【記事概要】2021年9月に行われた「横浜キャンピングカーショー2021」のイベントレポート。キャンピングカーのトレンドや注目モデルなどを紹介。

「今、注目すべきキャンピングカーってどれですか?」

画像1: 「今、注目すべきキャンピングカーってどれですか?」

9月18-19日、パシフィコ横浜で「横浜キャンピングカーショー2021」が開催された。横浜市の人気エリア“みなとみらい”でキャンピングカーショーが行われたのは初めてのこと。

コロナ禍ということもあり展示車両は決して多くはなかったが、「ジャパンキャンピングカーショー2021」から半年ほどたっているため初お披露目の新型車もあり、キャンピングカーファンにとって見ごたえのあるショーとなっていた。

画像2: 「今、注目すべきキャンピングカーってどれですか?」

会場にはキャンピングカー選びの若き伝道師、Tackle(タックル)さんの姿も。そこでキャンピングカーのトレンドと今注目すべきキャンピングカーを教えてもらった。

画像: Tackleさん

Tackleさん

レンタルキャンピングカー「wonderwall」代表であり、YouTube「キャンピングカーTV」でキャンピングカーの魅力を発信するTackleさん。

画像: 左から、Tackleさん、森風美さん、ちょもかさん、まるななさん。

左から、Tackleさん、森風美さん、ちょもかさん、まるななさん。

横浜キャンピングカーショーでは、YouTuberブースの展開やトークショーなどで大活躍。

トレンドはリチウムイオン・バッテリー

画像: ナッツRVのブース。急速充電システム「ハイパーEVOユニット」とリチウムイオンバッテリーの解説は、キャンピングカーショーでおなじみの光景だ。

ナッツRVのブース。急速充電システム「ハイパーEVOユニット」とリチウムイオンバッテリーの解説は、キャンピングカーショーでおなじみの光景だ。

エンジン停止中でも室内灯や冷蔵庫、電子レンジ、エアコンなどを使うキャンピングカーだから、大容量のサブバッテリーはマストアイテム。

電極に鉛を使っている「鉛バッテリー」は、瞬間的に大きな電力を出せる一方、空っぽ近くまで使うと寿命が縮むという弱点がある。

これを改良したのが「ディープサイクルバッテリー」で、これまで多くのキャンピングカーがサブバッテリーとして採用してきたバッテリーだ。一般に300〜500回の充電・放電ができるといわれている。

一方、次世代バッテリーと言われているのが、小型で大容量、バッテリーを使い切る直前まで電圧をキープでき、2000回もの充電・放電できる 「リチウムイオン・バッテリー」。

スマホ充電に持ち歩くモバイルバッテリーと仕組みは同じで、非常に魅力的ではあるものの、価格が高く、安全性に不安があった。

ところが安全性に配慮したリチウムイオン・バッテリーが続々登場し、価格も落ち着きはじめておりリチウム・イオンバッテリー搭載のキャンピングカーがずいぶん増えているのだ。

画像: ナッツRVの「ボーダーバンクス エボリューション タイプT」。

ナッツRVの「ボーダーバンクス エボリューション タイプT」。

「トレンドはズバリ、リチウム・イオンバッテリー。この流れを牽引しているのは間違いなくナッツRVでしょう。会場でも存在感抜群です」(Tackleさん)

プレミアムクラスの「ボーダーバンクス エボリューション タイプT」(1489万4000円〜)は、サブバッテリー100A×4、インバーター1500W、22.5A外部充電システム2基&外部充電など、エンジンを切っても朝まで家庭用エアコン使用可能。

しかもアイドリング状態で充電できるし、4つのサブバッテリーは4〜5時間走行でフル充電できるというから驚きだ。

画像1: トレンドはリチウムイオン・バッテリー

電子レンジや2口ガスコンロ、90L冷蔵庫を備えた使いやすいキッチン。写真左のダイネットはベッドに展開可能だ。

画像2: トレンドはリチウムイオン・バッテリー

後部にはキングベッドにもなるツインベッド、そして運転席上にもバンクベッドを装備し、6名乗車+6名就寝を実現。間接照明が印象的なベッドルームは窮屈感などまるでなし。

画像3: トレンドはリチウムイオン・バッテリー

装備の状態がひと目で分かるパネル。エントランスの上に集中させている。

テレビ番組でも注目を集めた、話題の軽キャブコン

画像1: テレビ番組でも注目を集めた、話題の軽キャブコン

ダイレクトカーズは、今、もっとも勢いがあるビルダーのひとつといって間違いない。リアルウッドを多用し、センスのよさが光る「リトリート」シリーズはどの会場でも多くの人が足を止める人気者。

三重県のビルダーだが、今年は神奈川・厚木にもショールームが誕生したことは記憶に新しい。

画像: 手前は最新作の「AMAHOⅡ」(329万円〜)、奥がテレビ番組で話題となった「AMAHO」(439万円〜)。

手前は最新作の「AMAHOⅡ」(329万円〜)、奥がテレビ番組で話題となった「AMAHO」(439万円〜)。

「8月に経済ドキュメンタリー番組で取り上げられた軽キャブコン『AMAHO』と『AMAHOⅡ』は、会場でも多くの人の注目を集めている話題のキャンピングカーです。見かけたらぜひチェックしてほしいですね」(Tackleさん)

画像2: テレビ番組でも注目を集めた、話題の軽キャブコン

ハイゼットトラックをベースとした8ナンバーの軽キャブコンで、シェル内にはベッド兼用ベンチとミニキッチンを装備。シンク脇にはバタフライテーブルが付いているので、調理時は広い作業台を確保できる。

ちなみに、AMAHOはL型に作業台がのびており作業スペースがより広く、キッチンカーにも向いているそう。

画像3: テレビ番組でも注目を集めた、話題の軽キャブコン

ポップアップルーフは柱がないので開放感あり! ベッドとして使うほか、くつろぎスペースになるのがおもしろい。

キッチンのシャワーフォーセットは窓から外に出して使えるのも実用的だ。

画像4: テレビ番組でも注目を集めた、話題の軽キャブコン

ベッドをたためば大型ラゲッジが生まれる。スクエアなバックドアは跳ね上げタイプで、自転車やサーフボードなどをサッと取り出せるし、雨が入りにくいのもいい。趣味をとことん楽しみたい人にうれしい仕様だ。

こだわりレザー&生地で重厚感のあるインテリア

画像: 30年前に登場したロングセラー、「ファイブスターセプト」(634万7000円〜)。

30年前に登場したロングセラー、「ファイブスターセプト」(634万7000円〜)。

日常使いしやすいバンコンは根強い人気を誇るが、見た目はいたって普通。レイアウトやベッド展開の工夫が購入の決め手となるわけだが、Tackleさんによるとファブリックにまでこだわっているのがレクビィだという。

画像: 縫いつけられた刺繍ロゴ。

縫いつけられた刺繍ロゴ。

「運転席を前に倒して対面にする、2段ベッドなどレイアウトの工夫がスゴイんですが、レクビィさんは生地使いが上手。ファイブスターセプトの2列目シートは汗をかきやすいところがファブリック、端のほうはレザー調になっていて、なんと縫い目のところに刺繍ロゴのタグをつけています。こうしたこまかなこだわりがたまりません」(Tackleさん)

画像1: こだわりレザー&生地で重厚感のあるインテリア

写真ではわかりづらいが、運転席、助手席の背面にも背もたれが付いている。座席を前に倒すことで対面になるのがユニークだ。

ドアの脇にキッチンがあるのだが、ご覧の通り、角ばっておらず、なめらかな曲線を描いている。サニタリールームのサッシ折れ戸やシェルフの質感もかなり高い。

画像2: こだわりレザー&生地で重厚感のあるインテリア

後部は二段ベッドと、トイレやシャワールームにできるサニタリールーム。どう使おうか夢が広がる。

技術力の高さが光る最新作!

画像: 「ライラ」(515万3500円〜)。ハイエースロングの標準ボディ、標準ルーフでバンコン初心者でも扱いやすいサイズとなっている。

「ライラ」(515万3500円〜)。ハイエースロングの標準ボディ、標準ルーフでバンコン初心者でも扱いやすいサイズとなっている。

内装がくたびれないキャンピングカーづくりをモットーに、国内工場で自社一貫生産にこだわっているカトーモーターは、ハイエース標準ボディをベースとする「ライラ」を今回初お披露目。

「カトーモーターさんは、もともとハイエースをベースとするキャンピングカー作りが得意なビルダーさんですが、最近はナローボディを扱ったものが増えていて、扱いやすい車輌が見つかります。国内の自社生産で技術力が高く、本当に長く使えるキャンピングカーが見つかりますよ」(Tackleさん)

画像1: 技術力の高さが光る最新作!

取り立てて派手なわけではないけれど、落ち着いたインテリア。後部の窓の木枠がかわいい。

運転席の後ろにはソファと同じ高さの家具ボックスを配置しておりスッキリ。標準ルーフだけれど、ソファやシートは座面が低めで圧迫感を解消している。

写真ではわかりづらいが家具ボックスは大きめのものを収納できるほか、中からテレビを引き出せるのがおもしろい。

画像2: 技術力の高さが光る最新作!

シンクや冷蔵庫は後部にまとめられている。冷蔵庫は外からアクセスしやすいのがいい。

水平ポップアップルーフが進化

画像: ハイエース S-GLがベースの「オーロラエクスクルーシブ ナロー」(639万2000円〜)は5名乗車/4名就寝。

ハイエース S-GLがベースの「オーロラエクスクルーシブ ナロー」(639万2000円〜)は5名乗車/4名就寝。

なかなか珍しい水辺ポップアップルーフをあえて採用しているケイワークス。従来モデルのポップアップルーフの使い勝手を大きく変えた、画期的なシステムとなっている。

310Wソーラーパネル、リチウムイオン100Ah×3個搭載したラグジュアリーなバンコン。扱いやすい標準ボディにもかかわらず、ポップアップルーフのおかげでゆったり過ごせると話題の車輌だ。

春先に発表されたが、横浜キャンピングカーショーでは改良版ポップアップルーフが搭載されていた。

画像: 軍用としても採用されているタフなテント生地で、防水・撥水性を確保。蒸れにくい。

軍用としても採用されているタフなテント生地で、防水・撥水性を確保。蒸れにくい。

水平ポップアップルーフの弱点は、ベッド・マットの扱いだった。いちいちベッド・マットを外してからでないと展開できず、これがユーザーの悩みであり、他社が取り入れるのをためらう理由なんだとか。

ちなみに、片側のみ持ち上げるポップアップルーフは屋根に立てかけるようにすることで対応できる。

ケイワークスではユーザーの声を反映し、急ピッチでこの難題を解決したというわけ。

画像: 水平ポップアップルーフが進化

ベッドマットを折りたたみ構造とすることで、いちいち下ろすことなく開閉できるようになった。小さなことに思えるかもしれないが、画期的な発明だ。

年内は4会場でキャンピングカーイベントが開催予定!

画像: 年内は4会場でキャンピングカーイベントが開催予定!

横浜キャンピングカーショーは終了したが、大阪キャンピングカーフェア(9月25−26日)、名古屋キャンピングカーフェア(10月9-10日)、お台場キャンピングカーフェア(10月30-31日)、福岡キャンピングカーショー(11月13-14日)と年内4会場での開催が残っている。チャンスがあればぜひ見学してみて。

写真・文:大森弘惠、SOTOBIRA編集部(一部)

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