11月20〜22日の3日間、コールマン主催のイベント「ザ コールマン キャンプ 2021」が開催された。
昨年同様、舞台は茨城・涸沼自然公園キャンプ場。ゆったりとしたスケジュールでプログラムが進むハッピーなイベントだが、参加者も出展社の数も絞っているため、定員は150組約500名。残念ながら抽選に外れた人も多いので、その様子を紹介しよう。
今年のフォトスポットは、テント生地をリユースした幌馬車だ。基本、会場内はマスク着用が徹底されていたが、自分のキャンプサイトとこちらのフォトスポットのように、2m以上の距離が離れている屋外であればマスクを外してOK。このあたりでは久々に笑顔のキャンパーを見られた。
コールマンが創業する前、アーリーアメリカンを思わせる幌馬車は、当時を思わせるパッチワーク柄。中に入ってもよし。
田中ケンさんが自然の中で過ごすおもしろさを自由に語るトークライブ。
DJ JETMANによるキッズディスコでは、子どもたちがステージにかぶりつき♪
切妻屋根のアーリーアメリカン調ステージ。サイディングの横張りではないけれど、雰囲気は十分伝わる。
ここで行われたのは、登山家である戸高雅史さんや快適生活研究家・田中ケンさんのトークライブ、アボリジナルの伝統楽器を作って遊ぶGOMAさんのワークショップ、daisuke katayamaさんの初心者向けウクレレレッスンなど。
子どもたちの感性を刺激する多彩なワークショップ
ステージを囲むように点在するテントでは、人と自然のつながりを感じることができるワークショップが開かれていた。
子育て支援団体「SMILE KIDS GROUP」によるワークショップは、コルクボードづくりとキャンドルホルダー作り。
細かく切った色画用紙を貼り付けて作るキャンドルホルダー。小さな光が色画用紙を照らし、なんだかステンドグラスのようになる。
型紙に色を刷り込んで、自分だけのコルクボードを作る。できあがったボードには写真を飾ってもいいし、拾ってきた落ち葉をくっつけておくのもかわいい。
田中ケンさん率いるTEAM outsideはスラックラインやクライミングウォールを設置し、子どもたちが自由に遊べるエリアになっていた。
outsideロゴ入りウインドミルのお絵かきコーナー。
人数限定で、オージービーフのスペシャリストでもあるケンさんがステーキをおいしく焼くためのコツを直伝してくれるという、うれしくておいしい一幕も!
一足早く、2022年新製品の「ダブルパンクッカー」を使ったワークショップも!
みなくちなほこさんにかかれば、なんの変哲もないフランスパンがふわっふわの激ウマフレンチトーストになるから不思議。
焼き上がったフレンチトーストに、たっぷりはちみつをかけて♡
粉砂糖でお化粧するだけで華やかなスイーツ。バースデーケーキがわりにすると宣言したファミリーもいたほどだ。
プロミュージシャン・daisuke katayamaさんのウクレレレッスンは、小さな子でも参加OK。みんなで『きらきら星』演奏を目指して練習する。やさしい音色はアウトドアの雰囲気にぴったり。
初めてウクレレに触れる人、譜面の見方を知らない人も、最後はひとりで演奏できるようになっていたからスゴイ!
大きな木陰を作るシンボルツリーは「えほんの木」。
木の根元に絵本が置かれており、自由に読み聞かせができる。『ぐりとぐら』シリーズ、『おやすみ、わにのキラキラくん』など大人も懐かしく、思わず手にとってしまうラインアップだ。
大人のお楽しみワークショップ
東京・吉祥寺のラムバー「SCREW DRIVER」のバーテンダーによる「オリジナルラムパンチ作り」は大人だけのお楽しみ。
3種類のラムから1種類を選び、フルーツやスパイスを漬け込む。3日〜1週間後の完成を目指すわけだが、基本の作り方をもとに、自由な発想でスパイスを選んでいくのがおもしろい。
コクのあるダークラム、スッキリとシンプルに味わいたいならホワイト、その中間がゴールド。お茶割りにしたい、ミルク割りがいいなどイメージを伝えれば、ベースのラムを教えてくれる。
オレンジ、レモン、ショウガ、レーズン、シナモン、クローブ、バニラビーンズ、八角、カルダモン、角砂糖とブラウンシュガーを組み合わせる。
方向性を決めれば自由な分量を漬けていいのだが、クローブと八角は入れすぎ注意。
せーの!で作り始めたのに、まったく違うできあがり。シンプルにレモン+角砂糖+バニラビーンズのものもあれば、目一杯スパイスを漬けたものまでさまざまだ。自宅でも作れるので、研究を続けてみたくなる。
日本の伝統技術と精神性が詰まった製品でバーベキューライフをサポートする、カルボレーニャの革細工体験。
ロゴ入りレザーキーホルダーに好きな文字や模様を刻印するワークショップ。ハンマーで打ち付けるので、子どもではなく大人が楽しそうに打刻する姿が印象的だった。
鳥とウサギが舞うおそろいキーホルダー。男性のほうが天使の羽つきでよりラブリーな仕上がりに。
名物ガイド、木村とーるさん率いる四万十塾のカヌー体験。涸沼自然公園内を流れる若宮川から涸沼までを往復する90分間のカヌートレッキング。
一艇ずつ漕ぎ進む狭い葦原を抜け、水門をくぐると視界がパッと開けるのが感動的だ。早朝や夕方は斜めに伸びる太陽の光が水面をキラキラ輝かせるのでいっそう印象に残る。
使用するのは安定感のあるカナディアンカヌー。小さな子どもといっしょに乗る場合は、コールマンのチェアを積載させていた。
四万十塾ではオーダー家具のTIDAFIKAとコラボしてガス缶カバーを製作、販売していた。ガス缶カバーと呼ばず、土佐の穴あき酒器にならって“穴あきお椀”と呼ぶことも。
ブルワリー直送のおいしいクラフトビールを提供するEL CAMION。日が落ちると「どのビールにしようか」と迷っている大人の姿が吸い込まれていくのがおもしろい。
EL CAMIONでは予約制でT.Y.HARBORとコールマンがタッグを組んだ「オリジナルBBQパッケージ」を販売。
レシピ通りに調理すればプロの味になると評判のキットで、この販売を記念し、土曜の夕方はクラフトビールとバーベキュー、キャンプをテーマとしてトークライブを開催していた。
地元食材をふんだんに使った店舗が並ぶ「茨城町マルシェ」が今年も開催された。とれたてニンジン、評判のフルーツサンドなど、これを目当てにする参加者もいるほど。
ちなみにフードコーディネーター・みなくちなほこさんが絶賛したのは、いばらき農家の納豆。数量限定なのであっという間に売り切れていた。通販でも手に入るので、気になる人はチェック。
コールマンは新製品お披露目とハウツー紹介
2022年の新製品に触れて、説明を受けられる展示エリア。一番人気は85Lのキャリーケースにテント「インスタントアップドーム/S」ほか寝袋、マット、テーブル、チェア、ランタン、クッカー、バーナー、焚き火台などソロキャンプに必要な道具をひとまとめにできる「ソロキャンプスタートパッケージ」(7万6800円)。
グリーンだけでなく、コールマンレッドが追加された「ワンマントルランタン」。
2022年モデルは正面のデカールはロゴのみとなり、ポンピングノブは樹脂から金属に変更されるという。
中央の火力調節つまみも、古き良き赤ランタンのものによく似た赤いダイヤルをまとっており、先祖返りしたかのような懐かしいデザインになっている。
ステージ脇では新作テントについて、開発者がその機能を発表していた。コールマンファンが食い入るように見つめていたのが印象的。
製品説明のあとは、天気が崩れそうな最終日に備えて参加者からの質問コーナーが続く。ほかにもキャンプの不安をプロに教えてもらえるとあって大盛況。
風への備えのひとつは、張り綱の使い方。ポールに一度巻きつけてからペグダウンすれば、下からの風であおられて幕が持ち上がっても外れることはない。
風が強いときは、就寝時にファスナーの下に付いているゴムをペグに引っ掛けておくといいそう。
こうすることで、風によってファスナーが開き、冷たい風がインナーに吹きつけるのを防止できるというわけ。
お買得商品をそろえたイベント限定オフィシャルショップでは、購入したTシャツやピクニックシート、バッグ類にシルクスクリーンでオリジナルロゴを入れるサービスを用意。
バッグやシートは1種類だが、Tシャツは4種類のデザインから選べるとあり、ショップは大盛況。
とっておきのサービスは、日曜開催のじゃんけん大会だ。4つのシーズンズランタンを用意し、参加者・出展社みんなでじゃんけん!
勝ち残った4名が手に入れるというもので、2021年の120周年限定モデルはこのかわいい姉妹が勝ち残り、家族が大喜びした一幕も。
今年よりコールマンと提携したキャンプ場「パートナーフィールド」が誕生した。
全国8カ所のキャンプ場でコールマン製品をレンタルできるほか、設営方法や使い方などのレクチャーも実施し、キャンプが不安なビギナーも安心して利用できるキャンプ場となっている。
イベントでは4カ所のスタッフ+outsideBASEが集合し、キャンプ場情報を発信した。
今回のイベントでは製品知識やキャンプの知恵とマナー、フィールド情報を楽しく知る工夫がぎっしり。
舞台となる茨城町が、都心から近いのに豊かなフィールドであることもアピールされており、少人数のイベントながら充実した3日間となった。
「ザ コールマン キャンプ」は大規模一辺倒ではないニューノーマルなイベントの雛形として発展しそうなので、今後も注目だ。
写真・文:大森弘恵