広げられ、その下にリビングを展開している小濱さんのキャンプサイト。クルマの中と外がボーダレスにつながっているような光景が広がっている。
テントキャンプの場合は、テントの中がキャンプサイトでリビングの一部となることは少ないが、車中泊キャンプだと、車内スペースも有効に使うことが、快適なリビングの秘訣となるのだ。
キャンプサイトでの位置決めは、クルマを平坦な場所に置いて、風の向きを考えること。車内は自作ベッドなどで平坦にしてあるので、地面の凸凹を気にするというよりは水平を気にするだけだ。
場合によってはレベラーという踏み台のようなもので水平にすることもできるので、テントキャンプよりは気を使うことはないだろう。
また、風上にクルマを置いておけば、風よけにもなるし、風下のドアを開けることで、風の影響を受けることも少ない。
車中泊キャンプではタープなどの屋根をクルマにつなげることが多い。これは車内を行き来することが多いからともいえるだろう。
小濱さんの場合はタープを3種類持っていて、その場に合わせてチョイスしている。バリエーションはドーム型の骨組みが入ったカーサイドタープ、クルマ専用のタープ、アウトドア用のタープだ。
車中泊キャンプで難しいのが、荷物を持ってきたクルマもリビングスペースとして利用する事。
セッティングが終わった後は、車内にスペースがあり、いつでも就寝できる状態にしておきたい。そのためにも、荷物はコンパクトになり、整理整頓しやすいようにボックスなどを有効に活用している。
クルマ専用タープはセッティングも簡単
クルマに接続するタープは大きめのサイズを使うと便利。雨、日差しを避けるとき、タープの下だけでなく、クルマのサイドから中に入ってこないように設置できるタイプを選ぶ。
リアゲートに装着されたのはQUICKCAMP のカーサイドタープ。一般的なタープとしても使えて、クルマに接続できるベルトを装備しているので、カーサイドタープとしても利用できる。
〈設営方法〉
設営方法は簡単。リア側でタープを広げて、向きを確認してセッティング。クルマに接続するベルトをタイヤ部分に装着する。このときリアゲートを閉めておくと、作業がしやすい。
長さを調節できるベルトの先端にフックが付いていて、タイヤのホイールなどに装着できるようになっている。引っ掛けるだけなので、簡単にセッティングができる。
逆側のタイヤにもベルトのフックを取り付けて、ベルトの長さを調整して幕がリアゲートの中心にくるようにする。後ろ側は一般的なタープ同様にポールと張り綱で調整。
専用金具でアウトドア用タープも活用
利用しているのはキャプテンスタッグのタープテント用カージョイント。クルマと接続するとき、気をつけるのは直線部分を接続すること、点で接続すると雨などが吹き込んでしまう。しかし、クルマのサイズにあった直線があるタープも少ないのでセレクトが難しい。
小濱流 車中泊キャンプ 野外リビングのポイント!
①タープは大きめサイズをチョイス!
クルマに接続するタープは大きめのサイズを使うと便利。雨、日差しを避けるとき、タープの下だけでなく、クルマのサイドから中に入ってこないように設置できるタイプを選ぶ。
➁車内はいつでも整理整頓
車中泊キャンプではリビングを作った後も、クルマの中がきれいに整頓されているのが基本。タープやポールの入った袋や、使わないギアをそのまま置いていないのがわかるだろう。
③車内とつながる快適レイアウト
リアにはキッチンスペースを確保。クルマのリアにテーブルトップの片側を乗せて、反対側に脚を付けている。キッチンに立って車内に手を伸ばせば、必要なモノを取ることができる環境ができあがった。このように車内とつながるレイアウトが車中泊キャンプの特徴でもある。
④野外リングのテーブルはコンパクトサイズ
クルマの中にある棚などを利用するので、外で使うテーブルが小さいのも特徴。ドリンクを置ける程度の小さなテーブルで十分。ポータブル電源などの大きなものは車内へ置いている。
⑤クルマを起点として配置する
リビングで利用するギアはシェルフスタンドなどにまとめておく。その際、クルマを起点として、連続してつながるように配置すれば、さらに快適性が向上することだろう。
⑥焚き火はクルマから離れた位置で
焚き火台の位置は風下でクルマから少し離れた場所がいい。タープへ火の粉が飛ばないようにするのも大切だが、煙が車内に入ってこないようにすることも重要なポイントとなる。
写真:中里慎一郎
文:渡辺圭史
出典:GARVY2022年6月号