【概要】焚き火の必需品、着火剤がわりになる火口(ほくち)について解説。キャンプ場で手に入れやすい6つの火口の燃え方を比べてみた。

柔らかくて油脂が多い火口を手に入れよう

画像1: 柔らかくて油脂が多い火口を手に入れよう

火口に火をつけ、焚き付け、薪へと火を移していくのが焚き火の手順。その焚き火をする上で一番てこずるのが最初の熱量アップだ。

着火剤があると格段にスピーディーで手間なく焚き火ができる。安価で手に入れやすい着火剤は「文化たきつけ」だが、開封後はしみこませた灯油が揮発してうまく使えないことがある。それに着火剤を買い忘れることもあるだろう。

そうであれば、着火剤に頼らない焚き火に挑戦してみてはいかが。キャンプ場や手持ちの道具を見渡せば、着火剤がわりとなるもの(=火口)は思いのほか簡単に見つかるものだ。

画像2: 柔らかくて油脂が多い火口を手に入れよう

火口向きなのは柔らかくて空気をたっぷり含み、できれば油脂もたっぷり含んでいるものが望ましい。とくにこれからの季節は気温が低いので、簡単に燃えて持久力のある火口をたっぷり用意しておきたい。

ただし、雨の日には乾燥した、状態のいい火口を見つけにくい。現地で探せる素材のほかに、麻ひもなど道具のなかで火口として使えるものを見つけておこう。

どんな火口が使える? 比べてみよう!

画像: どんな火口が使える? 比べてみよう!

キャンプ場で手に入れやすい6つの火口を燃やして、どんなふうに燃えるのか比べてみた。写真の素材のほかにも、ススキの穂、茎が空洞になっている枯れた草の茎、牛乳パック、ガムテープなどがよく燃えるので試してみて。

1 松ぼっくり
火口の代表。油脂分をたっぷり含んでいてよく燃えるし持久力もある。湿気ていると爆ぜることがあるので様子を見ながら使いたい。

2 新聞紙
広げたままではすぐに燃え尽きる。てるてる坊主のように片側を軽くねじっておけば、ねじったところは持久力あり。

3 杉の葉
杉の葉は油脂分たっぷりでしっとり濡れていると煙が盛大に出るが、それでも燃える。乾いた状態では盛り過ぎ注意。

4 シラカバの樹皮
ナイフでこすると皮がふわふわ。おまけに油脂分たっぷりなので長く炎を上げる。高原でシラカバの倒木を見つけたらラッキー。倒木を見つけたら迷わずGET!

5 麻ひも
ほぐすのは大変だけれど、ふわふわで優秀な火口になる。ただし燃え尽きるのも早いので、時間があるときにほぐしておこう。

6 スチールウール
ファイヤースターターで金属が火花を飛ばすように、スチールウールもじわじわ燃える。湿っていても問題なし。燃え残りは酸化鉄だ。

お守り火口も用意しておこう

画像: お守り火口も用意しておこう

いくら優秀な天然火口でも、雨上がりなどでは状態のいいものが必ず見つかる保証はない。クラフトやタープアレンジに使える麻ひも、鍋を洗うのに使うスチールウール、牛乳パックなどお守り代わりの火口も用意しておこう。

※当記事はGARVY2020年12月号の記事を再編集したものです

写真:逢坂聡 
文:大森弘恵 
出典:GARVY2020年12月号

This article is a sponsored article by
''.