両側スライドドアに進化した人気軽ハイトワゴン
近年のハイトールにスライドドア搭載モデルが主流となった軽自動車シーン。そこにスズキが投入するのは、ちょっと背の高い「ワゴンRスマイル」。
これまでの同モデルとは一線を画す丸みを帯びたフロントデザインを採用。シャープな顔立ちといえばワゴンRだったが、スマイルは四角いフォルムに丸いヘッドライトと、大きく路線を変えた。
室内高1330mmの車内空間は、ほどよく天井が高く、ゆったりとしたスペースを確保。そして、ついに搭載されたスライドドアは、荷物の積み降ろしが多いキャンパーや車中泊愛好家には、便利な装備だ。
ハスラーやジムニーなど、スズキならではの個性が際立つモデルが、人気を集めている昨今。今回のスマイルは、ゆったりした室内に、多彩なシートアレンジや、収納豊富かつスタイリッシュなインパネまわりなど、使用感にストレスが少ないのも特徴。
さらに、夜間歩行者検知機能のデュアルカメラブレーキサポートといった、スズキセーフティサポートももちろん装備されている。
従来のワゴンRといえば、1993年に発売され一大ブームを築いた名車のひとつ。2016年に登場した6代目までの累計販売台数は500万台に迫るほど。その人気のほどがうかがえる。
そんな名車の派生モデルとして、新たな人気を獲得できるか? 楽しみなニューモデルといえるだろう。
ボディカラーは2トーンをメインに、多彩なカラーをラインアップ。通勤から休日、そして車中泊でも笑顔を増やす一台となりそうだ。
【カーネルチェック!】まずはラゲッジスペース!
高さ855mm、最大幅1000mmと間口の大きいラゲッジ。4人乗車時でも35ℓのスーツケースが収納できる広さ。
後部座席を倒せば1345mmの室内幅を最大限に使用できるスペースが現れる。後部座席をスライドすることで約1510mmの床面積長を確保。
またヘッドレストを外して助手席を前に倒すことで、2185mmの室内長を有効に活用できる。
後部座席はややアシンメトリーなセパレート式で、乗車人数やシーンに合わせてアレンジが可能。左後部座席のシート幅は約890mm。
【カーネルチェック!】車中泊には向いている?
前席を後ろに、後席を前にすべて倒した状態で、約2150mmの車中泊スペースが現れる。荷物さえ整理できれば大人2名でも十分寝られる。
後席を倒さずに前席を倒すシートアレンジもできるが、奥行きが足りない人も多いだろう。シート上の広さは約1550mmだが、前席の足元の空間を埋めれば、1730mmほどになる。
助手席を前倒しにすれば約1980mmの空間を確保できるが凹凸が激しく、必ずマットの準備が必要。
後部座席の幅は約1210mm。子どもなら足を伸ばせるか?
【カーネルチェック!】ドライビングは?
全体的に丸みを帯びたインパネの中央には、大型ディスプレイが設置されている。カラーパネルは3つのカラーを設定。
減速時のエネルギーで発電した電力を利用し、専用バッテリーに充電。加速時にその電力を利用しモーターでアシストするマイルドハイブリッドを搭載。直列3気筒エンジンは、最大出力49psを発揮。
運転席正面にはヘッドアップ式のディスプレイを装備。
14インチのホイールは、ボディカラーに合わせて様々なカラーのキャップが組み合わされる。
スズキ・ワゴンR スマイル
価格:129万6900~171万6000円
スペック(HYBRID X 2WD・CVT)
全長×全幅×全高:3395×1475×1695mm
乗車定員:4名
車両重量:870kg
エンジン形式:直列3気筒DOHC+モーター
総排気量:657cc
エンジン最高出力:36kW(49ps)/6500rpm
エンジン最大トルク:58N・m(5.9kg・m)/5000rpm
モーター最高出力:1.9kW(2.6ps)/1500rpm
モーター最大トルク:40N・m(4.1kg・m)/100rpm
WLTCモード燃費:25.1km/ℓ
トランスミッション:CVT
燃料・タンク容量:レギュラーガソリン・27ℓ
駆動方式 :2WD
価格:159万2800円
写真:佐藤正巳
文:高梨達徳
出典:カーネルvol.51秋号(2021年9月9日発売)